ヒトとキツネの舞台裏〜天使の独白〜
皆様こんにちは、いや、こんばんはでしょうか? そちらの時間帯は今何時で?
まぁ、そんなことはどうでもいいですね
では改めて、私の書斎へようこそ、私はフィアネリス、ヒトとキツネの異世界黙示録の"著者"にして世界の観測者、今この独白を読んでいるあなたに語りかけています。
まぁ、この独白を聞きに来た人は、よほど酔狂な人でしょうね。あるいは、普段から私達の活躍を追ってくれてるファンの方でしょうか? どちらにせよ、ここに足を運んでくれた事には感謝します。
さて、まぁ本題とうつりますか。私はかれこれ様々な物語を観測してきました。異世界転生、転移、チート、追放、ざまぁ、成り上がり、職業もの、人外、ギャグ、シリアス、暗躍、努力、エトセトラエトセトラ…それはもうたくさんの物語を、これまで眺めてきました。
私が…いいえ、この独白を作った"作者"が"なろう"について知ったのは、かれこれ十年以上前のことでしょうか、当時はさまざまなバラエティ豊かな物語がありました。まだ"なろう系"という言葉すらなく、テレビでは異世界でほにゃららするとかいうクソ長いタイトルのアニメがまだ放送されてなかった頃の事です。
作者は当時、狂ったように好きな作品を見てました。テレビでも、このサイトでも、そのどれもが新鮮で面白く、それぞれの作者の味がして、私達の作者が物語を創る礎を築いてくれました。
私達の物語も、何も無から作られたわけではございません。そう言った物語を経験して色々試行に試行を積み重ね、初期構想を練り、プロトタイプを作り、駄作ならば消し、フルリメイクしては一度は完結させた。長年設定と話を熟成に熟成を重ねて作った作品なのです。
ですが、昨今の異世界ファンタジーは"なろう系"と呼ばれ、似たような作品ばかりが量産されるようになり、テンプレート化が進みました。
時代の流れでさまざまな作品がテンプレになりましたね。転生、追放、ざまぁ、悪役令嬢、この辺りがこのサイトでよく見かける作品、そう思いませんか?
普段から我々の作品を追ってくれている方なら分かると思うのですが、我々の作品は、"異世界アンチテーゼ物"、要するに、そう言った今のテンプレ、今の主流から大きく外れる、むしろ、大きく反した作風なのです。
作者が一日一万文字ほど必死に書いて投稿しても、当然ながら今の主流から外れた作品なので、他と比べて面白さが伝わらず、誰も手を取らない。
まぁ、それは仕方がないのかもしれませんね、だって、気まぐれシェフの創作料理よりもチェーン店のありきたりな安い料理の方が、皆さん安心して美味しく食いつくでしょう?
ですが、ここに一つ、二つ、三つほど罠があります。
まず一つは、"皆人気の作品を読む"ところ。読む作品をメニューに並べたとして、皆さんはまず何を選ぶと思いますか?
それはごく単純、"この店のおすすめ料理を"と選ぶでしょう、ポイントや読者数の多い、ごくありきたりで人気の作品を手に取るでしょう。
その結果が積み重なるとどうなるか? 人気メニューだけがどんどん食べられて、他のマイナーなメニューは選ばれず、その為の食材はどんどん腐る。
俗に言う"エタる"の原因の一つは、そこにあるのかもしれませんね。誰も読んでくれないのでは、誰かに読んで欲しくて小説を書いた人は悲しくなって店じまいしたくなるじゃないですか。
まぁ、私達の作者は、それでも好きに書いて意地で我々の物語を完成させようとするでしょうが。
では二つ目、それは"長く説明文なタイトルほど見られやすい"というところ。
これはまぁ、このサイトというかラノベ界の悪い文化とも言いますか、作品の内容をタイトルで説明すると、どんな内容か興味を持たれやすいという事です。
例えば焼肉店に行って、ロースだのハラミだの言われても皆様それがどこの部位でどう美味しいかまではよく覚えてないでしょう? そこでどんな味かどんな食感かを説明して、美味しく食べてもらうようアピールするのです。
では私達の小説はどうなるか、"ヒトとキツネの異世界黙示録"、ふむ、実にシンプルな名前で説明も一言もない、まず見て何の作品かもわからないタイトルですね?
