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90/1994

90_記憶は無くとも

おはようございます。きんぴらです。



私は記憶力がない。


 人から言われたことをすぐに忘れるし、人の名前と顔が一致しないことも良くある。自分でやろうとしたことも、すぐに忘れてしまって後から「何だったっけ?」と記憶が行方知れずになっていることに気づく。


 思い出せれば良いのだが、思い出せないのなら大したことではないのだろうと思い込んですっぱり忘れることも多々あった。昔はそれで良く仕事でお説教された。それに関しては明らかに私が悪い。当時のメンバーには申し訳ないなぁと今でも思う。


 さて、そんな私が忘れないために何をするようになったかというと、私のエッセイを読んでくださっている方は皆さんご存知だと思うが、『ノートに書く』ようになったのだ。


 とにかく思いついたり気づいたり、感じたことがあれば全てノートに書く。ノートに書けない時は携帯のメモに取っておき、後からノートに書き移すようにしている。


 これにより、忘れてもノートを見れば、「そうそう!」と思い出すようになった。もっと早くからコレをしていれば。もうちょっと細かく書くと、ノートに書く習慣をつけるために工夫したことなどがあるのだが、それは以前エッセイでも書いた通り、自分が「触りたい、書きたい」と思うくらいカッコいい、かわいい文房具を揃えることだ。気に入った文房具が近くにあれば使いたくなる……すなわち文字を書きたくなるのだ。


 さて、そんな記憶力のない私だが、幼少期の頃の記憶はたくさん残っている。小学低学年の頃、深夜まで大好きな釣りをしていて警察官に補導されたこと。雪の積もった日、「雪玉をぶつけた」と先生から冤罪を被せられたこと。


 様々あるが、特徴的な記憶がある。


 場所もはっきり覚えている。


 私は近くの家に住む6歳くらい年上のぽっちゃり体型である浦島くんと一緒に、隣人の内田くんの家の壁にもたれかかっていた。その時浦島くんが言った一言。


「今の記憶は時間が経ったら絶対忘れとる。頑張って覚えとってみぃ」

「そーなん?」


 当時の私は10歳くらい。


 私はまだこの時のことを覚えている。浦島くんは忘れると言ったが、私は覚えているのだ。


 少しドラマチックな気さえする。


 この相手が浦島くんではなくて超絶美少女なら私は今すぐにでも地元に帰って「覚えてる」と伝えるところだ。


 浦島くんで残念。


 何でこの時のことを覚えているのかというと、仮説に過ぎないが多分反発心なのだと思う。子供の頃良くあるあれだ。


 やるなと言われたらやりたくなる。帰れと言われたら帰りたくなくなる。食べろと言われたら食べたくなくなる。


 ……忘れると言われたから覚えてる。


 何とも切ないものだ。覚えている理由としてはあまりにも味気がないではないか。覚えているのであればもっと人の魅力やその時の景色の素晴らしさなど、感性を刺激する理由であって欲しい。


 残念ながら、今となっては「忘れる」と言われても、本当に忘れてしまうだろう。あの時は記憶について本気で考えた初めての体験だったのだ。特別だ。


 あれからもう20年が経つのか。


 早いものだ。


 今日こんな記事を書いたことを、20年後の自分が覚えているだろうか。きっと忘れている。


 だけれども、少しでも20年後の自分の力になれるように今日も頑張る。今日の自分が未来の自分を作る。今日の記憶は無くとも、過去の自分に感謝している自分が未来にいると信じて。




きんぴら



 


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