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天使が舞い降りる

  俺の目の前に白い天使が舞い降りた。彼女は坪井怜奈。俺は大石一茂。俺たちは北海道出身である。俺は怜奈という名の天使と恋人になっている。今日は俺たちと怜奈の友人二人で札幌にある映画館へ訪れていた。

 映画のチケットを買うとどこか身の覚えるのある集団が屯っていた。それは高校時代に問題を起こしたいじめ集団だった。問題を起こしたとしても俺たちには関係のない事だ。

 いじめ集団は映画のチケットが買えないと店員にクレームを入れていた。店員はチケットの買い方を説明するが、固唾をのみこんだ俺たちは見ていただけだった。

 松田ほのかは映画館に行くのを辞めて、違う映画館へ行こうと提案をした。すると、店員がいじめ集団に殴られる。

「チケット買えないから、店長を呼べよ!!」

「お前ら、何見てんだよ」

 俺は舌打ちをした。ほのかは俺を宥めるが、俺は店員を殴ったいじめ集団が許せなかった。

「何だお前?大石かよ。」

「お前ら、店員に今すぐ謝れ。殴ったんだからな」

「謝らねえよ。役立たずの店員なんかにな」

「お前、言ってること考えろ!公共の場で騒ぐんじゃねえ」

 いじめ集団の一人がタバコを吸おうとする。俺はタバコをへし折った。

「てめえ、何するんじゃ」

「禁煙エリアなんだから、タバコ吸うな」

 俺は殴られたが、倒れることは無かった。

 店員は倒れているため、急いで救急車を呼んだ。怜奈はいじめ集団に注意をするが、一人に暴言を吐かれる。

「やめてよ。また問題起こす気?」

「うるせえな。なんでお前が大石と付き合っているんだよ」

「別にいいじゃん。大石君、かっこいいから」

「あいつ、ダサいからな」

「大石君のこと、何てそんなことが言えるのよ?」

「俺たちは、こいつのせいで問題児と扱われたからな」

「問題児ってあんたたちが悪いんだよ?」

「うるせえ」

 怜奈は立ち向かおうとしたが、一人の男に暴言を吐かれて、泣いていた。ほのかと川村夏帆は怜奈を連れて、外に出た。すると、数枚の紙を持った俺が出る。

「大石君、どうしたのその紙?」

「実はお礼にって映画のチケット無料券をもらってね」

「あいつらは?」

「まだ屯っているぜ」

「別にもういいじゃない?」

 四人は別の映画館でチケットを買い、映画を見に行っていた。その後、喫茶店で怜奈からいじめ集団のことで話をしてきた。

「今井さくらちゃんって覚えてる?」

「あの娘、自殺したんだっけ?」

「実は東京にいるみたいなの」

「誰から聞いた?」

「莉子ちゃん」

 俺は莉子やさくらを守ったせいでいじめ集団と喧嘩ばかりしていた。俺はくだらない事しか言えないいじめ集団を馬鹿だと見下していた。俺より成績が良くないのにイキっているいじめ集団は教員から「問題児」と扱われていた。

 怜奈は高校時代にほのかと夏帆で寄り道をした話をした。三人はプリクラをする仲で、大学生になっても交流は続いていたそうだ。

 俺は大学在学中、友人の佐藤重義に誘われ、俳優デビューをした。劇団「TEAM SAMURAI」のメンバーになった俺は音尾康平や森崎弘明などと仲良くなった。

 佐藤が所属している事務所にスカウトされた俺は、舞台の脚本や演出に取り組むことになった。

 怜奈は俺たちと一日を過ごしているため、嫌な思いをせずにいた。俺は怜奈がスイーツ店「雪の天使」でスイーツをよく買いに行くが、怜奈の友人の江川遥には会ってなかった。

 店には安藤里帆や天野くるみだけしかおらず、帰宅する準備をしていた今井さくらだけしかいなかった。

 俺は里帆とくるみとは友人で、大学時代に喫煙所で知り合った。くるみは俺に好意を抱いており、里帆は俺の趣味に興味を持っていた。

 俺は周りが女子の友人しかいないため、佐藤に紹介しとけと毎回言われる。

 舞台の稽古にて。俺は安田、佐藤、音尾、森崎の五人で舞台の稽古をしていた。舞台の内容は将軍だった。俺は織田信長、佐藤は豊臣秀吉、音尾は徳川家康、音尾は明智光秀、森崎は柴田勝家といった配役が決まり、セリフや身振りなどはほとんどがアドリブであった。俺は話が長いため、セリフを覚えるのに時間が掛かる。

 俺はドラマのオファーが来ており、怜奈達に会うことはしばらくなかった。安田や音尾はバラエティ番組の出演が多く、森崎は北海道の番組によく出ている。佐藤は俺と共演が多く、「ゴールデンコンビ」と呼ばれた。

