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獅子堂由良の価値

「さ、ここがギルドだよー」


「ぜぇー・・・ここが・・・はぁー、ギルド・・・ぜぇー・・・」


 息も絶え絶え。大粒の汗もダラダラも流れている。さっき補給した水分なんてとっくの昔に身体から蒸発してしまった。


「君、体力ないね。そんなんでよくリンゼルまで旅をして来れたねー」


「だから・・・ここに来た経緯はさっき説明した・・・ぜぇー、ぜぇー」


 まずは水がほしい。


 ここがギルドとやらなら、飲み水くらい用意されているだろう。水、とにかく水をプリーズ。


 ・・・タダでもらえるよな?


 期待と不安を胸に顔を上げた先にあったのは、なんともまあ小汚い民家だった。


 入り口横に積まれた酒樽。壁から突き出す酒のマークの付いた看板が風に揺られてはためいている。


 周囲にはにはジョッキを握りしめながらいびきをかいている男たちが数名。ガーガーと喉を鳴らす男どもの顔はみな一様に朱色に染まっていた。


 水は水でも、今の俺が絶対に飲んでは行けない水を出す店じゃないか、ここ。


「なあ、酒場だよな。ここ。ギルドじゃなくて」


「うんにゃ。ギルドだよ」


 間髪入れず、クルルが否定する。


「じゃあ、ここに転がっている屍どもは?」


「酒を飲みに来たお客さんたち」


「・・・酒場だよな。ここ」


 俺の耳がおかしいのかもしれない。とても大事なことなのでもう一度聞いてみたが、当のクルルは至って不満げだ。


「ちゃんと見てよ。あそこにギルドって書いてあるじゃんか!」


 そう言ってクルルは酒の看板を指さす。酒瓶のマークの下に確かになんだかよくわからないが文字が書いてある飲みて取れた。


 だが、やはり読めない。


「お金がな・・・外貨を稼ぐために少しばかしお酒も出してるけど、本業はギルドだよ。まあ、利用者はお酒目当ての人が多いことは事実だけれども」


「副業が本業と化してないか、それ」


「ま、何はともあれ、ようこそ、ギルド『銀の狩人』に。そんでもってアタシはギルドマスターのクルル。よろー」


「ギルドマスターって、ギルドの支配人ってことか」


「そだよ。偉いんだからね、あたし」


 えへん。


 そんな声が聞こえんばかりに、控えめな胸を突き出してくる。


 彼女は年若く見えるが、まさか経営者だったとは。


 日本でも、若くして会社を立ち上げる人間は山ほどいる。人は見かけによらないということを改めて思い知った。


「ま、ギルドマスター兼受付嬢兼コック兼ウェイトレスだけど」


「どんだけ兼務してんだよ!人を雇えよ!」


 零細も零細、弱小企業じゃないか!俺の純然たる関心を返してくれ!


「不景気で依頼人も少ないうえに最低賃金も鰻登りのご時世に人を雇えとは、あんたも経営者泣かせだねぇ」


 非現実の溢れるこの世界においてなんとも現実味のあるお言葉だ。


 そんなところだけ我が生まれ故郷ジャパンと似ていなくてもよいだろうに。


 形容しがたいやるせなさを覚えながら、俺は、汗でベタついた髪を掻いた。


「そんでさ、悪いんだけど、ちょいと掃除だけ手伝ってくんないかな。開店まであんま時間ないんだよね」


 なぬ。

 何故に従業員でもない俺が店の手伝いを?


