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996/2011

996_『ロストケア』鑑賞

おはようございます。きんぴらです。


今日は2023年4月10日。月曜日だ。


 私は今コメダ珈琲にいる。連日コメダ珈琲。これは常連になる日も近そうだ。


 決して自分から声をかけてはいけない。店員さんから「いつもこの時間ですね」だとか「アイスティーで良いですか?」と言われるまでは、常連ぶった態度は厳禁。常連であることは自分が決めるのではない。店員さんが決めるのだ。


 と、何の役にも立たないこだわりを披露したところで本題に。


 珍しく土曜日に映画をみた。というのも木場にあるギャザリアに映画館があったから。


 豊洲や練馬のユナイテッドシネマズ、新宿や日比谷のTOHOシネマズの土日は大混雑なので極力避けるのだが、新天地となれば話は別。情報収集をわが身で行うのだ。


 というわけで初めて109シネマズで映画鑑賞。選んだ作品は3月24日公開の「ロストケア」だ。


 公開前から注目しているといつかの日記に書いたが、年度末で忙しく鑑賞できていなかった。リベンジだ。


 人の死にフォーカスを当てた……ヒューマン?サスペンス?ジャンルの特定が難しい映画だ。


 ストーリー概要をば。


 松山ケンイチさん演じる介護サービスの会社に勤める斯波しばが同僚を殺害した容疑者となる。その殺人事件(これは事件というには怪しい)の裏ではもう一つの事件が起こっていた。その事件を深く探っていくと衝撃の事実が判明する。容疑者は介護サービスの顧客であった42名を殺害していたのだ。


 そして彼は言う。


 「私は42名を救ったんです」


 42名を殺害した動機は何なのか。それを明らかにしようと長澤まさみさん演じる検事が事件へと深く足を踏み入れていく――。



 悲しかった。爺、爆泣きです。私だけでなく多くの方が泣いていた。すすり泣きの音がすごかった。


 総評として2023年で暫定ダントツ1番の作品。そして恐らく2023年通年でも本作を超える作品があるとは思えなない。それくらい、心に響いて刺さったままの作品だ。


 検事と容疑者の討論は胸が熱くなるものがあった。殺さなければならない状況に追いやられた人間が、他にどうやって状況を打破できただろうか。その答えはなくとも殺人を悪として処さなければならない検事の立場。そしてそこに差し込まれる遺族の本音……。


 鑑賞していると、何が正解で何が正義か分からなくなってくる。法が正義か、人が正義か。生かすのが正解か、殺すのが正解か――。


 是非、大人の方たちに鑑賞していただきたい映画だ。


 「家族という絆は呪縛でもある。最後くらい、その呪縛から解き放ってあげても良いじゃないですか」


 胸に刺さって抜けない言葉だ。



 ちなみに、私はこの映画において自分の答えを持っている。私は寝たきりや認知症で家族の手を煩わせるようになったら死にたいと考えている。単衣ひとえに家族に迷惑を掛けたくないから。


 寝たきりになった父親に「だれやお前!」と言われたとき、覚悟が決まった。


 「こうなったら死のう」


 痛烈なショックだった。だからこそ、それを大切な人に浴びせたくない。例え家族に「いいよ」と言われても、だ。


 私に手を掛ける時間があったら、恋人や家族と幸せな時間を過ごしてほしいし、私の介護にかかるお金があったら子供の学びや食事にお金をかけてあげて欲しいと思う。


 私の周りには同じ考えを持っている人がいて、著名人でも同じことを言っている人がいる。生きることだけが正解ではない。死ぬことにも正解はある。何より、自然の摂理だ。少子高齢化も緩和されるというもの。


 しかし! 殺人はいかん。


 私のように死を受け入れる準備が出来ていて、その時が来たとき希望を叶えてくれるのがベストだ。要するに安楽死のシステムはあって然るべきだと思っている。無理やり生かされる身にもなってみよ。家族に無理をさせて自分は常にストレスを感じ、双方が不幸に向かって走り出すのだ。自分では死にたくても死ねない体になり、ひたすら苦しみに耐える日々。拷問だとすら思える。


 もちろん、それでも生きていたいと思う人や、死ぬのは怖すぎて無理という方は存分に生きればよい。人それぞれ死についての考え方も感じ方も違うし、何より影響を与える周囲の環境も違う。


 ただ、来るべき時が来たら「死にたい」と思っている人の願いが叶う未来になれば良いなと思っている。


 まぁ来るべき時が来ないように健康的な生活を心掛けているわけだが。



 最後にもう一度、誤解が無いように書いておこう。「死にたい」と思っている人が「死ねる」ことを良いと考えていても、「死にたくない」と思っている人が「死ぬ」未来は望んでいない。寝たきりになったからと言って、「死んでよい」との考えは大いに違う。その人は「生きたい」と思っているかもしれないのだから。


 そう考えているからこそ、本作を観て枯れるほど泣いた。


 「認知症になった場合の対応」と「遺書」は健康なうちに書いておこうと思う。



 経験の少ない子供にはピンと来ない作品かもしれない。でも年を重ねた人ほど、本作から感じることは多くなるはずだ。是非とも劇場に足を運んで欲しい。行動原理と背景がしっかりしたストーリー、情緒をかき乱す音楽、俳優陣の戦慄すら覚える演技。本当に鑑賞してよかったと思う。



 最後に、これだけ足を踏み入れづらい領域に切り込んだ本作のスタッフ、原作の葉真中先生に最上級の絶賛を。



 それでは、今日も『健康的に』頑張っていきまっしょい!


きんぴら




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