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屋上にて

 次の日の放課後、僕は学校の屋上に来ていた。そこには山田さんが夕日に背を向けて立っていた。かかってこい、そんなオーラを出しながら僕を見つめる彼女はやっぱり僕には理解不能な生き物であったが『もし来ないとお前は3日後に死ぬ』と書かれた手紙を受け取ったからには、来たくなくても来ざるをえない事情が僕にはあったのだ。


「よく来たな。覚悟はいいか」という彼女に何の覚悟? というか彼女の方が覚悟が出来ているのか? と、むしろ彼女のことが心配になってきた僕を彼女が手招きをするその姿は相手を侮辱してケンカを売っているチンピラそのものの態度だったので不快感に襲われた僕がどうしようか迷っていると「もう、早く来てよね……」と寂しげに彼女が言った。


「それで、一体何の用事なんだい」という僕に向かってタックルをしようとする彼女に身構えた僕を見て「ふっ」と鼻で笑う彼女は僕を下に見ているように見えたのであるが「これ受け取ってください」と差し出した手紙を見て、手紙なら昨日もらっただろう、どうしてまた手紙を渡すんだ? 今日手紙を渡すくらいなら、昨日の手紙に書いておけばよかったんじゃないのか? 彼女は昨日手紙を渡す時にそれに気が付かなかったのか? 案外頭が鈍いんだなと思い始めた僕の心を読んだかのように「誰が鈍いんじゃ!!」とまるでサトリのような言葉を吐いて彼女は屋上から走って出ていった。


 彼女からもらった手紙を見ると、そこには『お前は3日後に死ぬ』とさっきの手紙と同じ文字が書いてあり、どうしても彼女は僕に3日後に死んでほしいんだなと思った僕は、あれ、屋上に来たら僕は死なないんじゃなかったのか? 屋上に来たら死なないとは手紙に書いていなかったのか? 昨日の3日後は今日の2日後なので、僕が死ぬのが1日のびたということなのか? 彼女が僕の寿命を1日だけのばしてくれたのか? それに何か意味があるのか? 1日1日を大切に生きろということなのか? そもそも何で彼女は僕が3日後に死ぬと思っているんだ? 彼女が僕を殺しに来るのか? それとも天罰が下るのか? 色々考えすぎて頭が混乱してきた僕の目に屋上の入り口からじっとストーカーのように彼女が見つめているのが見えた。


「封筒の中を見ろ――」と屋上の入り口から夕日に向かって叫ぶように叫んだ彼女の声に従い僕が封筒の中を見ると、中には手紙の他に別の物が入っているのに気がついた。僕それを取り出してみると、それはクレジットカードだった。


 何でカード? と思い、はっ!! と気が付き自分の財布の中を見てみると僕が親からもらったクレジットカードが無くなっていたことに気が付き、そうか昨日彼女とぶつかった時に彼女が財布からカードを抜き取っておいたのかと安心できないことが頭に浮かんだ僕は恐怖に襲われそうになったが、手紙の中に入っていたもう一枚のメモに書かれた謎の数字「76890」の意味が分からず、いやこれは76890円を僕のカードを勝手に使って買い物したということではないのかと想像して呆然と立ち尽くす僕に彼女が遠くから叫び声を上げる。


「これで恩は返したからな」と意味不明な言葉を残して立ち去る彼女は一体何の恩を返したのか? そもそも僕は彼女に恩に着せるようなことをしたのか? 彼女は一体何を言っているのか? それがさっぱり分からずに、もやもやしながらその日僕は帰宅した。

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