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117_鈍感な世界に生きる敏感な人たち

おはようございます。きんぴらです。


今日は11月13日。金曜日だ。


 今日もいつものカフェにいる。朝の7時15分を過ぎたところだ。


 朝目覚めてiPhoneを手に取る。目覚ましを止めると、そこには『今日は快晴です』の文字。私が外を見るとまだ闇世の中に浮かぶ雲が少し。


 快晴ではないと文句を垂れながら風呂に入ってカフェまでやってきた。今カフェの窓から空を見上げると空は青く染まり、雲は一つと浮かんでいない。ごめんiPhone。お前の言う通りだった。


 さて、昨日の日記で、敏感すぎる自分のことをもっと知ろうと思って読んだ本がある、と書いた。それは『鈍感な世界で生きる敏感な人たち』だ。


 私は自分で敏感だと自覚している。それもちょっとやそっとではなく異常だと言われるほどに。事実、昨日友人から「デリケートすぎる。変」とメッセージが来た。これは彼の本心であるが、私が敏感であることをいじっているだけだ。私を変人扱いして遠ざけようとしているわけではない。その証拠に、彼はカウンターに座るときに無言で私に角の席を譲ってくれる。太いから本当は彼が角に座りたいだろうに。ありがたい話だ。


 というように私は親しい友人から見ても、変に思われるほど敏感なことを自覚していた。だからこそさまざまな方法で刺激を軽減したり、感情を吐き出す方法を考える必要があった。それが身になってきたときに、新しい本を読もうと本屋を物色していて出会ったのが『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』だ。


 表紙を見たときにひょっとしてと思い、私はパラパラと本をめくった。そこには間違いなく自分のことが書かれていた。迷わずレジに運び、会計をして外に出た。それからじっくりと本書を読み耽っていたと言うわけだ。


 みなさん『HPS』という言葉をご存知だろうか。私は知らなかった。Highly sensitive personの略語だ。「とても敏感な人」という意。


 この本はそのような特徴を持つ人が、この鈍感な世界で生きていく上で注意しなければならないこと、同じような特徴を持つ人がどのような経験をしたか、また周辺の人はどのような対応をすれば良いかが書かれている。


 5人に1人がHPSらしい。


 だが私は人生で私ほど敏感な人には、1人しか出会ったことがない。私はその人と一度大喧嘩をしたが、私が怒りを抑え込むのに対して、その人は怒りを表にぶちまける人だった。焼肉屋で大変な騒ぎになったことを今でも覚えている。そして思い出すたびにとてつもない羞恥心に苛まれる。この羞恥心が襲ってくるのもHPSの特徴なのだろう。


 だから本書にもHPSには程度があると書かれているが、本当に5人に1人なのであれば私は相当に重度なのだろう。


 自尊心の低さ、周りの目を気にしすぎる、考え込んで行動に移すのに時間がかかる、大人数での会合が苦手、音やにおいに敏感、危機管理能力が高い、気配り上手、責任感がある、想像力が豊か…その他諸々、この本の内容はまるでほぼ全てが私のことを書いているのではないかと錯覚してしまうほどに、私がこれまで抱えてきた悩みと一致していた。


 それを私は自己流で『自分が幸せになるために』という、たった一つの目標を掲げて対策を講じてきた。いくつかの対策は本書と内容が被っていたが、新しい発見もたくさんあった。それを早速実践している。


 すでに効果が出ているものを書くならば、自分自身の体に触れる、だ。本書では自分自身を抱きしめるとあったが、私は色々試した結果、違う方法に辿り着いた。左手で自分の肩を叩くのだ。自分ではなく、誰か、親しい人が肩を叩いてくれているように。


 それだけで心が軽くなり、一気に気持ちが切り替わる。実践するときは自分に声をかけるのだ。その場面に応じて。


「落ち着いて」

「大丈夫」

「休憩しよう」


 HPS関係なく、疲れてしまった人たちはこれを試して欲しい。もしかしたら皆さんにも効果があるかも知れない。


『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』にはこれ以外にも対策や、考え方の転換、そして「それで良い」と後押ししてくれるメッセージが沢山記されている。


 もし、周りに敏感な人がいる人や、敏感すぎて苦労している人がいれば、この本を読むことをお勧めする。人間関係も自分自身の生活も豊かになることだろう。



 さて、私はそろそろカフェを出る。


 今日も一緒に頑張ろう。鈍感な世界の中で。




きんぴら



 



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