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94.俺、温泉街をお披露目する

 星5つを貰えて気分よくなっている俺は、じゃじゃーん!と、ご機嫌でメンバーの前にマップを広げた。

 6軒の旅館が書き込まれている。俺のイチオシの射的、シェフに頑張って作ってもらった饅頭やお団子や煎餅を売る店舗、足湯、ブライトンスフレや灯台クッキーを売るお土産屋、灯台見学、釣り体験広場、貿易が盛んなお向かいの国のフルーツを使ったジュース屋さんの支店まで、可愛いイラスト付きで書き込んである。

 更に、『予定』とカッコ書きしてある所には、ミニクルージング乗船場、海鮮レストランなどなど。この辺は、オープン前に間に合わせるよう地元の人に頼んである。


「今日は、この地図の好きな所をぶらぶらしてもらおうと思います。もちろんチェックシートを持ってね!

 今日の宿は、全員で泊まるのではなく、分かれて泊まります。この高級旅館のリーズナブルバージョン宿か、我らがブラス領を代表する、鉱山のアイン、職人のワック、繊維のコット、農業のファームスから、それぞれ個性的なアイデアをもらった宿の中から選んでもらいます。因みに、一階のお土産屋には地域の特産品も揃えているので興味があったら、泊まらない宿ものぞいてみてください。

 それでは、相談して今日の宿を割り振っていきます」


「兄様!ファームスの宿を選んだら、チーズのお料理が沢山でますか?」とシャルが可愛い質問をしてくる。

「もちろん!特産品だからね!アインを選ぶと面白体験ができるし、ワックを選ぶとビックリするだろうし、コットは安眠を保証するし、ファームスは美味しいものが出てくるよ」

「全部泊まりたい!」と盛り上がるシャル。今回の旅は2泊3日なので一つだけ選んでね。


 ワーニーとサテラ様とラタートはリーズナブルな宿に決めたようだ。

「今日泊まった所と何かどう違って値段が安くなるのか興味がある」とワーニー。ガイルも同じことを思ったようだったが、シャルのリクエストでファームスの宿に決定。

 そして解散、自分達でマップを見ながら楽しんでもらう。

 レストランのオープンが間に合っていないので、ランチは海辺のテラスに、海鮮バーベキューを準備した。好きな時間に行って、好きなものを選んで焼いて食べてもらおう。


 俺達は釣り体験広場で釣りだ。ビル兄様も来たがったが、エマのエスコートとして引っ張っていかれた。お団子コースだなきっと。

 前回、海で魚を獲った時は結界網をさしいれて一網打尽状態だったので、今回はちゃんと、釣り竿で釣りだ。ぼんやり海を見るのもいいもんだ。

 風が吹くとちょっと冷えるな、ブランケットがいるな。もっと寒くなったら結界ボックスとか必要かな~?

 リチャードは、寒さより、日焼け対策しないと、ご婦人方には不評では?と言っている。なるほど。そこは考えなくちゃいけないかなぁ。でもそもそも貴婦人という人達って釣りしそうにないけどな。偏見ですが。パラソル持っているイメージ。


 そんなこんなであっという間に楽しい旅行は終了だ。帰りの集合場所に行くと、皆、目をキラキラさせてお互いの宿の報告をしている。

 シャルはファームスの宿で、大好物のチーズも堪能したようだが、それより濃厚アイスクリームの魅力にノックダウンされたようだ。

 リタとカルマはコットの宿、

「スタッフと相談しながら自分好みに素材や硬さを選べる極上の寝具に、ルームウェアも素敵で、好きな香りを選んで部屋に持って行ってもいいんですが、エッセンシャルオイル?でしたか、滅茶苦茶素敵でした!大ウケ、間違いなしです」と太鼓判を押してくれた。


 リーズナブルの宿のワーニーは、俺はあそこで十分だと王様らしからぬ発言をしていたが、確かに、ベッドの足の素材がなんだろうとどうでもいい、洗面台に大理石とかなくてもいいと言う人は何の問題もないだろう。

 サテラ様も、料理の材料や寝具の素材、何から何まで昨日とはランクが違うことは分かるが、子どもの為の椅子や食器も用意してくれるし親切だったから問題ない、と言ってくれた。さすがに違いは分かるんだなぁ。


 神様トリオはワックの宿だ。エマが、シャルに一生懸命説明している。

「すごいのよ!部屋に行くのがカラクリなの。ガチャーンって壁のギアが動き出したと思ったら床が動いて部屋まで連れて行ってくれるの!食事も回ってでてくるのよ!」

 この説明では理解できなかったようでキョトンとしているシャルだが、またガイルに連れて行って貰ってね。回転寿司システムまるパクリなんだよぉ。


 そして俺達の泊まった宿はアインの宿。砂金採り体験が出来るんだが、フランツが楽しくて全く動かなくなったんだよなぁ。リチャードが先に金を見つけて、悔しかったのか、朝一にもやって、なんとか一つ見つけていた。アインの代表の人も、こんなに喜んでもらえるなら、街にも同じものを作りたいと許可取りされた。どうぞどうぞ。鉱山周辺の川の砂を運んできて、水の張った桶にいれて、段差のついた皿ですくって、揺らしながら光る金を探すという簡単なものなんだから、いつでもどうぞ~。


 ガイルには、「好きにやっていいと言ったが、ここまで大掛かりになるなら、一言あっても良かったのでは?」とチクリと言われた。

 それは、まあ、そうかもしれないかな。温泉宿じゃなくて温泉街を作ったわけだから。

「次からそうするよ!」と胸をはった俺を見て、ワーニーが笑っている。

「絶対無理だな。お前、いろいろズレているからな。そんな常識はずれなことやっているから、常識はずれな王女からラブコールが来てしまうんだと思うぞ」と恐ろしい事を言っている。

「それどういう事?」ヤーニーがかみついた。

「エントロウのレピッド第二王女、この間のお騒がせ王女が、ウェルと共に学びたいから留学したいと言って来た。飛び級試験受験するならご自由にと伝えておいたぞ」


 なんだって?今10歳か、王女で、優秀な家庭教師について勉強しているなら高等学校4年生14歳の飛び級試験に、受かる可能性が高いか。厄介なヤツが来るかもしれない。

 エマ様!なんちゃって婚約者候補様!!大女優の出番です。飛び級試験全力で応援するので頑張って!頼むよエマ!

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