☆24☆
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「なんだ巡か、お前、美術部員の割には来るのが遅いな」
巡が、
「なんだ巡か、とはご挨拶ね。美術部員だからといって、いつもいつも早く来るとは限らないのよ。ていうか、あたしがいつ来ようと、あたしの勝手でしょ」
炎華が、
「喧嘩中に悪いけど、春海の絵も充分見たし、没作品も見たから、もう十分よね。私たちはもう帰るわ」
竜破が、
「まあ、まてよ、そんなに慌てなくもいいじゃん。そっちは誰なんだ?」
巡が、
「部員の七美よ」
七美はボブカットのサイドテールを揺らしながら、ペコリと挨拶した。
タレ目がちの目、
目元に涙ボクロが一つある。
他に、これといった特徴もない、ごく普通の少女である。
「七美です。炎華ちゃん、ヨロシクね」
炎華が、
「名乗った覚えはないけれど」
七美が、
「ゴスロリ美少女名探偵☆炎華ちゃんって、学園中でもう、凄い噂になってるよ。律華先生も生徒を捕まえて噂してもん」
竜破が驚き呆れ、
「律華のやりそうな事だ」
炎華が、
「まあいいわ。ついでだから、巡と七美の絵も見ようかしら」
巡が、
「今描いてる絵でいいわね。持ってくるわ」
七美が、
「うう〜。人に見せるなんて、緊張します〜」
巡が、
「あら、いつも美術部員が見てるじゃない」
七美が、
「あの、ほら、今日は絶世の美少女名探偵☆炎華ちゃんが見てるから、ですよ」
巡が、
「炎華はまだ子供じゃないの。気にする必要はないわ。竜破に見られるのは、何となくしゃくにさわるけど」
竜破が、
「そういう事は俺に聞こえないように言ってくれないか、巡」
巡が、
「あら、わざと聞こえるように言ったのよ。気に障ったのならゴメンなさい」
竜破が、
「炎華、ああいう女にだけはなるんじゃないぞ、誠意の欠片も感じられん」
炎華が、
「どうでもいい事よね」
竜破が、
「相棒をそんな無下に扱っていいのか?」
炎華が我輩を抱きしめ、
「私の相棒はユキニャンだけだもの、ねえ、ユキニャン」
「ニャウ〜ン!」
我輩は肯定した。




