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闇を狩る者  作者: 池田中務少輔輝里
DARK HUNTER
27/41

『MOCK CAVALRY BATTLE』

 昼食となったので僕は家族がいるところに行った。一等賞を取ったので褒めてくれるのかと思っていたが、母から出た言葉は「ちょっと、そこに座りなさい」だった。言われた通りにする。


「さっきのはなんですか?女の子がはしたない」

 人前でブラジャーを外した事を言っているのだろう。


「いいですか?いつも言っているようにあなたはもう女の子なんですからいいかげんその自覚を持たないとダメですよ」

「ごめんなさい……」

 謝罪してみせるも内心はふくれている。一等賞取ったんだからちょっとは褒めてくれてもいいはずだ。そんな心の内を見透かしたのか姉が口を挟む。


「あんた、一位になったのに何で褒められないのって顔してるけど、母さんが一つや二つの功績で子供を褒めるような人じゃないってわかってるでしょ」

 そうなの?それはちょっと厳しいよ。どうしたら褒めてくれるの?


「あなたが全国大会に優勝したら褒めてあげます」

 それはハードルが高すぎるな。そだ、シスターに能力補正をかけてもらえば。と、シスターの方に目を向けたら、こちらの会話など眼中に無い様子で母が作った山のようなバスケットをすごい勢いで空にしていた。僕の体がすっぽり隠されてしまうくらいの量なのに小さなシスターの胃袋によく入るな。きっと四次元空間になってるに違いない。全部食い尽くされる前に自分の分を確保しておこう。シスターの食費をものともしない我が家の収入はすごいな。両親はどんな仕事をしているんだろう。聞いてみたいけど、子供が親の仕事を知らないなんておかしいからいままで聞いた事はない。まさか、夫婦してファイトマネーで稼いでいるわけではないだろうな。


「いただきまーす」

 バスケットを開けて昼食開始。うん、うまい。父さんの犠牲の末に会得した料理の腕は伊達ではない。その功労者である父が食べられないのはもう哀れというしかない。その父の分まで堪能しよう。


「はーっ喰った喰った」

 美味しかった。シスターも喰い終えたようだ。


「ねえ、次は何に出るの?」

 食べる物が無くなったのでこちらに興味が向いたみたいだ。


「騎馬戦だよ」

「私それ知ってる。お馬さんに乗って相手の首級を奪えばいいんだよね」

 それはリアルな方ね。ごっこだからこれは。


「なーんだ」

 つまんないって言いたげな顔だな。ちょっと説明するか。


「騎馬戦ってのは4人一組で騎馬一騎を編成して上の騎手役が相手の騎手役の鉢巻を奪う競技なんだよ」

「ふうん」

 ええと、細かい規則はルールブックに。あった、禁止事項?なになに…“相手を殴ってはいけない”そりゃそうだ。“相手の髪を引っ張ってはいけない”うん、そうだね。“相手の服も引っ張ってはならない”それは言えてる。まあ、熱くなって相手に怪我させるような事はするなって事だな。あとは…“相手の首をへし折ってはならない”なんだこりゃ。まだある。“相手の首を180度回転させてはならない”……なんか特定の人物に絞っているような気がする。この騎馬戦は他の競技とは異なり2年生の他のクラスと合同チームとなり、もう一つの2年生合同チームと競う事となる。ちなみに僕は騎手役だ。女子と男子の混成と男子・女子だけの編成の二つがあり、僕は前者だ。混成の場合、女子が騎手役をやるのがほとんどだが、例外として女子三人が馬役で男が騎手役の場合もある。


「がんばって、いっぱい首級を取ってよ」

 だから首は関係ないって。


 ------


 すべての競技は終わり残るは騎馬戦となった。リーダーになっているみちるは床几(演劇部に作らせた)にドカッと座って開始の刻限を待っている。頭には兜(これも演劇部に作らせた)をかぶってどうやらシスターと同じ勘違いをしているっぽい。そこに、うちのクラスの男子生徒がやって来てみちるの前に跪いた。


