☆19☆
☆19☆
炎華が竜破に、
「例の盗撮写真はあるかしら?」
竜破が、
「さあてね? アカウントごと削除されたんじゃないか?」
小森が、
「あ、あの〜。プリントアウトしたものなら、いくつかあります」
炎華が、
「それを見せてちょうだい。でも、よく残っていたわね。最悪、警察のデータが必要になるかと思ったけど」
小森が、
「盗撮写真がネットに流出した時、何枚か印刷して、残しておいたんです」
小森がロッカーの中から封筒と、その中に入っている写真を取り出す。
炎華がそれを受け取ってジッと見つめる。
写真には、ロッカーを背にして立つ二人の少女と、その前にズラッと並ぶ女子部員たちの、かなり際どい写真が写っている。
炎華が、
「明らかにロッカーから撮影した写真ね」
続けて、
「ロッカー前の二人は誰かしら?」
リンゴちゃんが、
「右側に立って拳を振って熱弁を振るっているのが、小月美久さんです。
左は麗奈副部長です。
その日、雑誌を持っていたので、よく覚えています。
小月さんのさらに右に立ってるのが如月部長です。
如月部長は盗撮被害を免れたんです」
竜破が、
「どおりで如月部長だけはノホホンとしているわけだ。被害を受けてないからな」
如月部長が、
「あらあら、それを言うなら、小月ちゃんと麗奈だって後ろ姿しか写ってないじゃない」
炎華が、
「小月美久が熱弁を振るっていたのは、どのぐらいの時間かしら?」
小森が、
「およそニ十分ぐらいです」
炎華が、
「その間、部員はほとんど動かなかったのよね?」
小森が、
「ええ、まったく動いてません。ちょっとでも動いたり、話をすると、お説教が三倍の一時間になっちゃいますから」
炎華が納得したようにうなずく。
「それなら露出時間もバッチリね」
小森が不思議そうに首を傾げる。
炎華が写真に写っている麗奈が持っている雑誌に目をとめ、
「この雑誌はいつ発売されたのかしら?」
小森が、
「それは、練習試合のあった当日です」
炎華が、
「事件があった日でもあるわね」
小森が躊躇いがちに、
「そ、そうですね。それが、何か?」
炎華が微笑し、
「何でもないわ。次は、少し捜査範囲を広げてみようかしら」
と言って炎華が部室内を虱潰しに調べ始める。




