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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

楽園のその先

作者: すみのもふ

 あなたにとって、楽園はどこですか?


 私にとっての楽園はここです。この白に囲まれた部屋。音のない世界。不自由のない生活。私は、理想的な日々を過ごしていた。


 時間を気にせず目を覚まし、布団を敷きっぱなしにしようが、部屋が汚かろうが、寝巻きのまま一日を過ごそうが、誰にも文句を言われない。

 勉強しなくていい、働かなくていい、自由に生きてていい。比較対象がいないからストレスのない世界。最高な人生とき


 私がいつからここにいるのかは分からない。生まれた時からいたのかもしれないし、最近なのかもしれない。

 時計も窓もないから、時間の経過が分からない。今が朝なのか、昼なのか、夜なのか、分からない。分からない分からない分からない。気づいた時には、ここにいた。


 目の前に映っているのは、白い折り畳みテーブル。その上には造花が花瓶に支えられて飾られ、その側には数冊の本がある。テーブルはすぐに食事を置けるよう、スペースを確保してある。テーブルの下には、数枚の紙と筆記用具がある。


 少し視線をずらすとクローゼットがあり、中には私のサイズに合った服が収納されているが、好みじゃないので着ていない。バッグも一般的な女性が好むようなものばかり。靴も同様。隣には食事が置かれる小さな扉がある。気づいたら食事が置かれるため、それを体内に取り込んでいる。


 テーブルの反対側には、白い扉がある。鍵がかかっていて、出られないことは確認している。逃げ出そうとしたわけじゃない。他にも部屋があるのかなという好奇心で、だ。



 ここにいる意味を考えたことあるかって?それを考えようとすると頭がボーッとするの。だから、考えることをやめた。

 トイレやお風呂?当然ある。部屋の残りのスペースに収まっている。


 さて、今日は何をしよう?できることといえば、絵や文章をかくこと、読書、ストレッチや筋トレ。

 私は絵を描こうと思い、紙を取り出し、ボールペンを指で回してからモデルを探していると…


ーーバンッ


 扉が開かれ、その勢いで壁にぶつかった音が響いた。


美心うるみ!」


 名を呼ばれ、弾かれたように見ると、開かずの扉を開けて余裕のなさそうな表情をした人がこちらを見ていた。


 なぜ私の名前を知っているのか?なぜ鍵が開いたのか?なぜ人がいるのか?

 そうした疑問が一気に押し寄せる。部屋へと……私のテリトリーへと足を踏み入れた男に、緊張で体がこわばった。


「助けに来たんだ! さぁ、俺と行こう!」


 何を言っているんだろう。助けに来た?助けなんて求めていないし、必要ない。

 それに、あなた誰?伸びっぱなしの黒髪も、ボサボサの眉毛も、垂れた目も、綺麗な鼻筋も、少しぽてっとした唇も、無精髭も、知らない。それに全身真っ黒で、ジャージ上下にスニーカーって……もしかして……!


「いやっ! 来ないで! 誰かっ……助け!」


 私は青ざめ、後ずさる。体がテーブルに当たり、その振動で造花が床に落ち、本は崩れた。


「美心? 俺が、君を助けにきたんだよ?」


 怯える私に一歩、また一歩と近づいてくる。距離を保とうと後ろに下がるも、テーブルに引っ掛かり共に倒れる。


 視界がぼやけ、一瞬意識が途切れると、黒い塊が一気に距離を詰めて私の足の下にあるテーブルを蹴り飛ばす。

 テーブルの行方を見る隙もなく私に跨ってくると、ガサガサしてゴツゴツした手が私の首にかかる。


「っ……!」

「恐怖に歪んだ君の顔は最高にゾクゾクするなぁ……ああ、美心。俺のために逝ってくれるね?」


 両手で首の拘束を解こうとするが、びくともしない。力の差が、歴然だった。だからといってじっとやられるわけには行かず、足をバタバタさせるが、私の一.五倍くらいありそうな体重で押さえつけられているため、何の変化ももたらさなかった。


 首が締まり、息ができなくなる。血が止まり、意識も薄くなっていく。抵抗する力もなくなり、されるがままだった。


「……み…………るみ……!!」


 結局、どこの誰か分からない人に殺されて私の人生が終わるのか。なんだったのだろう、私の人生。このクソ野郎の快楽のために、私の命が絶たれるのだろうか。



「美心!!!」


 ハッとして意識を取り戻すと、心配そうに眉毛を下げた人の顔がアップで映る。私が目を見開くとふにゃりと嬉しそうに笑った。私の頭の下には骨が当たって固い感覚とツンとした臭いを感じる。

