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でっち上げ

「私の生まれは19区。つまりトラッシュシュタットの隣の区よ。19区だと分かると、最下層の人間だと分かってどこも雇ってくれないのよ。19区出身の人間のほとんどは能力あっても中流階級以上に上がれるのほんの一握り。」

カルラが皆に話す。

「19区はトラッシュシュタットの次の被差別地域ってわけだな。酷い話だな。別に犯罪歴もないし、軍隊にも志願したのに。」

「差別した面接官達を最下層に引き釣りおろしたいわ。あいつ等はどん底になってみないと分からない可哀想な人間だと思うわ。」

「復讐したい気持ちは分かる。だけど一つ重要なことを言う。その奴らも無職エージェントの陣営に入れることだ。」

「分かりましたよ。リーダーさん!」

「そう言えば、犯罪歴があれば、就職に不利になるって言ってたわね。」

ミアがニコラスに言った。

「それがどうしたんだ。」

「ターゲットに犯罪歴を残してもらえば良いのよ。」

「犯罪をでっち上げると言うことか。」

「あまり大きな声で話すな。第19区とは言え、警察が監視する可能性がある地域だぞ。」

ジェームズが注意した。

「そうよ。冤罪ということよ。」

5人は作戦を立てていた。


「今日はマルクス・シュミットさんにお越しくださいました。」

ある中学では講演会が行われた。ニックは退屈そうに聞く。

「皆さんは、こんにちは。ホープカンパニー代表取締役のマルクス・シュミットです。今日は僕が起業するまでの話をしたいと思います。」

「胡散臭い話聞いてるんだったら映画でも見たいな。」

「ニック、親がうるさいからしょうがなく参加してるんでしょ?」

「そうだよ。面倒臭いな。」

講演会は嫌でも続行する。

「僕は第16区の生まれでした。家庭は極貧状態で苦しい生活を送ってました。その時、この状態から打破したいと思い、人一倍勉強しました。たくさんの苦労を重ねて、自分の会社を設立して事業が成功しました。皆さん、今置かれている状況に悲観的になっている人もいるかもしれません。しかし努力は必ず報われます。今からでも遅くないです。前向きに人生を歩みましょう。」

拍手が広がった。

「努力が報わるって、自分の人生しか生きてないのによく言えるな。」

「でも頑張ってる人は報われるべきだと思う。頑張ってる人は素敵だよ。」

「それはそうだが、この国は努力でどうにもならないことの方が圧倒的に多いんだよ。例えば下級階級の連中が上の階級から見下されるのは努力が足りないって言うのか?第19区みたいな被差別地域でも同じことが言えるのか?兵役逃れも努力が足りないと言いたいのか?努力という洗脳で生きてるんだ。能力主義と自己責任の社会で国の本質から目を背けさせるのも政府の狙いだろうな。」

「ニック、こういう話は大声でしないで。僕まで逮捕されたら嫌だよ。お願いだからやめて。」

「教員が来ない範囲で俺は話してるから安心しろ。そんなに言うのであればやめるけど。」

ニックは中学生ながら社会の矛盾に敏感だった。

「ニック、待ってたわ。」

「アネット!」

そんなニックにも小学5年生の妹がいた。

「ニック、今日も授業でひねくれた発言してないよね?」

「してないよ。そんなことしたらまた家族総勢罰を受けるからな。今日は何を習ったんだ?」

「人類の歴史よ。」

「それなら俺もやったな。」

「人類の歴史、私は説明出来るわ。授業ちゃんと聞いてるから。私達は元々地球という星にいて、地球は20年前に太陽の接近や太陽フレアによって崩壊したんだよ。遠く離れたここへヴェルと言う星を人工的に作るのが成功したって習ったわ。私達って本当に凄い可能性に満ちてるよ。」

「本当にそれを信じ切るのか?胡散臭いことを授業で教えるんだな。」

「そうやってまた捻くれるんだから。」

「ああ、捻くれ者だよ。だけどそんなこと出来たら今頃、他の惑星だって作れてるだろ。地球人がこの惑星を作ったわけじゃなくて、この惑星は元々存在する惑星だ。これが何を表すか分かるか?」

「政府がまたとんでもないことを隠してると言いたいの?私はお兄ちゃんのこと密告するつもりなんて無いけど、目立つことはしないで。もっと賢く生きなよ。ファンタジックな考えは頭の中だけにしたらどうなの?」 