 疑問符を浮かべる俺に、クルルは「はい」と箒と塵取りを俺に手渡してくる。


 そんでもって足早に店の中に入っていき、煙草の余韻の残るギルドの窓を手際よく開け放していく。


 何故、俺は人様の店の掃除を手伝うことになった。


 置かれているシチュエーションに疑問を感じつつも、食事を分けて貰い、ギルドまで案内してもらってしまった以上、断るのも具合が悪い。


 俺は決意のもと、袖をまくった。


 仕方がない。俺の家事の能力、とくとお見せしよう。



 ――数十分後。



 ここまでやれば文句はないだろう。


 達成感を全身で感じながら、俺は額の汗を拭い、ギルドを見渡した。


 この短時間でこれだけの成果。まさに掃除の天才。いや、掃除の魔術師と言っても過言ではないだろう。ハハハ、自分の実力が怖い。


 食べこぼしで汚れに汚れた机は水吹きをしてピッカピカだ。床のゴミ(泥酔者含む)もすべて箒で外に掃き出し終えた。入ったときのアルコールの臭いで満ち満ちた部屋も換気を終え、綺麗すっきり澄んだ空気に入れ替わっている。


 ついでにオフィススペースと思われる区画も、散乱していた筆や書類の山も一箇所に取りまとめ、気持ちよく仕事のできる環境に整え終えておいた。よくこんな環境で仕事ができるもんだな、おい。


 一つだけ、鍵がかかっており立ち入れない部屋があったが、重厚な扉の中央にデカデカとした南京錠がかかっていた。


 さぞかし大事なものが眠っているのだろうが、このギルドの惨状を見る限りさぞかし汚れているに違いない。ここまでやった以上、すべてやりきりたいという衝動にすら駆られている俺がいた。


「おーい、順調かい」


 俺に掃除用具を押し付けた後、いつの間にかギルドの外に出てしまっていたクルルが都合よく現れる。


 両の手には食料やら酒瓶が一杯に詰められた大きな籠が握られていた。


「買い出しまで自分でやるんだな」


「だから人がいないって言ってるでしょうが。お、掃除、終わったようだね」


「みてのとおり。いかがでございましょう。マイロード」


 大袈裟に腰を折って挨拶しながら、店の主に報告した。


「ふむ」


 などと言って、笑顔を消し、その面持ちが真剣そのものに変わる。


 なるほど、ちゃんとギルドマスターの顔もできるってわけか。


 腰に手をやりながら部屋を見回っていたが、部屋の隅でおもむろにしゃがみ込み、何かをつかんだ。


「・・・埃」


 それだけ言って摘まんだ埃をわざとらしく息で吹き飛ばし、俺に蔑みの目を向けてきた。


「くっ、小姑め・・・!」


 しかもどう見ても昔っからの汚れだろ!


「ま、冗談はさておきユラのおかげで仕事も早く片付いたよ。ありがとさん。いやに手際が良いね」


「ああ、まあな」


 正直なところ、俺自身、何故ここまで家事の類身に付けているのか、その理由がわからない。


 それでも、今日このとき、ギルドマスターの信頼を多少なりとも得るのに役立てたのであれば、これまでの努力が実ったと思うべきなのだろう。


「さてと、本題に入らないとだね。君がギルドに来た理由を聞いていなかったけれど、どういった御用かしら」


 カウンターへと移動した彼女は、少しばかりの凛々しさを加えた受付嬢の顔になり、両の手に顎を乗せて聞いてきた。


「この地で暮らしていくには金と情報がいる。ここなら両方手に入るって聞いたもんで」


「ギルド会員として依頼を受けたいってわけね。りょーかい。じゃあ、まずは適性検査をして、ギルドカードを作ろっか」


 ギルドカードとはなんぞや?


「その顔は知らないってとこかな。ギルド会員にとっての身分証みたいなもんさね。名前、職業、ギルドランク、その人の身体能力やスキル適性なんかが分かるんだ」


 と言って渡されたのは紙切れ一枚。例によって読めない文字と記入スペースらしきものがある。


「もしかして文字書けない人?」


「お恥ずかしながら」


「しゃあないなぁ。代筆料、高いよ」


「・・・ツケでお願いします」


「やだなー。冗談だよ。ええと、確か君の名は」


 と言って俺の名前を記入してくれる。ちゃんと姓と名もそれぞれかき分けてくれた。この世界の人はみんな物わかりが良すぎて涙が出てくる。


 ・・・ホントに後で請求されないよな?