 状況を確認すると、真っ黒マンの太ももに私の頭が乗っかっていて、上半身だけ起こしてるようだった。


「よかった……急に叫んだり苦しんだりし出すからビックリしたよ」


 どういうことなのだろう。この人、さっきまで私のことを襲っていたのに。まるで別人だ。


「は……離して!!」

「落ち着いて、美心。俺は君の味方だよ。ここから出よう。ここは、危険だ」

「ここのどこが危険だっていうのよ! 私はここを楽園だと思っていて……ここを出る必要はない!」

「君は知らないんだ! ここの食べ物には少量の毒が入っていて、君は徐々に弱らせられているんだ! このままでは、君の命が危ない!!」

「そんなのっ……デタラメだわ! だいたい、なんであなたがそんなこと知ってるって言うの!?」

「部下たちの噂で聞いたんだ。事実確認をするため、ここに侵入して毒も検知した。間違いない」

「だっ……で、でも……」


 真剣な眼差しで訴えかけてくる姿に、戦意を喪失する。まだ疑いは消えないけど、その必死さに嘘はない気がした。


「分かってくれて、ありがとう。……立てるかい?」


 肩を抱かれながら、立ち上がる。目線の位置にぽてっとした唇があり、近距離で見ると黒いカサブタがあった。唇を噛んだり、皮を剥いて放置をしたのかもしれない。


「……あなたは誰なの? なんで私を助けるの?」


 フッと男の口角が上がる。その笑顔を引き立てるようにキラキラとしたものが周囲に散ると、眩しさで私は目を細める。

 瞬きをすると、だらしない髪も眉毛も唇のカサブタも髭も一瞬できちんとしたものへと変化する。まるで、アニメの変身シーンみたいに。


 今、私の前には清潔感の溢れた王子様がいた。


「ご想像にお任せします」


 王子様の階級を表す服もないけど、真っ黒な王子様だけど……この人は、私を迎えに来た王子様?


 手を取られる。重なった手は冷たく、私の温度を吸い取っていくようだった。


「ここに来るまでの扉は、全て開けてきた。その通りに出れば、外に辿り着ける。迷うこともない」


  グッと手を引かれ、男について行こうとするが足が鉛みたいに重い。ここを出れば、時間に追われ、仕事で疲れ果て、人間関係や恋愛で比較されランク付される。

 例え、毒でじわじわと弱っていようが、このまま気付かないフリをしていた方が幸せなんじゃないかとも思える。


「……美心?」


 思案していると、顔を覗き込まれる。キスができそうな角度にドキッとすると、顔を逸らした。


「ここに……いた方が、幸せなのかもしれない」

「なっ……何を言い出す!? 美心!?」


 手は解かれ、両肩に手を置かれる。俯きがちになっていた顔は、上へ向かされた。


「だって……生きていくのが苦しい。なんでこんな思いをしながら生きなきゃいけない? なんで死ぬことが許されない? 生き地獄だよ。逃げられるなら、逃げたい」


 いじめられた、痴漢にも何度かあった、理不尽な怒鳴られ方をしたこともあったし責任を私に押し付けられたことだってあった。

 小さな傷を繰り返し受け、治らない傷になっていく。恐怖として刻まれていく。私はもう、ポッキリと心が折れてしまった。ここを出ても、もう一度頑張れそうにもないんだ。


「……」


 男は私の痛みを負ったかのような表情をし、ふわりと優しく抱きしめた。温度を共有するような、そんな感覚。男女のハグというより、同じ人間としてのハグって感じだった。


 同情なんかいらない、という気持ちも湧いてきたけど、あまりに優しく包み込むような、労るような抱きしめ方に口を閉じた。


「今まで辛い思いをさせてしまって、申し訳なかった。その分とこれからの分、必ず幸せにすると約束する」

「……必ず?」

「必ず。君に誓うよ」


 体を引き離して柔らかく笑うと、私の手を取り駆け出した。遠くなってゆく、私の楽園。かつての、楽園。

 毒漬けにされていたなんて知らない方が良かったかもしれない。知らない方が幸せなことってきっとある。


ーーでも、一体誰が? 何のためにそんなことを?


 風を切るように走っていく。白い扉の向こうはカーペットの廊下になっており、途中で何個か白い扉の前を通り過ぎてゆく。


「あれ……」


 開いている扉はなく、端っこまで来てしまったようだ。空いた手で顎に手を置き、思考を巡らせている様子。


「あのっ……」

「大丈夫。行こう!」


 ここは、迷宮なのか?

 そう質問しようとしたら最後まで言わせてもらえず、手を引かれる。今、口を開いたら舌を噛みそうなので黙った。


 閉まっているドアを開け、また廊下を走り、ドアを開け…という動作を何度も繰り返した。進むたびに長くなる廊下と多くなる扉。まるで中心部を守るように多くの扉が立ち塞がっているようだった。いや、考えすぎだろうか。


 自分で選び、道を開いていく姿に惚れそうになる。カッコいいな、私の王子様!