「お前は父さんと母さんに似て来たな。特に臆病な所が。」

ニックは世界地図を眺めた。

「突然地図なんて見てどうしたの?」

「行きたい国について調べてるんだ。」

「それただの海よ。ニックは本当に変な兄ちゃんね。」

「家に帰るぞ。」

二人は家に帰った。彼は地図を頭に思い浮かべながら考え事をしていた。

「ニック、勉強しなさい。さもないと将来最下層に落ちるかもしれないのよ。」

「映画終わったら勉強する。もちろん意味の無い勉強は省くよ。」

「何言ってるの。意味のない科目なんてどこにも無いのよ。」

彼は言うことを無視して映画を見た。彼は両親の干渉が強くなるほど反抗した。

「ニコラスのやつ、今頃何してるんだろうか?」

ふとニコラスのことを考えた。


5人は二手に別れてターゲットに尾行した。

「あの男で間違いない?」

「そうよ。」

ある男を追う。男はコンビニエンスストアに入る。

「今がチャンスだ。」

ミアとカルラは女性数人の財布をすった。そして男のもとに進む。

「こっちに誘導だ。」

アランは監視カメラの視覚に男を誘導した。

「兄さん、コート汚れてますよ。」

男は鞄を床に置いてコートを確認した。。その間にすった財布を彼の鞄に入れる。すぐに彼女達はその場を離れた。

「最悪!財布がなくなってるんだけど!」

「私も財布が亡くなってる。」

男は自分もすられていないか確認した。

「これは…」

「この人、私の財布持ってる!捕まえて!」

「警察呼びます。」

男は警察に連行された。女性達も警察に同行した。

「この男が財布を盗んだんです!」

「だから何もやってないんだって!気がついてたら入ってたんだよ。」

女性達は男の言う事など信用しなかった。

「誰かがわざと財布を入れたんだよ。」

「それなら、この人泥棒ですって申告する人がいるはずよ。そう言うシーンはよくドラマとかで見るの。どう考えても盗んだに違いないわ。」

「だからやってない信じてくれ。」

5人の作戦は成功した。

「カルラ、ミア、アラン、やったな。」

「私はこう言うことは得意なのよ。」

「男は逮捕や嫌だから、罰金を払うことになる。」

「そうなって当然の男よ。」

「それだと無職になるのには無理ないか?」

アランが聞いた。

「多額の罰金を払うことになるし、何で?犯罪歴がつくから仕事に着くのには難しいと思うけど。」

「そうか。」

次のターゲットを狙った。

「同じ手口のでっち上げをやるつもりなの?」

「そうだけど。」

「流石に一日に何件も同じ種類の犯罪が起きたら警察も疑うから違う方法にしないと不味いよ。」

「それなら保管にアイデアがある。」

「万引きとか?」

「そうだな。」

今度はターゲットの女性を発見した。

「見つけた。追うぞ。」

女性はドラッグストアに入る。ニコラスが後を追う。数点の商品を籠に入れた。

「落としちゃった。そこの君、拾うの手伝ってくれないか?そこの君も。」

わざと商品を落とした。その間に商品をどんどんターゲットの壁に入れた。

「ありがとう。」

ターゲットの女は店を出る。

「この人女の人万引きよ!」

変声で喋った音声を声を出してるかのように再生した。女性は店員に追いかけられた。

「ちょっと君、待ちなさい。」

「何なんですか!追いかけてこないでください。」

「お店の商品勝手に持ち出しちゃ駄目だろ。」

「私は何もしてないです。鞄の中見ますか?」

女性は店員に鞄の中を見せた。

「やっぱり盗んでたんだな。」

「これは本当に知らない。私はやってない!」

「警察に通報する。」

「ちょっと待って!私の話を聞いて!」

「問答無用だ。」

「そんな。」

彼らの作品は成功した。

「浮かれるな。油断すると俺達も捕まりかねないからな。」

女性は警察に連行された。

「あの女、私のこと第19区の売春婦って私のことを見下してゲラゲラ笑った女よ。他にもうちは夜の仕事は募集してないから、風俗店で働いたらって言ってきた女よ。あそこの店員が私の予想以上に頭固くて助かったわ。」

「その女、ゴミ女だな。さっきのターゲットの男には何されたんだ?」

「求人案内に第19区の人間をいつ雇うと書いてあるのか?って笑って来たわ。あの男もゴミを見るかのような眼差しで私のことを見たわ。出生地が何よ。だからあんなタイプはトラッシュシュタットに落ちたら表面的なつき合いで都合の良い駒として育てるわ。」

「そいつもクソ野郎だな。」

全員トラッシュシュタットに戻った。

「今日は大変な一日だったな。2件成功したな。」

「成功して良かったな。」

エドワードとマクシュムが近づいた。

「成功したお前らに良いことを教えてやる。」

エドワードが話はじめた。

「ちゃんと勉強した奴は、この惑星は地球人が人工的に作った惑星で、S・オズワルドが称えられているけど、それは真っ赤な嘘。気がつく奴はいると思うがな。この星は元々地球人が移住して来る前から存在してた星だ。」

「俺は察しがついてたけどな。」

ニコラスがエドワードに言った。

「その話なら、この前お前から聞いたぞ。」

「そうか。もっと驚いた反応するかと思ったけど。今日話すのはこれくらいだ。」

「今度はもっと面白い話にしろよ。」

「マクシュム何見てるんだ?」

視線の先には他の人工知能がいた。

「あの子のこと気になってるのか?」

「何だ。女のことになると積極的になれないタイプなんだな。」

「放っておいてくれよ。」

彼女の名前はアレクセル。10年前に捨てられたロボットだ。

ニコラスがトラッシュシュタットに来てから1週間が経った。

「新入りが来たぞ。」

彼女を馬鹿にして犯罪歴がついた人間がホームレスになって押しかけた。

「名前なんて言うんだ?」

「ベンジャミンだ。」

「俺はジェームズだ。」

「ニコラスだ。」

新たにトラッシュシュタットの住人が増えた。


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