「御屋形様、そろそろ刻限でございます!」

 うちのクラスの良いところはノリが良いところだ。


「で、あるか」

 だから、みちるもすっかり御屋形様気分。


「陣触れじゃあ!」

 みちるの号令で皆一斉に騎馬をつくった。法螺貝が鳴り響く。これって結構音がでかいんだよ。本来なら運営委員会から注意があるべきなんだけれども学校はどうもみちるには甘い節がある。


「者ども!此度の戦は勝手次第といたす。各々存分に働いて手柄を示せ!」

「「おおう!」」

 なんてノリの良い……。仕方なしに僕も拳を振り上げる。


「荒ぶる血潮よ、武士もののふの魂よ、いざ行かん!」

 すっかり舞い上がっているところを申し訳ないんだけども。


「何よ」

「兜取ろうよ」

「……わかってるわよ!」

 みちるは兜を投げ捨てて鉢巻した。


「皆、勝ちに行くわよ!このあたしが大将をやるんだから絶対に勝たないとダメなんだからね!敵前逃亡は軍法会議無しで即銃殺だから!」

 いつの間にか戦国時代から近代軍隊になっている。


「降伏も屈服も目的じゃない。目的は殲滅よ!敵兵一人残らず討ち取って三尺高い台の上に飾ってやるのよ!グラウンドをあいつらの血で赤く染め上げてやりなさい!」

 だから、戦じゃなくて競技だってば。ここでルールを説明する。騎馬は騎手役が鉢巻を取られたり、騎馬が崩れたりして騎手役の足が地面に着くと失格となる。制限時間は無し、どちらか一方が全滅するまで続けられる。ちなみに僕は佐藤と同じユニットだ。佐藤は先頭つまり馬の頭部分を務める。


「開始!」

 先生の合図で各騎一斉に動く。数の上ではほぼ互角だが、向こうの方が運動系が多い。いくら地区予選もまともに勝てないヘタレでも素人よりかは体力もパワーもある。特に柔道部、相撲部、空手部、レスリング部で編成されている騎馬は体格の差もあってこちらの騎馬のレンジ外から手を伸ばして鉢巻を奪っていった。あの騎馬はヘタレぞろいのうちの運動系クラブでは例外の強者ぞろいだ。それに比べうちのクラスの男子はヘタレぞろいだ。いくら威勢は良くても、精神主義ではどうにもならない。


「ちょっと押されてるかな」

 みちるもそれがわかっているから開始前に士気を上げようとしたんだけど。そのみちるは獅子奮迅の活躍をしていた。みちるの武勇は学校中に轟いているから複数の騎馬から集中攻撃を受けていた。


「さすがにみちるだね。あれだけの敵の攻撃を見切ってるんだから」

 それどころか隙を見て相手の鉢巻を取って行ってるんだから。みちるの奮戦で我が軍はなんとか持ちこたえている。でもさ、


「あれって、戦国時代のドラマとかだったら死亡フラグだよね」

 孤軍奮闘している武将が力尽きて討ち取られるシーンはよくある。


「いいのか?そんな呑気な事を言ってて」

「なにが?」

「助けに行かなくて良いのか?」

 うーん、佐藤が心配する事でも無いんじゃないかな。なぜなら、みちるは孤軍奮闘した挙句討ち取られる哀れな武将ではなく、天下人秀吉から『傾奇御免状』を授与された傾奇者の如き一騎当千の猛者だからである。みちるのような豪傑なら下手な手助けは返って足手まといだ。