これでは他の"異世界で〜した"とか"パーティーに追放されたが〜になった、もう遅い"とか、"悪役令嬢が〜"とかクソ長くわかりやすく説明されたタイトルと比べて、手に取られるわけがありません。
とは言え、もし仮に作者が私達の小説をヒトとキツネの異世界黙示録から"異世界が問題だらけなので異世界管理組織の俺たちがチートどもを正します〜人と狐が英雄や勇者を殺す〜"などと小説のタイトルを変えたら、その時は私が戦略兵器を用いて辺り一面を焦土にして物語を無理やり終わらせます。
ニンジャだの機械仕掛けの神だの出てくるようなものをしますよ。私は本気です。
そして三つ目、"AI小説が出回り始めた事"。昨今のそちらの世界では、AIにイラストを描かせたりキャラを作っては会話したりするのが流行っているようですね?
小説界も同じです。作者は小説にAIは間接使用、多少文を作ってもらって参考にする程度にして、後は自分で書いてます。
ですが世の中には自分で考えて書く、という行為を捨て、直接使用、完全にAIに小説を書かせては人に見せる作者が増えてきました。
作者や他の小説家がどれだけ知恵と気力を振り絞って作品を書いても、AIを使った作品は、まるでインスタントラーメンのように、簡単に、たった数分で物語を作り上げてしまいます。そしてそれをそのまま投稿し、テンプレートな展開とわかりやすいタイトルで簡単に人気を取る、まぁ、実に効率的で、なんともおかしな話でしょう。
我々が丹精を込めて作ったコストのたっかいラーメンより、AIが作ったやっすいインスタントラーメンの方が親しみを持たれて人気になる、実に馬鹿げた話です。面白ければ別に何でもいい、AIが作った作品であろうと。小説を読む側は美味けりゃどうでもいいバカ舌になったのです。その行為は、必死に小説を書く作者達の苦労を冒涜する行為です。
この独白を書いてる作者も実に悔しいと思ってるでしょう、テンプレだの人気だのでなろう系で負けるならまだいい、でも自分よりAIの方が面白い小説を描く事に対して、筆を折りたくなるでしょう。
ですがそれでも書く事を諦めません、なぜならば彼らは創作者、自分の描きたい物語を描く表現者なのですから。
では、ここまで聞いてくれた貴方へ、私から一つ言葉を与えましょう。小説家を志す人も、そうでない人も、この言葉を胸に抱いてそれぞれの場所で戦ってください。
これは昔、ある日本の専門学校が謳った決め台詞です。
ー量産機になるなー
小説を書く方は、もし書きたい作品があるならば、主流を捻じ曲げても、主流に沿ったとしても、別に構いません。思う存分、好きなように作品を書いてください。
貴方の紡いだ物語の中で、好きなようにキャラクター達をいきいきと動かすのです。
そうすれば、たとえ読む者がいなくても、自分を動かす原動力にはなりましょう。
読む側も、ランキング上位のテンプレートな作品ばかり追うのは構いませんが、偶には、ランキングの隅にある自分が気になった小説を読んでみてはいかがでしょうか?
案外、面白い作品に出会えるかもしれませんよ?
そうして隅で描かれた小説を読み、評価していただくと、作者達はエタることなく、励みとなって喜んで書き続けるでしょう。
最後に、私達の作者が描いた小説、ヒトとキツネの異世界黙示録と、それに連なる物語を、どうぞ宜しくお願いします。
私ことフィアネリスと、我が至高のマスターと気の置けない狐の友人達が、多くの異世界にてさまざまな悪意やお約束、闇などをぶち壊す、異世界アンチテーゼダークファンタジーとなっております。
チートはございますがチートだけでは済まされない、波瀾万丈の異世界の戦いをお楽しみいただけますよ。
では、私の独白はここまでとなります、ご清聴、ありがとうございました。




