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物書きの死

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

でも一番の問題は、何が良いのか分からなくなる事ですね。

物書きというのは物を書いてなんぼな人間である。何かを見聞きしながら、行動しながら、常に瞳に世界を映し出す。だから何一つ見えなくなるという事は、その物書きの死を意味する。


好きな作家が毎日投稿しているネット小説が、その日は投稿されなかった。体調を崩したのかと思い、毎日の様にマイページを訪れた。けれども幾日経っても更新される予定はなかった。

前日の投稿文を幾ら眺めても、何かに思い悩んだり、病気を抱えている様には思えなかった。だから、疑問に思うと同時に心配になった。もう一生書くことは無いのではなかろうかと。

その事を物書きの友人に問い掛けると、さも何でもない顔で『あぁ』とだけ帰ってきた。

「割と普通の事だよ。何ら珍しい事じゃない。そのうちふらっと戻って来るんじゃない?」

他人事の様にそう言って、俺の前から去ろうとした。呼び止める様に問い掛ける。

「お前も……そうなのか?」

「……他の人がどう書いてるかは知らないけど、私は書く時に経験を必要としてる。外界からの刺激を受けて、考えて、文にしてる。勿論、想像で完結させる事もあるけれど、その礎となるのはやっぱり経験だよ。

……でも毎日、毎日、毎日、昨日と同じ様な日々を送ってると、刺激も何も無いんだよね。何の発想も浮かばないって言うかさ。だから段々とネタが尽きてきて、話の内容が浮かばなくて、スランプになる」

何処か仄暗い視線。経験者だからこそ、どうにも響く言葉であった。返す言葉が見付からず、俯いていると、彼女の方から声が飛んでくる。

「何か思い付いたらきっと書くだろうよ。だから君は飽きるまで待てば良い」


好きな作家の更新を待ち続ける友人がいる。今日も彼と話をした。読者側からしたら突然消えたと思うかも知れないけれども、自分の中では辞める予兆というのは何となく分かるものである。

世界が見えなくなるのもそう。刺激がなるなるのもそう。でもそれと同じ位、響いて来るのは、客観的な判断が出来なくなる事だと思う。

今書いているものが、果たして本当に良作なのか。PV伸びればそれは良作なのか。何が相手に刺さったのか。自分がどれだけ良いと思っても、振るわないと原因を探りたくなる。

そのドツボにハマったら、延々と悩み続ける事になる。

「……あぁ……疲れたなぁ……。待ってる人も居るっていうのに、情けない……」

果たして今、文字を打ったとして、その文字は正常に走ってくれるだろうか? 君が望む文章になれているだろうか?

世界が脳裏に浮かばなくなった時点で、一文字も書けなくなった時点で、物書きの人生が終わったと感じる方は多いと思います。


個人的にはそうではないと思うんですよ。

今書いてる物が善し悪しが分からなくなった時点で、もう終焉だと思います。


数字じゃないんで、善し悪しは人によって変わります。

だから原因なんて、天文学的数字に他ならないと思うんですよ。

其れを求めようとした時点で、もう抜け出せないんです。

タイトル一つ、タグ一つ、内容一つ、文字一つ、もう全て分からなくなります。


だからもう、悪足掻きですね。

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