「はい。次は適性検査しよっか」


「ほう、適性検査ね・・・」


 そう言ってから沈黙。


 流れる沈黙。地面をつつきまわる鳥たちの声がやけにはっきりと聞こえる。静寂の中、二人の視線だけがぶつかり合っていた。


 先に折れたのはクルルだった。


「・・・まさかと思うけど、なんのことか分かってない?」


「まったくもって意味不明だ」


「せ、世間知らずここに極まれり。大丈夫かなこの子。ちゃんとギルド員としてやっていけるかな」


 それは俺も心配です。


「ギルドは所属する会員の適性を見極めて、その人に相応しい職業を選定するんだ。潜在的な魔力の量や質を確認して、それに応じて、魔法使い、戦士といった傭兵向きの職業や、大工、漁師なんていう専門職まで様々。ある程度は個人に選択の自由が与えられてるんだけど、才能のない職業を選ばれても仕事を回せないから、あたしらが分析して候補を絞ることにしてるんだよ」


「なんかRPGみたいだな」


「あーるぴーじー?」


「こっちの話だ。あと、どんな固有スキルを持っているのかも調べられるもんなのか」


「スキル適性を調べる中で一緒に分かるけど、まさか本当に異世界人だとか言うんじゃないだろうね」

 クルルが小首をかしげ、訝しげに聞いてきた。


「ふっ、調べてみれば分かることさ」


「おー、凄い自信。ま、固有スキルを持ってる人が在籍してるってだけでギルドに箔がつくし、調べるのはやぶさかじゃないけど」


 そこまで言って、クルルは「よっ」とカウンターを飛び越えた。


「そんじゃ、調べて見よっか。このあとギルドも開けなきゃいけないし、ちゃちゃっとやるよ!」


 望むところだ。俺としてもいち早く自分の才能を知っておきたい。


「こっち。ついてきて」


 と、案内されたのは、先程掃除を断念した部屋の方だった。なんだ、ここが検査とやらを部屋だったのか。


 扉を解錠したクルルは、手招きをして俺を呼び寄せる。


 扉の先は薄暗い階段になっていて、クルルが薄暗い階段に掲げられる蝋燭一つ一つに火を灯しながら、下っていく。俺も一歩遅れてついていくが、こりゃまた随分と深いな。黙々と数十段の階段を降りたところで、今度は古びた木戸が現れた。


 その中は、なんというか、静謐という表現が相応しい空間だった。


 暗がりと静寂に包まれてはいるが、中央に鎮座する紫色の水晶が、部屋を仄かに照らしている。灯りがなくとも、十分に周りを視認できる。


「ここは?」


「紫水晶を安置した場所さね。これは魔鉱石の一種で、触れた人の魔力を吸収して、その魔力の性質に応じた反応を示す特殊なものなんだ」


「随分と地下に保管してるんだな」


「大地に根付く龍脈の側でないとただの石っころなんだよ。パラーデン中を駆け巡る地の魔力に触れることで、紫水晶は魔力を吸収するようになる。で、この水晶を触媒にして、吸い取った魔力をこのギルドカードに流し込む。ギルドカードは、その人の魔力の性質に応じた色になるってわけ」


