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62/1994

62_ブラキストン線

おはようございます。きんぴらです。


私はゴルフが好きではない。


 数年前まではやっていたが夏は暑いし冬は寒いしでやる気が失せてしまった。特に私は暑さにめっぽう弱いので夏場は言葉通り死にそうになる。どこかで書いたが、私は彼女の家で暑さに負けて倒れたことがある。


 さて暑さに弱いアピールはこの辺にしておいて、ゴルフに話を戻す。


 ゴルフは棒状のクラブというもので球状のゴルフボールを打ち、カップという穴に入れるスポーツだ。タイガーウッズという選手が有名だ。知っている人もいるかもしれない。いろんな大会で優勝していたが、薬物に手を出し、不倫しまくった選手だ。キャラが立ちすぎ。


 私はゴルフクラブをペンに持ち替えて毎日文字を書き綴っているわけだが、私の周りでは変わらずゴルフをしている人たちが多い。


 つい先日その中の一人が焼肉を奢るというので、ご馳走になった。


 目黒の高い焼肉屋だったが、そこでこんな会話があった。


「2日連続でラウンドして日焼けした。ヒリヒリする」

「このクソ暑いのによくゴルフいけるな」

「いやー、さすがに2日連続はやりすぎた」

「夏は一番あかんだろ。暑いし熊出るし」

「熊は出んだろ!」


 熊が出ると言ったのが私なのだ。夏は「山派」「海派」論争が盛り上がる。山は熊に会う、海はサメに会う。だからどっちも行かずに家でクーラーつけて酒を飲もう……というのが私の考えだ。


 とは言っても、確かに日本でゴルフをしていて熊に遭遇したという話はあまり聞かない。海外だと熊とかワニとか聞くのだが。


 そして話はずれていった。


「まぁもし出てもツキノワグマなら勝てるだろ」


 友人は逃げるのではなく戦う方を選択するようだ。


「日本列島だとツキノワグマしかいないしな。ヒグマだったら勝ち目ないけど、ヒグマは北海道にしかいないし」

「ヒグマならさすがに逃げるわ」


 ここで注目して欲しいのが熊の話だ。ヒグマは北海道にしかいない。本州にはツキノワグマしかいない。


 これはなぜか。



 まず、そもそも熊だけなのだろうか。ここで出てくるのが『ブラキストン線』だ。多分聞いたことがある人は少ないだろう。


 『ブラキストン線』は別名『津軽海峡線』とも言われる。


 日本の野鳥を研究していたイギリスのトーマス・ブレーキストンは本州と北海道の動物に違いがあると提唱し、1883年にアジア協会報に発表した。本州と北海道……すなわち津軽海峡だ。動物の種が津軽海峡を挟んで違っている。この境界線を、津軽海峡にちなんで『津軽海峡線』、そして発見したトーマス・ブレーキストンにちなんで『ブラキストン線』と呼ばれている。


 『ブラキストン線』は北海道にいるヒグマ、ナキウサギ、エゾシマリスなどの南限となっていて、本州にいるツキノワグマ、ニホンザル、ニホンリスなどの北限となっているのだ。


 話を戻そう。


 そもそも熊だけが本州と北海道で違うのだろうかという話だが、熊だけではない。むしろたくさんの動物がそうだったからこそ『ブラキストン線』なるものが定義されているのだ。


 さて、なぜそんなことになっているのか。これに関してはWikipedia先生から引用する。


 津軽海峡を挟んだ動物相の違いは、最終氷期に北海道は樺太、千島列島を通じてユーラシア大陸と陸地で繋がっていたことに対して、本州は朝鮮半島を通じて大陸と繋がっていたことに起因すると考えられている。ただし、最終氷期において津軽海峡が陸続きであったかについては諸説ある。過去の大陸との繋がりに加えて、最深部が449 mと深く、現在の最短距離が19.5 kmあり、潮流も強いという津軽海峡の性質が動物の行き来を妨げていると考えられている。



 ふむふむ。おもしろい。日本列島がユーラシア大陸とつながっていた頃から、津軽海峡が北海道と本州の動物を切り分けていたという仮説だ。


 動物が綺麗に分かれていることからも相当の昔から分断されていたはずだ。となればこの説は有力だろう。


 そんな昔から育ちの違う動物を引き連れて大陸から分離し、日本という国になったのだ。そして育ちの違う動物は同じ国民(?)となった。おもしろい。


 ツキノワグマは初めてヒグマを見てどう思うのだろう。大きいな、怖いなと思うのだろうか。ヒグマはツキノワグマを見てどう思うのだろう。小さいな、かわいいなと思うのだろうか。


 津軽海峡を挟んでいる違った種類の動物たちは、津軽海峡を超えることはできず出会うことはないままだ。もし出会っていたら——、興味が尽きない。



 ……少しいい感じで終わろうとしたが、よくよく考えたら動物園で出会っていそうだ。



 そして文章をしめようとして思った。


「俺だったら……ヒグマでもツキノワグマでも逃げるな。いや、追いつかれるから駄目元で戦うか? う〜ん」


 答えは出なかった。




きんぴら


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