 黒い扉の前に立ち止まった、私たち。乱れた呼吸を整え、目を合わせる。

 あれ……なぜだか、見上げた顔に違和感があるような気がする。なぜだろう。


「最後の扉だ。この先は、外だ。準備はいいかい?」


 ドアノブを掴みながら、確認をする。私は無言で頷いた。それに応えるように頷き返すと、ガチャッと音を鳴らし、光で溢れた真っ白な世界へと飛び込んだ。



ーーププーッ

ーーガタガタガタガタ

ーーウィーン

ーーキャハハハ

ーーバタバタ

ーーブーン……

ーー「そういえばさぁ、昨日やってた番組が」


 生き生きした音たちが、私の耳に入ってくる。車のクラクションの音、自転車のカゴが揺れる音、自動ドアの音、学生の笑い声、サラリーマンが走り去る音、バイクが過ぎ去る音、話をしながら歩く音。


 音は、こんなにたくさんの種類があったのかと思わされる。実際にはもっと多くの音があるけど、音が遮断された世界で生きていた私には音の容量がいっぱいになるほどの情報量だった。


「久しぶりの外はどうだい? 光が眩しいかもしれないね」


 直射日光や反射した光が降り注いでいたため、気を遣って日陰をつくろうとしたのだろう。私の顔へと伸ばしてくる、その手。私はその手と手についてくる影を見て、恐怖の感情が現れる。


ーー『この時を待っていた。俺の美心っ!』


 暗がりの中で覗いた鋭い歯、迫ってくる手、興奮したような声。

 身の危険を感じて逃げようとするもパンプスが脱げてしまい、片足はストッキングを履いた足で不安定なバランスのまま走る。


 小石が足に刺さり、体重や摩擦に耐えきれなかったパンプスを履いた方のストッキングがパチッと切れたのが分かった。パンプスを脱ぎ捨て、冷たいアスファルトの上を走る。タイトスカートが歩幅を狭くさせるので、太ももの半分ぐらいまで上げた。


 相手が追いかけてきているのか、どのくらいの距離なのかは分からない。ひたすら走ることだけを考えていた。


 身を隠せる場所をキョロキョロと探していると小さな公園があった。直線の道路をただ走っているよりは回避できそうと思って、足を踏み入れた。大きい尖った石や細かな枝が足に突き刺さり声が出そうになるが、必死に堪えた。


 公園にはブランコ、シーソー、スプリング遊具、グローブジャングルジムがあった……が。隠れられるような場所はなかった。

 膝に手を当てて、息を吐き切る。冷静になるんだ。考えるんだ。仕事でも、冷静に対処できるところを褒められたばかりではないか!


ーーキィ


 誰もいるはずがない静かな公園で、遊具が動いた音がした。肩から溢れた髪と髪の間から周りの様子を伺うと、グローブジャングルジムがゆっくりと回っていた。

 風に押されたのだろうか。……いや、黒に紛れ、歯を剥き出しにして笑っている人間がいた。


 なぜ!?私の方が早く着いたはずなのに!

 まさか、先を読み、始めからここを目指していたというのだろうか。


 地に足をつけた音がした後、私との距離をじわじわと縮めてくる。黒に溶け込んだ帽子と服と靴以外の肌の部分が光の当たり方で不気味な色をしていた。


 過去のニュースで、深夜に女性が狙われる事件を何度か見たけど、その時の被害者の女性もこんな気持ちだったのかななんて考える。

 逃げるべきだと分かっているのに体がすくむ。距離が短くなるほど焦りや恐怖で頭の中がパニックに陥る。体も震え、動きが鈍くなって、目の前の存在に私を支配されていた。


『美心。俺の美心っ…。!』

『だっ……誰なんですか、あなたは!』

『“あなた”だなんて気が早いなぁ美心は。俺的には“ダーリン”でも“主人”でもなんでもいいんだけど、君はその方が好みかい?』

『何言って……!』


 帽子を投げ捨てると、黒と同化していた箇所があらわになる。伸びっぱなしの黒髪、ボサボサの眉毛、垂れ目、綺麗な鼻、弾力ありそうな唇、無精髭…。こんな人知らない!


『でも、そうか。付き合って随分経つし? そろそろ結婚してもいいよね?』

『付き合ってない! 頭おかしいんじゃ……っ』

『美心がその気なら話は早いね。実はね、今日は美心の気持ちを確かめようと思ってね?』

『は? ……いい加減に……』

『俺の大きくて固くなった“愛”、受け止めてくれるよね?』


 血の気が引く。これからこいつに何をされるか容易に想像がついた。

 いやだ!こんなやつに犯されるくらいなら命を絶った方がまだマシだ!


