表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/58

   ☆35☆


   ☆35 ☆


 秋菜が美術室へ入るなり絶叫する。

「何で!? あたしの絵が! こんな事になってんのよ〜〜〜っ!!!」

 炎華が、

「秋菜は昨日、控室で春海の絵と秋菜の贋作を、入れ替えたんじゃないかしら? こうなったのは、それが原因よ」

 秋菜が、

「ど、どういう事よ? 昨日は確かに、

 あたしが春海の絵と贋作をすり変えたわ。

 春海がそれに気がつかなかったら、

 あたしの贋作も負けてないって、

 事になるじゃない。

 本人が気づかないほどなら。

 でも、それで、何で絵が切り裂かれるのよ?」

 炎華が、

「犯人は、春海の絵だと思って贋作と知らずに絵を切り刻んだのよ。

 恐らく、犯行のさい、照明をつけずに、スマホかペンライトで、

 控室の春海の絵を探したんでしょうね」

 冬子が、

「秋菜の自業自得ね。

 変な気を起こすから痛い目にあうのよ。でも、秋菜の贋作もたまには役に立つ時があるわね。

 少なくとも、春海の新作は被害を免れたんだから」

 秋菜が涙目で、

「ひっ、ひどいよ〜冬ちゃん! そんな役の立ち方は嫌だよ〜〜〜!」

 冬子が、

「オリジナルを描きなさいよ、オリジナルを。前から口を酸っぱくして言ってるでしょ。そうすれば、こんな災難にあう事はなかったのよ」

 秋菜が、

「それが出来たら苦労しないよう〜」

 口を尖らせる。

 炎華が、

「密室のトリックは単純な手品だけど、証拠がないから、どうにもならないわね」

 竜破が、

「はえ〜な! もうトリックが分かったのかよ! 犯人はどうやって美術室を密室にしたんだ?」

 炎華が首を振り、

「今は、まだ話す時じゃないわね。でも、ヒントだけは教えてあげるわ。フォーチュンクッキーと同じ手品よ」

 竜破が訝しげに、

「フォーチュンクッキーねえ? う〜ん? さっぱり分からん」

 そこに、七美と小柄な男子がやってきた。

 冬子が、

「春海は来なかったの?」

 七美が昨日も着けていた手袋を外しながら、

「破れた絵を見てもしょうがないって、言って、来ませんでした」

 冬子が、

「しょうがないわね。まあ、いいわ。とにかく、朝、私が入ったら、この有様だったのよ。七美と田中は何か知らない?」

 七美が首をひねり、

「さあ? 昨日は部活が終わったあと、すぐに帰りましたから」

 冬子が、

「春海はどうなのかな? あとで聞いてみるしかないか? 田中はこんな事をするような奴に、何か心当たりはないの?」

 田中と呼ばれた小柄な男子は口をモグモグさせながら、

「さ、さあ、思いあたりません。

 でも、春海さんは昨日、まっすぐ自宅に帰って行きましたよ。その後、部屋の照明が消える、午後十一時まで、一歩も外には出ていません」

 ストーカーのように断言した。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