 五人の出会いは喫煙所である。喫煙所に小さなステージがあり、そこで俺が漫談をしていると、偶然聞いていた佐藤に声を掛けられ、メンバーになった。

 部室はあって、そこで泊まることが多かった。夏休みになると、森崎主催のバーベキュー大会が行われ、夜になると部室で酒を飲みながら、ゲーム大会などをしていた。

 俺の落語で養ったトーク力でテレビ番組に初めて出演した際は、ふざけて「怜奈ちゃんです」と名乗り、彼女がしなさそうなギャグなどをしたため、自宅に帰ると、怜奈に股間を蹴られる羽目になった。

 怜奈はほのかや夏帆とは仲がいいため、他の女子友達とも交流が深い。俺に遥、里帆とくるみを紹介され、莉子の存在は知らなかった。

 舞台の稽古場では、俺と佐藤のボケとツッコミが入る漫才のような会話から始まり、後から森崎がその間に入るというカオスな展開になった。

 俺はいつも奇抜な服装で着ているため、佐藤にいろいろと突っ込まれることがある。ある日は怜奈の服装で来たり、かつらを被ってきたりなどといった芸人を目指しているんじゃないかと周りは思われている。

 俺の執筆する脚本は、ギャグや当時流行ったものなどを入れており、佐藤や森崎からは好評をもらっている。

 俺がある日、ブリーフ姿で来た際は、音尾にドン引きされたことがあった。俺はグループで連絡をしている際は、屁をしている動画や怜奈の写真などを送っているため、佐藤からは「変態」と言われる。

 夏になると、俺は自宅で裸になっているため、怜奈には「服着なさい」と母親のように怒られることがある。俺のいる部屋の周りには動物のぬいぐるみが置いてあり、怜奈からは「野生の動物ばかりで怖いけど、クマのぬいぐるみだけは可愛い」と言われる。

 怜奈は俺との共同生活をしているため、テレビで俺が映って、「怜奈ちゃん」と名乗る場面を見ると冷たい目で見られる。

 熱血漢のある男による応援の場面で怜奈は「うるせえな。」と怒り出す。地下でネタ動画を撮っている俺を見ると、平手打ちをしてきたり、股間を蹴るなどといった行動に出る。俺は笑い出すため、怜奈からは「ドМ」と言われる。

 怜奈たちとは連絡をする際、下ネタを送らないでいるが、よくスキンヘッドである長谷川先生の写真を送ることが多い。

 怜奈たちからは「インド映画で最初にやられる奴」と呼ばれていた長谷川先生は、なぜ俺が長谷川先生の写真を保存しているのかと言われていた。

 長谷川先生と俺は連絡先を交換しており、渡辺先生ともやり取りをする際、長谷川先生の知り合いの中澤さんからは屁の動画や猿の動画、喚き動画などが送られてくる。小峠さんとは長谷川先生の紹介で知った俺は彼が俺の事務所の社長であることを知った。中澤さんは事務所の役員であるが、放尿をするため、小峠さんに「なんて日だ!!」と叫ばれる。 渡辺先生は、見た目が刑事やサラリーマンと間違えられており、長谷川先生は授業中にふざけるため、副担任として渡辺先生が入ってきた。長谷川先生は男子から人気が高く、特に俺は長谷川先生とよくいろいろな話をした。

 事務所に戻った俺たち五人は、中澤さんが銅鑼を鳴らし、おならの匂いを嗅がせた。小峠さんは中澤さんに「なんて日だ!!」と叫んだ。

 小峠さんと中澤さんはどちらもスキンヘッドである。怜奈は中澤さんを「でっけえ赤ちゃん」と呼んでいる。

 中澤さんのスカウトで入ったと言われている怜奈は、マネージャーが中澤さんであることを知った。怜奈は毎回、中澤さんからカオスな動画を車内で見せたりしているため、怜奈を泣かせたことがある。

 すると、白塗りをした男と股間をお盆に隠した男が入ってくるという地獄絵図になった。中澤さんは「おしっこシュー!」と叫びながら、手を上下交互に振っていた。

 怜奈はこのような地獄絵図に入り込んだせいか、ロケ番組のロケ先のレストランで「うまうまこれこれうまこれー!」と言って、大暴れをするという取り乱したまま、ロケをし続けた伝説を持つ。

 怜奈は、その年の冬に学生役を演じたドラマが放送されたことで、ドラマの番宣でバラエティ番組に出演していた。

 収録前、怜奈は番組の衣装に着替えた時、偶然、スーツの俺に会う。

「大石君も番宣?」

「ああ、舞台の番宣でな」

 俺と怜奈が元気に会話するのが最後なのは俺たちには知る由もない。

 怜奈はいつも服装がミニスカートであるため、気合を入れている。

 怜奈はバラエティ番組で俺と佐藤と共演した際は、俺のことで話をしていた。

 怜奈は俺が大学時代に喫煙所で漫談をしていたことや舞台でギャグをしていたことなどを話していた。

 真冬のロケでは怜奈がミニスカートでいるため、共演者から「寒くないのか」と聴かれたことがあるエピソードを俺は言うと怜奈は顔が赤くなっていた。


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