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☆36☆
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秋菜が、
「その時間だと学園には入れないわね」
冬子が、
「ていうか、田中は何でそんなに春海のプライベートに詳しいんだ?
ストーカーか?」
田中が慌てながら、
「そんな、ストーカーだなんて。
僕はただ、いつも遅くまで美術部に残って絵を描いている春海さんが、
帰り道に悪漢に襲われないよう、
影ながら見守って、
いざという時に春海さんの盾となって守る覚悟なんです。
それで、春海さんの後をつけていただけです」
冬子が、
「それをストーカーって言うんだよ」
身もフタも無い。
竜破が、
「心意気は買うが、やってる事はストーカーと同じだな」
情け容赦なく追い打ちをかける。
田中が思い詰めたように、
「まさか、本人じゃなく絵を狙うなんて、迂闊でした。でも、秋菜さんの贋作で良かったです」
秋菜が、
「良くねーよ! なんなのよ! みんなひどいよ! 踏んだり蹴ったりだよ!」
涙を浮かべて訴えるが、
誰もが無反応だった。