「僕らは僕らで自分たちの獲物を狩ろう」

 一騎くらいは討ち取らないと後で申し開きができない。みちるにも家族にも。ちょうどこちらに向かってくる敵騎がある。軽く返り討ちにする。みちるや姉ほどではないが、僕も運動神経は悪くない方だ。多分、敵の精鋭はほぼみちるに集中しているだろうから僕らは雑魚を狩ろう。こっちには精強と言えるのはみちるだけだから…あ、もう一騎いた。それぞれの騎馬で騎手役は男女混成なら女子がやっているが例外もあると前述したと思うが、そのうちらのチームでは唯一となる例外がクラスいや学年いや学校いやいや町内一の変態である木本智樹だ。普通、男なら女子を上に担ぎたいと思うだろうが、普通じゃなくて変態である木本は女子に担がれるのを選んだ。なぜなら、女子を足元に跪かせるという図に興奮を感じているのと、女子の腕に自分の股間を押し付けると言うセクハラ行為も可能になるからだ。さらにセクハラは敵にも向けられる。木本が標的とするのは当然、女子が騎手となっている騎馬だ。変態として名を轟かせている木本がニヤニヤした顔で両手をワキワキしながら迫ってきたら、女子は自己防衛本能で両腕を胸のカバーに回してしまう。その隙に鉢巻を取ってしまうのだ。鉢巻を守ろうと胸から腕を離したら今度は胸が狙われてしまう。ルールブックには“セクハラを禁ず”という文言は入っていない。そのため反則にすることもできず敵の騎馬(騎手が女子の騎馬限定だが)は次々と討ち取られていった。その木本を討ち取ろうと背後から敵の騎馬(女子が騎手)が後ろから迫ってきた。木本は気づいていないようだ。敵が木本の鉢巻に手を伸ばした瞬間、木本は身を翻して敵の攻撃をかわすと同時に反撃に出て相手の鉢巻を取った。と同時にその相手の女子の胸を鷲掴みにした。


「きゃああああっ!」

 グラウンドに悲鳴があがる。木本は勝ち誇ったように胸を掴んだ手をワキワキしながら上に掲げた。そんな木本に敵だけじゃなく学校中の女子からブーイングが浴びせられる。しかし、木本にはそれは称賛の嵐でしかなかった。筋金入りの変態だ。しかし、木本の悪行もそこまでだった。先述した柔道・空手・相撲・レスリング部で編成された騎馬が木本に狙いを定めたのだ。


「退避ーっ!」

 男それもゴツい連中とはやりたくないとばかりに木本は逃亡を図ったが、奴は配下の女子にさえも敵に回してしまっていた。騎手の命令を無視して騎馬役の女子たちはその場から動こうとしなかった。そして、木本はあっけなく討ち取られた。討ち取った敵騎5。大戦果だ。木本本人も仕事をやり遂げた男の顔をしている。最後は仲間に裏切られたものの本人にとっては満足のいく結果だったろう。全身から“俺、格好いいだろ?”的なオーラが出ているがイケメンじゃない奴がそれしても気持ち悪いだけだ。その後、奴は騎馬役だった女子に両脇と首根っこを掴まれ女子たちがあつまっているところへと連行されていった。多分、これが奴を見る最後となるような気がする。木本を屠った騎馬は次々と我が軍の騎馬を手にかけていった。体格差がありすぎる。しかし、誰ひとりとして敵に背を向けない。なぜなら、背後に世紀末覇者がごとくみちるが控えているからである。後退した先に待っているものはみちるによる確実な死のみ。ならば前進して己が運命を切り開くしかない。こうして次々と討死していった。


「だらしないわね。あんなのに手こずるなんて。本当、うちの男どもはクズばっかしね」

 散っていった英霊たちに労いではなく罵倒の言葉を浴びせるとは。


「しょうがないわね。あたしがどうすれば相手の首をとれるか手本を見してあげるわ」

 だから、首じゃなくて鉢巻を取るんだって。いい加減ツッコむのも飽きてきた。だけど、みちるなら本当に首を取ってしまいそうで気が抜けない。さすがに地域の人たちが集まっている場での流血は避けるべきだろう。相手の騎馬もみちるが相手となると慎重にならざるを得ない。