 と、解説してくれながら、ギルドカードを水晶の横の台へと置いた。


「そんじゃ魔力の検査をするよ。結果はこのカードに表示されるから楽しみだね。君はどんな秘めたる才能を持ってるかな」


「何をすればいいんだ」


「紫水晶に掌で触れてもらえるかな。軽く触れてもらえればすぐ終わるよ。少しばかり光が強くなるけど驚いたり騒いだりしないでね」


 痺れたり、痛かったりしないよな。


 弱音は心の中でそっと飲み込み、ゆっくりと水晶に手を触れた。


 瞬間、紫水晶の淡い光が徐々に強くなり・・・というのは初めだけで、目が眩むほどの光量を放つ。太陽を直視させれているかのようで、はっきり言って目を潰しに来ている。


 これのどこが少しばかりだと言うんだ。


「嘘でしょ!?なんかスッゴい光ってるね!こんな現象初めてだよ!」


 当のギルドマスターも驚愕の声を上げている。声も興奮気味で上ずっている。


「い、いつまでこれは続くんだ」


「だいたい三十セコ(秒)もすればカードに反映されるから、もうちょいだけ我慢して・・・!」 


「き、きつ過ぎる!」


「それはあたしも一緒だよぉ!」


 二人して腕で目を隠しながら耐えること数十秒。クルルのオーケーサインが出るやいなや、全力で手を放しにかかった。




「ユラ・シシドウくん。結果が出たよ」


 場所を移し、再び酒場・・・もといギルド受付。


 クルルは極めて神妙な面持ちだった。


 俺もまたそれにならい、努めて真面目な顔を作る。


 沈黙が続く。クルルはすぐには二の句を次がず、やけにもったいぶって間を作っている。


 口が相当重たいようだが、そんな深刻な話なのか。


 ・・・・・・・・。


 ・・・・・・。


 ・・・。


「って、間が長いわ!!」


 俺のうちのツッコミの神様がたまらず音を上げた。


 クルルも待ってましたとばかりに破顔し、アハハと声を上げた。


「いやごめんごめん。初めての結果で、アタシもどう伝えたもんかなって思ってさ」


「初めて?」


「そ」


 この反応は、期待できそうだ。


「結論から言おっか。君は稀に見る珍しいタイプの人間であることが分かったよ」


「それは凄いのか」


「それはもう。ユラみたいな人間はこのギルド、いや、世界中のギルドを探してもまずいない。唯一無二の存在。激レア過ぎて思わず言葉を失ったよ」


「イエス!」


 俺は思わずガッツポーズした。


 なんだか分らんが、俺はギルドマスターが驚くほどの存在らしい。


 余程レアなスキルを持っているということか。いや、この目の前の猫人の驚き様、むしろそれ以上であるに違いない。


 例えば世界を救う勇者か、はたまた世界を混沌に陥れる魔王か。いずれにせよ、このパラーデンのバランスブレイカーということであれば、ここで生計を立てていくには幸先が明るすぎる。


 フハハ、ツキが回ってきたぞ・・・!


「とりあえず、これを見て」


 心うちで高笑う俺の前に、先程完成したばかりの俺のギルドカードが差し出される。


「まずは、このギルドカードを君に渡そう」


 手渡されたカードは思ったよりもずっしりとしていた。てっきり紙かと思っていたが、それなりにしっかりした素材らしい。


「それも表面に魔鉱石を使ってて高価なものだから失くさないでね。初回登録は無料だけど、再発行はお金を貰うよ」


「ああ、わかった」


 返事もそぞろに、早速ギルドカードを覗き込んだ。


 鼓動が脈打つ。胸の高鳴りを抑えきれない。さてさて、俺には一体どんな適正があるのだろうか。


 表、裏。期待に満ち満ちながら両の面を確認する俺。


 が、すぐに俺が期待していたような結果がカードに反映されていないことに気づくことになる。


「なんも書いてないぞ」


 まっさらなカードにクルルが代筆してくれた俺の名前が記されていた。他には特に変わった様子はない。


 一体どういうことだ。もしかして失敗したとか、そういうことなのだろうか。


 解説を求めるべく、クルルに視線を戻した。


「・・・ええと、確認するが、紫水晶に触れれば、その人の魔力を図ってスキル適正とやらがわかるって話だったよな」


「そうだよ。フツーはね。ただ、紫水晶ではユラの魔力を一切推し量ることができなかったってこと。も一回言うけど、こんなこと初めて」


「それだと、固有スキルとやらも確認できないってことか・・・」


 身体からガックリと力が抜け、上ブレしきっていたテンションが急速に冷え込む。そうだよな、そんなご都合主義がまかり通るなら、ここまでの道中、苦労することもなかったはずだ。


「いや、それは分かってるよ」


 ん、そうなの?


