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17_ホワイトボードのある生活

こんにちは。きんぴらです。



 私の家にはホワイトボードがある。


 もう何年前だろうか……名古屋から大阪に引っ越してすぐのことだから10年前くらいだと思う。


 そう考えると感慨深い。私は何年もこのホワイトボードと苦楽を共にし、何度も助けてもらったのだから。


 高さは180cm程度で、横幅は120程度。全身透き通ったような白色……とはいかず、長年の愛用により少し黄ばんでいる。それでもボード部分は手入れをしていることもあり、大きな汚れは目立たない。その辺の貸し出し用会議室にあるような回転式で表裏を返すようなタイプではなく、スライドすることで裏表が入れ替わる優れもの。めちゃくちゃ使いやすい。



 そんな使いやすいホワイトボードをなぜ買ったかというと、会社にあるような予定表が家にも欲しいと思ったのが始まりだった。


 予定を列挙したり、ふと思いついたことを忘れないようにメモしたり、時には罰ゲーム付きのゲームの勝敗数を書き記したり、街コンに行くメリットを友人に説明するときにも利用した。


 そのホワイトボードは私の日常にすっかり溶け込んだ。



 そしてそのホワイトボードの使い方がある日を境に変わる。


 きっかけはメモの魔力の著者である前田社長が、テレビで自宅を紹介していてその中で前田社長が黒板に自分の考えをまとめるように使っていたシーンを見たときだ。


 基本的に、説明用、記憶用、チェックリストとして利用していたそのホワイトボードを、自分の考えを纏めるために使う……


——使える!


 それまで私はそもそも自分の考えを整理するという行為をそれほどしてこなかった。ところが書き出して、書いたり消したり繰り返していくとその使い慣れたホワイトボードが自分の脳内を映し出してくれるのだ。


 なんとも不思議で素晴らしい。自分の脳内、考えを理解できると、そこから違う発想が浮かびやすい。この一部の考えをこう変えると……そのあとの考えは……と連鎖的に違う答えを導き出せるのだ。


 それからというものホワイトボードに自分の考えを纏める癖がついた。家に帰ってテレビを見ていて気になったことがあったら、なぜそう感じるのかを整理する。小説を書こうと思ってプロットを書く。そんな日常が今でも私にはある。


 パソコンでよくないか?と言う意見もあるが、別の部でも記載したが「書く」という行為はパソコンの「うつ」という行為より脳により多くの刺激を与えて記憶に残りやすいという効果がある。脳科学者の樺沢先生の著作を参考にしている。


 ノートで良くないか?との意見に関しては、立ってしっかり書けるというポイントがある。立っているときの方が脳が働き、良いアイデアが生まれるという話は聞いたことがあると思う。ホワイトボードはノートと違って手ぶらでしっかり文字を書けるというメリットがある。


 正直、パソコンやノートの方が優れているケースも往々にしてあるので、それらを否定する気はさらさらない。だが、ホワイトボードがある生活がいかに豊かであるかも知ってほしい。


 そんなこんなで私のホワイトボードとの共同生活はこれからも末長く続くのだ。




 ホワイトボードよ。


 君は私の彼女たちいずれより私のことを知っている。なぜなら、君と私は過去の彼女の誰よりも長い付き合いなのだ。


 そして、その数年間君は私の脳を丸裸にしている。


 なんと恥ずかしいことか。


 その脳内を見て私に別れを切り出さないか不安な今日この頃。



きんぴら




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