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銀河戦記/脈動編  作者: 神崎理恵子
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第三章・第三勢力 Ⅱ



 イオリスの胞子殲滅作戦が終了して、大気や海の温度が下がるの待って、地上の開拓が始まった。

 大型輸送船が降り立ち、開発は順調に進んでいく。

 空港、港湾、放送センター、議事堂そして居住センターなどの主要施設が次々と建てられてゆく。

 一通りの施設が揃ったところで、人々は地上に降りてきて暮らし始めた。


 国家の運営には、国民の代表となる評議員が必要である。

 移民船内にいるときに前もって選挙で選ばれていた評議員によって、第一回の議会が議事堂で開催された。

 主要議題は、

1、街造りと植林計画について。

1、農業・牧畜・漁業殖産計画(魚類放流含む)について。

1、鉱物資源の探査について。

1、今後の探索計画について。

1、二つの国家勢力への対応について。

1、対抗するための戦艦建造と艦隊編成について。

1、士官学校の建設と士官育成計画について。

 などである。


 そして特別議案として、アレックス・ランドール提督の彫像を議事堂前に立てることが動議され可決された。

 銀河統一の功労者であり、マゼラン銀河開拓移民を提唱したアレックス・ランドール提督。共和国同盟最高指導者であり、銀河帝国皇太子だった英雄。

 ところが、マゼラン銀河へ移動中にランドール提督が乗船していた一隻の輸送船が遭難、行方不明となり音信不通になってしまったのだ。


「謎の好戦的な国家があるというのに、ランドール提督不在なのは痛いな」

「それを言っちゃだめだ。いないものはしようがないので育てていけばいいんだよ」

「ゴードン・オニール少将やガデラ・カインズ少将を本国から呼び寄せては?」

「ランドール提督の誘いを断って天の川銀河に残ったんだから無理じゃない? 彼らには向こうでの仕事があるようですから」

「有能な将軍が皆こちらに来たら、あちらだって困りますよ。軍は弱体化して、またぞろ反乱分子が動き出します」

「ま、そういうことだな。こちらのことはこちらのみで解決するしかない」

「艦隊の増強と将兵の鍛錬が必要だな」

「現在のところ、最高官位はメレディス少佐です」

「高級士官が、給与と年金を捨ててまで、未開な地に来る気にはなれないだろうさ」

「ランドール提督は、出自はともかく人格形成の大切な時期を孤児として過ごしていましたからね、国家とかには未練もなかったのでしょう」

「少佐か……。しようがない、役不足かもしれないが、彼を最高司令官にしよう。一応、中佐に昇進させておくか」


 事情はともかくも、イオリス軍の最高司令官に任命されて、新築なった軍司令部庁舎のオフィスに陣取ったアントニー・メレディス中佐。

 副官のセリーナ・トレイラー中尉が報告書を運んできた。

「造船所がまもなく完成するそうです」


「移民関連の船舶と戦闘艦を半々の割合で建造する予定となっております」

「半々か……。好戦国の存在がなければ一割程度で済んだのだろうな」

「好戦国といいましても、まだ誰も出会っていないんですよね。確か軌道衛星砲から推測されただけで、両国とも既に滅亡しているということもあります」


『中佐殿、トゥイガー大尉が来られました』

 控室の秘書官が来訪者を伝えてきた。

「おお、通してくれ」

 扉が開いてトゥイガー大尉が入ってくる。

「トゥイガー大尉、入ります」

「おお、忙しいところ悪いな」

「いえ。構いません」

「早速だが、指令を与える」

 姿勢を正して指令を受けるトゥイガー大尉。

「α34β134にあるベンチュリー恒星系で不審な船を見かけたという報告が上がってきたのだが、その後調査隊との連絡が途絶えた

「不審船ですか?」

「見失ったそうだがな……」

「つまり、その不審船を見かけた星域の調査ですね?」

「その通りだ。頼めるか?」

「大丈夫です。やらせて下さい」

「分かった。なら、サラマンダーを使ってくれ」

「サラマンダー!」

「ああ、戦闘になるかも知れないし、今まともに動かせる戦艦はサラマンダーだけだ」

「分かりました。サラマンダーをお借りします」

「それから戦艦を指揮するには大尉では士気に関わるからな」

 と任官状を差し出した。

「少佐に昇進だ。これを機に益々精進してくれ」

「ありがとうございます」

 任官状を受け取り、敬礼するトゥイガー少佐だった。

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