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66.俺、冒険者1号になる

 村長と住人とリタを先にマースケルに送って、家の場所を大まかに決めておいてもらう。俺とヤーニーは村の神官さんと一緒に村へ、家や教会を取りに行ってから追いかけた。

 戻ると、ワーニーまで来ていて、今後の事を考えて道幅は大きく取った方がいいぞとかアドバイスしている。


 そして周囲の唖然呆然を尻目に、家を神ポケから出して火山灰をクリーンしてから、

「これは誰の家~?どこに置くの~?」と声を上げながら設置していった。

 ジオラマ制作、原寸大って感じでめちゃくちゃ楽しかった~。

 ギルドの応接室で、ゲオルグと村長の顔合わせをして、ワーニーとリタの正体をバラシて、大いに驚いてもらった。食料調達の打ち合わせや、その他諸々のことを決めていかなくちゃいけないから、大人は大忙しだ。


 子ども達は教会で神官に、これからの勉強のこと、お手伝いの村の清掃のことなどを確認している。偉い!

 神官長は自らクリーンの浄化で教会内を掃除をしながら、そんな子ども達をみて目を細めている。

 自分たちの都合で進めた移住計画だったが、いい方向に向かってくれるといいな。


 そして、楽しみにしていた男子会パジャマパーティーの日だ。

 王都邸にいつものように集合して、カモノハシ号で出発だ。

「「「凄いです!」」」を連発して大喜びしてくれる三人。瞬間移動よりもこちらの方が絶対に楽しいわと言ったエマの意見を採用してよかった。結界浮遊は体験したことがあっても、ジェット機並みのスピードは初体験だもんね。

「あれは、レルべ山ですか?私の家のクッセン伯爵領はあの山の麓なんですよ」とキリアルが言うので寄り道してみた。アルプスの少女が出てきそうなのどかな場所だ。

「まだ出発して30分くらいなのにもう到着って・・・私、この間連れてきてもらった時は5日くらいかかりました」とこぼしている。

「ウェル様やヤーニー様のやることを気にしたら負けだぞ」とデイブが失礼なことを言っている。負けって!と、エマはお腹をかかえて笑っている。


 名物だというチーズビスケットを買い込んで、ブラス領へ。

 到着したら、ゲオルグが古い商館を買い取って冒険者ギルドに改装している場所へ。すご~い!アニメのままだ!依頼ボードもできてる!

「お待ちしてました。ようこそ冒険者ギルドへ」とゲオルグが歓迎してくれる。

「登録お願いします!」まだプレオープンなのでちょっとズルだが、冒険者1号をゲットだ。ギルマスは諦めたんだからこれくらいはね!

 登録してくれたのは、王宮から派遣されてきたイメルダ。インテリっぽいけど強そうな女性!そうだ女版リチャードって感じ。年齢はリチャードのお母さん世代っぽいかな。

 俺の名前の入った、ネックレスになっている冒険者タグを貰う、色は金、すでにSランク。

 ヤーニーも勿論一緒。残りのメンバーは裏庭でゲオルグとランク決めの模擬戦だ。がんばれ~!

 リチャードとフランツはS。当然か。

 グレッグはCで銀色。キリアルとデイブはDで銅。

「いきなりこんなんじゃバグっちまうな」とゲオルグがぼやく。

 というのも、子どもがくるっていうから木のタグを用意していたんだって、ランクFとGの。

「俺の友達だよ、そんな訳ないじゃん」と言うと、

「そうですよね・・・」と遠い目をされた。


 SSS・SSが黒、S・Aが金、B・Cが銀、D・Eが銅、F・Gが木だ。

 裏面に特殊な星を打刻をして、満タンに溜まったらランクアップの試験が受けられるようにするそうだ。俺たちは皆裏面がツルツルだ。打刻してもらうには、依頼をこなすか、ギルドの認める活動に参加すればいい。

「楽しそう、依頼しよう!」とヤーニーが言ってお財布を出す。

「毎度ありがとうございます。今日はどのようなご依頼で」とゲオルグも乗ってくれる。

「う~ん」とヤーニーは考えて「そうだ!新鮮な魚を領主館に届けてっていうのはどう?」

「報酬はいくらにしますか?ギルド手数料も1割いただきます」とイメルダ。

「まあ今回は受付の練習ということにしましょう」と500ダルで依頼を出させてくれた。

 イメルダさんは何やら手続きをして、依頼ボードに依頼を張る。

 皆でワクワクしながらボードを見上げる。

『求む!新鮮な魚・領主館へ届ける・報酬450ダル・星1つ』

 お~、初依頼だ!皆で記念に、せ~ので剥がす。

 受付に持っていくと、何人で依頼を受けるか聞かれる。折角だから5人で依頼を受けた。

「依頼人と冒険者は同じ人はダメですけど、今回はいいでしょう」と言ってもらった。

 用紙を貰って、納品したら依頼者のサインをもらってくるように指示される。今回はヤーニーのサインだね。本当だ、同一人物を許可したら星を貰い放題だね。


 張り切って海へ出発、結界浮遊で良さそうなところまで行って、海の上から網状の結界を差し入れて引き上げる。

 大漁だ、やりすぎたか?厳選して良さそうなのだけ神ポケに入れる。ヤーニーにサインしてもらって依頼達成だ。

 ギルドへ帰って、納品書とタグを出す。報酬を貰って全額ヤーニーに渡す。手数料分だけ減っちゃったね。

 星ってどうなるんだろう。タグを裏返すと、五分の一の星が打刻されてる。ちょっとした傷みたいで笑っちゃう。

 色々問題は出てきそうだが、冒険者ギルドの誕生だ。第一歩を踏み出したことを喜ぼう。


 冒険者ギルドのプレオープンですっかり満足したので、港で好きなフルーツジュースを選んで、ビスケットをかじり、船をみて海を堪能しながら休憩だ。いい!旅行っぽい。

 温泉でもあれば最高だな。海の側にも温泉ってあるのかな?熱海とかそうか。

「温泉って掘ったら出てくるのかな?」

「温泉?て何」とヤーニーは不思議そうだ。

「お湯の湧き出る場所ですよね。領地にあるそうですが行ったことはありません」とキリアル。

「お風呂とは違うの?」

「水を温めるんじゃなくて、お湯が湧きでてくるんだよ。硫黄や炭酸、濁り、美肌とかの効能も種類があって、その土地によって湧き出る温泉が違うから楽しいんだよ」

「凄いね!どこか掘ってみる?」

「面白そうですね。でもどこでも掘っていいわけではないかもしれませんよ」

 通信鏡で相談、「ゲオルグ~温泉掘ってみていい?うん、うん、は~い、じゃね~」、「街の南の外れなら、いいって!」


「よかったですね。でも南の外れって大雑把な感じですけど大丈夫なんでしょうか?」グレッグは不安そうだが、

「大丈夫だよ。何かあれば元にもどそう!」俗にいう臭いものに蓋だ。

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