「話が見えないな。言っていることが矛盾していないか」


「別に何らおかしなたことは言ってないよ」


「まどろっこしいな。つまるところ、どういうことなんだ」


「うーん。しょうがない。ちゃんと伝えるしかありませんなこりゃ」


 ふぅ、と息をついてから、クルルは真っ直ぐにこちらを見据えて、言った。


「全滅だったってことだよ」


「え?」


「ユラの魔力は見事にからっぽ。ゼロ。ナッシング!なんのスキルも使えないチョー残念な人ってこと。言うなれば最強の凡人だね。ちなみに、魔力がゼロなんて人、有史以来聞いたことないね。レア度MAX。その点は自身持っていいと思うよ」」


 なん・・・だと・・・?


 適性検査の折、クルルの反応は尋常ではなかった。紫水晶もかつてないほど光輝いていたという。あれだけ期待させる要因がありながら、固有スキルどころかスキルが使えない?こいつは一体何をいっているんだ。


「え、ええと、先程、紫水晶さん、大変稀有なご反応でいらっしゃったようですが、あれはいかがなものでしたのでしょうか」


「ユラの魔力を吸い上げようと頑張ってたんじゃないかな。要はないもん取ろうと必至になってたってこと」


「だぁーーっ、もう、紛らわしぃぃぃっ!」


「くくっ、自称異世界人・・・ぷぷぷ」


「ん、グゥゥ」


「っぷ、ダメ、もう我慢できない・・・アハッ、アハハハハハハハ」


 文字どおりのぐうの音しかでない。


 俺、自信満々だったよな?


 なんかこう、異世界で活躍できる偉人なんじゃないかとか、勝手に勘違いしちゃってたよな?


 恥ずかしい。マジで恥ずかしい!


 穴があったら入りたい。いや、いっそ埋めてくれ!!


「ちなみに君がチャレンジできる仕事は、さっきの仕事ぶりを見る限りは清掃員、家政夫ってとこかな。まあ今はそんなお仕事も不景気だから募集がないんだけど」


 異世界の経済状況まで冷えきっていることはわかったが、要は俺ができる仕事はないと言われているに等しい。


「一応、腕っぷしで生きていく冒険者にもなれるけど、身体強化はできなさそうだし、武器も扱えないんならお勧めはしないかなぁ。なんせ体力もからっきしみたいだし」


「・・・なにか、なにかないのでしょうか。わたくしめにもできるような簡単なお仕事の類は」


 一通り、というか笑いこけ終えたクルルの前の椅子に突っ伏す俺。


 生きていく算段を失った俺は呆然としながら声を絞り出す。


 しかし無情にも、クルルは首を強く横に振った。


「最近は難民も増えたから誰でもできる仕事って奪い合いなんだよねぇ。残念だけど今、君に任せられる仕事はなんもないよ」


「そんな、そんな馬鹿なぁぁぁぁ!?」


「君のリアクションが超一流なのは分かったけど、それだけじゃあねぇ。とりあえず、ギルドの登録だけはしておくけど、まずは街で仕事を見つけてきたら?お店のアルバイトなんかは仲介料を取るギルドを通さずに直接募集してるよ。それも駄目だったらもう一度ここへおいで。これも縁だし、数日くらいだったら、ギルドの仮眠室くらい、使わせてあげるよ」


「・・・かたじけない」


 こうして俺は、苦情混じりのギルドマスターに見送られ、再び街に繰り出すことになる。


 この世界で生き抜いていくための、俺の苦難まみれの仕事探しはまだ続く。

第3話です。なかなか、展開が先に進みませんが、次話くらいから少しずつ荒事の場面も入れて行きたいと思います。

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