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銀河戦記/脈動編  作者: 神崎理恵子
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第七章・会戦 Ⅱ



 再びαω星団(七色星雲)へと戻ってきたトゥイガー少佐の艦隊。

「前回の会敵では、相手の方が先にこちらに気づいて近づいてきました。我々より優秀な重力加速度計でも装備しているのでしょうか?」

 副官のジョンソン准尉が首を傾げている。

「どうかな……。少なくとも電磁気によるレーダーや通信が使えないのは同じ状況だけどな」

「通信が出来ないので索敵も出せませんからね」

「特務哨戒艇Pー300VXは使えないかな? 光学パルスレーザー通信なら交信も可能だし、敵に悟られることもないと思うのだが……」

「そのためには、常に軸線を合わせておく必要があります。超指向性がありますからね」

「サラマンダーの操舵手の腕前なら、手動でもピタリと合わせられるだろう」

 と操舵手グラントリー・ブリンドル中尉を見る。

 頷いて、OKというように親指を立てる仕草をするブリンドル。

「VXを出して先行させろ!」

「了解、VXを出撃させます」

 サラマンダーの艦載機発進口からPー300VXが出撃する。

 その後部からパルスレーザー通信用の超指向性アンテナが突き出している。

「VXからの通信波受信は良好です」

「通信回線と操舵システムをリンクさせろ!」

「かしこまりました」

 通信士が端末を操作を始めて数分後。

 操舵手の目前にある小型スクリーン上に、戦闘機の照準器のような十字円が映し出され、その中にマーカーが点滅している。

「点滅するマーカーが十字円の中心から外れないように操舵して下さい」

 システムの手直しを終えた通信士が忠告する。

「了解した! マーカーから外れないように操舵します」

 十字円の中心にマーカーがくるように操舵を始めるブリンドル。

steadyようそろ、通信波に乗りました」

「よろしい! VXを先行させろ!」

「VX、進撃せよ」

 ゆっくりと速度を上げて前に進む哨戒艇。

 その後を追うように、サラマンダーを先頭にして艦隊は単縦陣で進行してゆく。無線封鎖状態では当然の隊列である。



 先行するPー300VX。

 戦艦百二十隻分に相当する予算が掛けられた電子戦専用の特務哨戒艇。

 あらゆる電磁波を素通りさせてしまうという時空歪曲場透過シールドに守られて、間近に近づいても敵に悟られることがないという究極の哨戒艇である。

 川の中に顔を出した岩によって、水の流れが回り込む様子を考えればよく分かるだろう。

 操作室の壁面にずらりと並んだ電子装備の表示スクリーン。

「後続のサラマンダーとの通信状態は正常です」

 通信担当が確認した。

「うむ。今回は重力加速度計がメインだ。他の電磁波レーダー手は光学望遠鏡による檣楼員(しょうろういん)をやってくれ」

「了解」

 電磁波を素通りさせるとは言ってもごく僅かに内部には届く、それを増幅して観測できる。

「まもなく前回会戦の戦場跡に着きます」

 操舵手の発言以降、本格的な探査が始まった。

「相手も壊滅した艦隊の消息を探るために近くまで来ているはずだ。重力値の変動を見逃すなよ」

「了解」



 後方から追従するサラマンダー。

「敵と遭遇した場合、相手は前回よりもさらに戦力を増強して臨んでくるだろう。こちらも気を引き締めて掛からねばならぬ」

「VXより敵発見の入電! 敵位置の現在座標と移動ベクトル情報が届きました」

「やはり来ていたか。データを戦術コンピュータに入力。戦闘態勢に入れ!」


 再度の敵艦隊の戦いが始まった。

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