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銀河戦記/脈動編  作者: 神崎理恵子
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第十一章・共同戦線 Ⅱ


 数時間後、全参謀が揃って会議が始められた。

 トゥイガー少佐が開口一番、事情を知らない者にとっては突拍子もない発言をする。

「ここにおられるのが、ミュータント族の長であるドミトリー・シェコチヒンだ。そのなんだ……色々とあったが、これからミュー族と共闘して、アルビオン軍を蹴散らしてクラスノダールを取り戻す」

「共闘ですって?」

 これまで三度も戦ってきた相手と共闘するなどと、思いもよらない事態であった。

「彼は、テレパスで君達が何を感じて何を思っているかは、手に取るように分かるらしい。ゆえに嘘偽りは一切通じない」

 旗艦艦橋勤務の者とダグラス・ニックス大尉以外は、信じられないという表情をしていた。

「私を信じて、彼のことも信じて欲しい」

 得体のしれない連中はともかくも、信頼する上官から信じてくれと言われれば、信じるしかないだろう。

「分かりました。少佐殿を信じます、なのでそちらの方も信じることにします」

 一同、頷いて反対する者はいなかった。

 少佐に絶大なる信頼を抱いているようだった。

「ありがとう」


 賛同も得られたことで、シェコチヒンを交えての作戦会議が行われた。

 テレパスのシェコチヒンにしてみれば、以心伝心で作戦を伝えることができるのであるが、一般人のサラマンダーの人々には声を出し、図面を指し示しながらでないと意思が通らない。



 会議を終えて、軽巡洋艦に戻ったシェコチヒン。

「お疲れさまでした」

『ああ、疲れたな。アンナ、頼むよ。いや、ドラガノフを先に癒してくれ』

「分かりました」

 精神治癒能力のあるアンナ・ネムツォヴァが、椅子に座ったドラガノフに背後から近寄って、彼の耳元から目隠しするように両手で覆う。

「目を閉じてください」

「分かった」

 ドラガノフが言われた通りにすると、静かに瞑想するアンナ。

 彼女の精神治癒は、三日三晩不眠不休で働いて精神クタクタに疲れた脳を、すっきり爽やか気分にさせることができる。但し、肉体的疲労は癒すことはできない。


 治療が終わって、一同に作戦を伝えるシェコチヒン。

 テレパスの彼にとっては、一同に集まって会議などする必要はない。

 能力者のいない随伴艦の乗員達には、精神波増幅装置によって伝えることができる。


 数時間後、併進する軽巡洋艦スヴェトラーナと高速戦艦サラマンダー。

 それを取り囲むように、両国の艦隊が展開して突き進む。


 サラマンダー艦橋。

「まさか、戦い合った国家と共闘することになるとは、思いもしませんでしたよ」

 副官ジョンソン准尉が、感慨深げに言った。

「かと思うと、紳士的な国家と思っていた奴が、簡単に寝返ったからな」

「通常人には、相手の腹の中までは探ることはできませんからね」

「ともかく、今回の共闘作戦の指揮官は自分が執る。彼らはサボート役に回ることになっている」

「しかし、このサラマンダーはさんざんやられて、原子レーザー砲しか使えませんよ」

「まあ、やりようはいくらでもあるさ」

 アルビオン軍艦隊は、側方に砲を並べた戦列艦で射程も短い。

 原子レーザー砲で遠距離射撃だけでも、艦隊を粉砕できるだろう。

「まもなくクラスノダールに到着します」

 航海長ラインホルト・シュレッター中尉が報告する。

「戦闘配備せよ! 族長にも連絡を入れてくれ」

 トゥイガー少佐が下令すると、ジョンソン准尉が復唱する。

「全艦、戦闘配備! ミュー族に打電」

 オペレーターが全艦に打電する。

「総員配置に着け!」


 一方のミュー族の方も戦闘態勢に入っていた。

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