132_『君は彼方』鑑賞
おはようございます。きんぴらです。
今日は2020年11月28日。土曜日だ。
今日も私は新宿にいた。今は目黒のカウンターのイケた居酒屋に一人でいる。魚料理の美味しい居酒屋だ。生ビールが出てきて、奈良漬と蒸し鮑を待っている。特にお腹は空いていないが、食べたいと思ったものを頼んだ。これでお腹いっぱいになるはずだからこれ以上は連れが来ないと頼めない。
連れが来るまでぼっちで酒を飲むことになる。いつものことだから私自身は良いのだが、店側に悪い気がする。頼むから早くきてくれ。
さて、今日は行きつけのTOHOシネマズ新宿で『君は彼方』を鑑賞してきた。
昨日から上映しているが用事で観に行くことができなかったので今日にした。
放映回数は1日6回程度でシアターは1室。放映時間は90分程度。前評判が良い映画とは言えないのが正直なところだろう。特に鬼滅の刃がとてつもない人気を誇っている真っ最中であり、嫌でも比較してしまう。
『君は彼方』は土曜日にもかかわらず、全放送回において席に余裕がある状態だった。私の放送回ももちろん空席だらけ。鑑賞者は20人もいなかっただろう。
一方鬼滅の刃は2シアターを使っているのにほとんどの上映会において残席が少なくなっていた。
とはいっても映画は前評判を覆すものなんていくらでもある。そして価値観は人それぞれだから、観る人が良かったと思えればそれで良いのだ。
私はいつも通り隣が空席の通路横の席を確保した。上映マナーと公開予定映画の予告を終えると『君は彼方』の上映が始まった。
ストーリーの概要をネタバレしない程度に話すと、主人公の女子高生が幼馴染に想いを伝える前に死に直面することになり生と死の狭間で生を勝ち取るために右往左往する物語り。
主人公はその幼馴染のことが好きなのだが、親友も主人公の幼馴染のことが好きなのだ。それを知った主人公は自分の気持ちを押し殺し、親友を応援することにする。
その後に幼馴染と喧嘩をし、仲直りしたいと思ったところで話は急展開を迎える。
……自分で概要を書いていて思ったのだが、この説明だけ聞くと面白そうに感じる。不思議だ。
おっといけない。今の一文でわかってしまったかもしれないが、残念ながら私はこの映画を好きにはなれなかった。
いくつか理由を書いておこう。
まず幼馴染の男子高校生の声優さんの演技が苦手だ。仮面ライダーブレイブ役を演じた瀬戸利樹さんが声を入れているのだが……正直違和感を抱き続けた。絵の表情と声の感情が一致していないと感じるのだ。例えるなら『打ち上げ花火下から見るか横から見るか』の菅田将暉さんに覚えた違和感と同じ類いのものだ。俳優さんと声優さんは『演じる』という共通点はあれども、声で全てを表現する者と全身を使って表現する者の違いが明確に表れていると感じた。
次にストーリーの設定が飛びすぎて解決されない。『君は彼方』は突然居場所が変わるシーンが多用されている。アニメでも小説でも映画でも場面の切り替えというのは当たり前だが、視聴者や鑑賞者が繋がりを理解できるのに要所に工夫をちりばめてくれている。だが本作ではそれがない。まさに鑑賞者置き去りだなと感じてしまった。
そして時間配分だ。主人公が病院で泣き喚く時間が長い。これまでに述べたストーリーの繋がりがしっかりと接着されていないから、病院で泣き喚くシーンをそんなに長く取られても感情移入しかねる。いかにも感動するであろう泣きのシーンを多くしてやろうという制作の顔がチラつき嫌になる。
これらのことから、『君は彼方』に関しては私は満足できなかった。先週鑑賞したドラえもんや、現在大人気の鬼滅の刃、ストーリーの芸術作品と感じたヴァイオレット・エヴァーガーデンと比べると明らかに見劣りする。
……と感じた。としておこう。
きっとこのような作品が好きな人もいるだろうから。あくまで私個人の感想だ。
もし友人に観にいこうと思うんだけどと言われたら、私はきっと「他の映画にした方がいいと思う」と答えてしまうだろう。
私は映画館で映画を観ることが好きだから、今回のように自分の好みではない映画に当たることも楽しみの一つである。自分の楽しめない部分を書き記し、かつ満足はしていないものの楽しかったとは思っている。今回は映画の内容ではなく、映画を観れたことに対してだ。
だがしこりは残るもので既に他の映画を観たくなっている。ドクターデスの遺産も観たいな。時間があれば観にいこうかな。
などと考えている間に連れがきた。
生ビールももう空だ。次は酢橘サワーにしよう。飲みすぎないように注意しなければ。
それでは、明日……公開日で言えば今日だ。今日も元気に過ごせていますように。
きんぴら