「どうしたの?さっさとかかってきなさい」

 みちるが挑発するも相手は一歩も踏み出すことができない。何か策を練っているのだろうか、ヒソヒソと4人で話をしている。しかし、どんな策を練ろうと小手先だけのものではみちるには通用しない。壁に卵を投げつけるようなものだ。もっとも、みちるは自分に投げられた卵を相手に投げ返すだろうが。対峙する二騎を周囲が固唾をのんで見守る。向こうは自分たちの騎馬が奇跡を起こす事を、こちらはみちるが相手を返り討ちにして敵の戦意を一気に挫くことを信じて。相手が動き出した。一直線にみちるに向かっている。


「正面から行くのか?」

 作戦も何もあったもんじゃない。一体、何を……。


「うおおおおおおっ!!」

 雄叫びをあげながら突進する敵の騎馬。破れかぶれか?だが、騎手役が身を低く屈めたの見て僕は連中の意図がわかった。


「回避っ!」

 みちるも相手の意図がわかったようだ。騎馬役の3人に逃げるように指示を出す。だが、反応が鈍い。騎馬役の3人がようやく事の重大さに気づいた時にはもう手遅れだった。みちるたちは体当たりされて大きく崩れた。騎馬が倒れてみちるも地面に落ちる。まさかのみちる失格。誰もが予想だにしなかったであろう番狂わせ。敵はみちるではなく彼女と騎馬を組んでいる男子3人に的をしぼる作戦に出たのだ。みちると違って男子3人は普通の高校生だ。みちる個人は無敵でも、チームとなった場合チームメイトが足手まといとなる。団体戦は一人じゃ勝てない、か。失格となって退場するみちるたち。その顔は悔しさに満ちていた。しかし、僕は顔よりも足の方が気になった。歩き方がおかしい。落ちた時にぐねったのか?すぐに先生が駆けつけるが、みちるは自分で歩けると言ったのだろう首を横に振って歩いて退場した。


「姫前が失格になっちまったぞ。どうする?」

 どうするって、どうするんだよ。佐藤に問い返す。


「まさか、あいつがやられちまうなんてな」

 御大将の討死で味方の士気はガタ落ち、対照的に向こうの士気はめっちゃ上がっている。


「……」

 気のせいか味方の視線が全部こっちに向いているような。まさか、僕に指揮権を継承しろと?いつから次席指揮官になったんだ?他に候補はいないようだ。いいのかな?僕で。逡巡しているとみちるを倒した騎馬の騎手役と目があった。そのニタァとしたやらしい目つきに悪寒が走る。奴は次に僕を狙ってくる。そう確信させた。みちるを倒したことで気が大きくなったのか本性を隠そうとしない。奴が何を企んでいるか何となく察した僕はその視線から隠すように胸を両腕でカバーして相手を睨みつけた。何かめっちゃ腹立ってきた。睨みつけても全く意に介さない相手の余裕ぶった態度に、そして何よりもみちるに怪我させた事に。


「行くぞ」

「いいのか?」

 佐藤が驚いてこっちを振り返る。


「みちるをやられて黙っていられるか」

「わかった。お前がその気なら俺たちも付き合う。な?」

「「ああ」」

 いい仲間を持てて嬉しいよ。僕は右手をサッと上げて味方がそれに気づくのを見てから前に振り下ろした。突撃しろという合図だ。無謀である。生き残っている騎馬はこちらが少ない。だからといってそう簡単には諦められない。断じて戦うところ、死中おのずから活あるを信ず。死に物狂いであたれば道も開けるさ。僕らは敵中に突撃する。僕の狙いは当然、あの騎馬だ。獲物が自分からやって来たとでも思っているのか涎までたらしている。女だからって嘗めるなよ!絶対にみちるの仇は取ってやる。だが、敵までもうちょいといったところで佐藤が躓いて僕は前方に投げ出された。


「え?」

 一瞬、何が起こったかわからなかった。目の前には地面が。このままでは失格になってしまう。


「まだまだ!」

 僕は両手を地面について着地した。ルールでは足が地面につかないかぎり失格とはならない。そして、腕の力でジャンプした。空中で態勢を元にもどして敵に飛び込む。が、敵の騎手には届きそうにない。でも、大丈夫。手前にちょうどいいのがある。敵の騎馬役の先頭の頭を踏んづける。