 手の爪を膝に立て、痛みで自分にムチを打つ。最後の力を振り絞ってストーカー(てき)から背を向けると、ガッツリと髪の毛を掴まれて引きずられる。髪を掴まれるだけで涙が出るほど痛いのに、地面との摩擦で足が焼けるかと思った。


 『俺の美心』、その言葉から分かるようにこの人にとって私は“モノ”。付き合うだとか結婚だとか愛だとかふざけたことをほざいてるけど、自分の欲を私にぶつけているだけで私のことなんてちっとも考えていないんだ。

 本当の私を見てくれているわけじゃなく、自分が思い描いた理想の私としてしか見れないんだろうな。


 グローブジャングルジムに私を押し込むと性急に唇を押し付けてきた。ツンとする臭いと手入れされていない荒れた唇が私を襲い、あまりの気持ち悪さにソレに噛みついた。

 ガリッという音と共に臭いと感触はなくなるけど、男の唇には血が溢れていた。数秒停止してから自分の舌で舐めとると、小さく笑った。


 それが嬉しい笑いじゃないことを理解した直後に頬と頭に衝撃が走った。何発か体にめり込み弱らせられた後、手の自由を奪われた。力なくはりつけにされた私は、暗く静寂に包まれたおりの中で刑罰を受け“私”を殺された。



ーーキキーッ


 車が急ブレーキをかける音でハッとし、忍び寄る手を除けた。


ーーパンッ


 肌と肌が激しく当たる音が響き渡る。想像してなかったのか目を丸くした男は、あの時みたいに数秒停止し小さく笑った。


 この男は、私の王子様じゃない。私のストーカーで、性暴力の加害者だ。

 いくら私を殺されたからといって、いくら音のない世界に長時間いたからってこんなやつと……こんなやつを……悔しすぎて、続きの言葉が出てこなかった。


「そう! その顔が見たかったんだよ!! 死んだ目をした君もそそられたけど、恐怖に歪んだ君の顔は最高にゾクゾクするなぁ……っ」

「……やめて」

しかばねのような君を“俺の城”に招いて、閉じ込めて、観察することにも飽きたから外に連れ出した。壊れた君を堪能させてもらったよ」


 開かずの扉が開いた理由。人が来た理由。扉を間違えることなく進んだ理由。


「……ああ、美心。俺のために逝ってくれるね?」

「……やめて!」

「もう忘れちゃったかな? しつけの悪いコはお仕置きしなきゃね?」

「いやーー!!」


 私の悲鳴は音となって辺りに助けを求めたけど、各々の静けさを保つため遮断され、すぐに消えていった。そして、私はまた薄暗く音のない檻の中ではりつけとなった。



ーーー…


 今、私の目の前には伸びきった黒髪、ボサボサの眉毛、怯えた目、綺麗な鼻、だらしなく開いた口、無精髭をはやした男がいて、手足にかせをつけられ、弱々しく私を見上げている。私はそいつの顎を持ち上げ、情けない顔を様々な角度から眺め笑った。


 “そこ”は、私の場所だった。だけど、そこはオマエの場所になった。


 こいつは、仕事中に車に轢かれて記憶を失ったらしい。記憶を失う前、『駐車場の警備も大変なんだぞ〜』と自慢げに話していたことから、誘導をしていて車に轢かれたんだろう。

 外傷はあまりなかったけど、自分の家の地下の鉄格子の奥で手足に枷をつけられた私を見て『だっ……誰?』と言われた時は驚いた。外して欲しいと頼むとあっさり解放してくれた。


 そして、私はオマエを拘束した。


「そう! その顔が見たかったの!! 恐怖に歪んだオマエの顔は最高にゾクゾクするなぁ……っ」

「……やめて、ください」

「これから壊われていく君をたっぷ〜り堪能させてもらうから!」

「……やめて!」

「もう忘れちゃったかな? 躾の悪いコはお仕置きしなきゃね?」

「やめろーー!!」


 罪を忘れたら終わり?そんなバカなことがあるか。加害者から与えられた傷がどれほどのものなのか、たんと味わうといい。


 どうせ、被害者は誰でもよかったんでしょ?女だったから、弱そうだったから、大人しそうだったから……きっとそんなくだらない理由。


 自分より弱いやつしか狙えない、クズ。


「私も人のこと言えないか!」


 被害者である私は、加害者になった。でも、覚悟はしてるよね?人にやるということは、やられることも承知だよね?


 私をそうさせたのは他の誰でもなく、オマエだ。


「調教しなきゃね?」


 むちがしなる。パチンという音と共に痛みを叫ぶ声が上がった。


 何度も聞かせてよ。罪を思い出すまで。



 私の楽園で。

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