表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀河戦記/脈動編  作者: 神崎理恵子
26/59

第六章・会敵 V



 サラマンダー艦橋。

「パルスレーザー砲照射!」

 次々と襲い掛かる砲弾を撃ち落とす。

「原子レーザー砲発射準備!」

「原子レーザー砲への回路接続」

「レーザー発振制御超電導コイルに電力供給開始」

「BEC回路に燃料ペレット注入開始します」

「発射準備完了しました」

「撃て!」

 一条の閃光が走り、敵艦を捕える。

「命中しました」

「一隻撃沈を確認」

「どう出るかな……。再度、交信を試みてみろ」

「了解」

 通信士が試みるものの応答はなかった。

「だめです」

「敵艦、攻撃を続行中!」

「徹底抗戦か……。仕方あるまい、原子レーザー砲第二射準備だ!」

 交信を拒絶して、有無を言わさず攻撃を続ける相手。

 もはや遠慮は無用であろう。

 第二射が発射され、跡形もなく消し去った。

「敵艦消滅しました……」



「前回の遭遇と合わせて、近くに敵の基地があるのではないでしょうか?」

「うむ……ありうるな」

「好戦的な相手の基地を放っておいては、今後も遭遇会戦は避けられません」

「いっそのこと敵基地を奪取してしまいましょう」

「待て、早まるな! 相手が国家なら外交問題にもなる。本国に報告して支持を得る必要がある」

「外交ですか……。相手に聞く耳があればですけどね」

「ともかく惑星探索は一時中止だ! 敵の残骸を集めたら、帰還するぞ!」

「了解しました」

 敵の存在の可能性を考慮して、探索を中止して基地へと帰ることにする。



 惑星イオリス評議会。

 敵がいるかも知れない宙域への探索についての議論を続けていた。

「敵がいるかもというだけで、探索を延期するのはどうかと思う」

「相手は交信を拒絶して問答無用で攻撃を仕掛けてくる輩、遠慮なく叩き潰してしまえば良いじゃないか。相手の基地や惑星を奪取すれば、零から開発する手間も省ける」

「侵略者になろうというのか?」

「侵略してきたのは奴らの方じゃないか」

「それは違うぞ。彼らは我々の星域には踏み込んでいない。我々の方が彼らの星域を侵したから排除しようと戦ってきたのだ」

「待て! このイオリスの先住者は、彼らによって滅ぼされたのではないのか? 既に彼らが侵略をしている証拠だ」

「宣戦布告なしに相手が攻撃を仕掛けてくるなら好都合じゃないか。反撃して相手の基地を攻略するのも可能じゃないか? これまでの戦闘で収集された戦艦の残骸から、戦艦の技術は遥かに我々の方が進んでいる」


「現実を考えてみようじゃないか。ニュー・トランターは未だ開拓途中だし、イオリスも居住限界に達しつつある。どうしても次なる居住惑星が必要なのだ。このタランチュラ星雲内には居住可能な惑星が少ない。だから星雲外に出て、惑星探しに出かけなければならないのだ」

「新たなる惑星探しは必要不可欠だ。相手が戦いを仕掛けてくるなら受けて立つだけだ」

 評議会は、好戦国と戦って領土を奪う、という意見が多数であった。

 天の川銀河にある時は、何万年にも渡って民族紛争を続け、食糧や領土を奪い奴隷制度を作った。今更体裁を述べても仕方がないだろう。

 主戦派と慎重派が議論を重ね続けて、最終的に侵攻すべきという結論を出した。




 評議会の決定を受けて、艦艇の増産が行われて、侵攻作戦部隊が編制された。

 イオリス軍参謀本部に呼び出されるトゥイガー少佐。

 メレディス中佐が待ち受けていた。

「評議会の決議のことは聞いているだろう?」

「はい。侵攻作戦が開始されると……」

「ああ。その作戦司令官に君が選ばれた」

「なるほど……。お引き受けします」

「評議会の連中は、技術力差から勝ち戦と高をくくっているようだが、技術力や艦艇数の多さだけで推し量れるものではないのだ」

「確かに。ランドール提督がどのようにして勝ち続けてきたかを考えれば、そんなに簡単なことじゃないです」

「そういうことだな……。しかし、評議会が決定したことには、軍としては逆らえない。君には、侵攻作戦部隊司令として、サラマンダーから指揮を執ってくれたまえ」

「最初に目指すは、会敵した宙域であるαω星団ですね」

「うむ。よろしく頼む」

「かしこまりました」

 敬礼をして部屋を出るトゥイガー少佐だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