「お、俺を踏み台にしたっ!?」

 先頭の奴の頭を踏み台にして騎手役の顔面に片膝を突き出す。


「!?」

 騎手役の驚愕した顔が目に映る。回避も防御も間に合わない。


「とりゃあっ!」

 僕の膝蹴りをもろにくらって騎手役は後方に倒れた。失格は確実だろう。それは僕も同じだ。このまま地面に落ちれば失格となる。相打ちか。僕にしてはまあまあかな。僕自身、“ああ、これで終わりだな”と思っていた。ボケーっとしていて受身を取る事も忘れている。頭が下になっているからこのままだと怪我してしまうかもしれない。幸い、そうはならなかった。誰かが抱きとめてくれたのだ。人一人落ちてきたのを抱きとめたのでよろめきはしたもののどうにか堪えてくれた。


「大丈夫か?」

 声をかけられて僕はようやく助けてくれたのが佐藤だと知った。


「さ、さんきゅ…」

 礼を言ってから僕はある事に気づく。そういや、こいつさっき躓いてコケたよな。奴の顔を見ると痛みを我慢しているのがわかる。


「…お前こそ大丈夫か?」

「お、俺は平気さ。これぐらい」

 妙にやせ我慢するのは男ゆえの意地か。でも、助かった。痛い目に遭わなかったのもそうだし、地面に落ちなかったので失格にはならない。絶体絶命的な状況からの生還。この戦、勝てるぞ。急いで騎馬を組み直そう。それには佐藤が僕を抱きかかえたままではできないので他の奴を僕を渡す事になる。


「しっかり持てよ」

「ああ」

 悪いね。でも、僕はみちるよりも軽いから体への負担はそんなに無いだろ。いまや僕の方が胸があるのに体重はみちるの方が重いのだ。騎馬を組み直している間は攻撃されないルールとなっている。だからってゆっくりとはしてられない。早く戦列に復帰しないと数ではまだ劣勢なのだ。後ろ向きになった佐藤の首に両腕を回して両足をその胴体に回す。そんで馬役が互いに手を組んで鐙をつくって、その上に僕が足を乗せるわけだが、これがなかなか難しい。悪戦苦闘していると佐藤が、


「あのさ……」

「あんだよ」

 いま忙しいんだ。


「早くしてくれよ。さっきから柔らかいものが押し付けられて気が変になりそうだ」

「ほえ?」

 言われて自分が佐藤に余計なサービスをしていることに気づく。反射的に体を佐藤から引き離そうとしたが、その際に鐙に乗せていた足を踏み外してしまった。


「うわあああっ!」

 今度こそ僕は地面に落ちて失格になった。


「もう、勝てると思ってたのに!」

 せっかくの勝てるかもって雰囲気だったのに。佐藤がいらん事言うから。


「す、すまん」

 申し訳なさそうに佐藤は頭を垂れた。だが、その痛そうにしている足を見てどっちにしても続けるのは無理だったと考えを改める。まあ、みちるの仇が討てただけでも良しとしよう。


 ------

 結局、僕らは負けてしまった。やはり総大将が討ち取られたのが大きかった。来年から騎馬戦のルールがもっと厳しくなるようだ。体当たりと飛び蹴りと猥褻な行為の禁止が新たに加えられるという。一言、“常識と良識をもってやれ”と書けばいいと思う。まあ、飛び膝蹴りをしでかした僕が言える事じゃないけど。

 後日、スポーツ大会を報じた校内新聞に騎馬戦の最中に僕が佐藤にお姫様抱っこされている写真と、借り物競争で僕がブラジャーを外している写真が掲載されていた。自分では意識してなかったが下チチまで見えちゃってるよ。あの時はずしたブラジャーはM商会という学校の裏ショップのオークションで過去最高額で落札されたという噂を耳にしたが真相は闇の中である。

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