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アポカリプス ~ 神道界と魔法界の戦い ~  作者: 千代田 昌子
第1章 小学校編
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榛葉(しんば)の驚き

 私、黒崎、柳、榛葉、富田の5人は利律子さんの部屋に通された。利律子さんの家はこじんまりとした2階建ての家だった。部屋の入口は襖で、するりと襖を開けると、8畳ほどの部屋に布団に座っている利律子さんがいた。


「こんにちは。」利律子さんが言う。


「利律子さん、お加減は如何ですか?今日はお見舞いに参りました。そして東京での生活で、利律子さんのお世話係の一人の、富田夏樹を連れてきました。黒崎と柳はお会いしたことがありますね。こちらは榛葉と申します。聖書や神道の古文書に詳しいんですよ。ご紹介します。」


「さあ。ご挨拶して。」


まずは富田が物凄い笑顔で利律子さんの側に行き座った。髪型はシャープな雰囲気のボブから少しウェーブをさせて軽やかな雰囲気にさせた。ニコニコした表情だが、笑い慣れていないようだった。


「利律子さん、初めまして!富田です!」


富田がそういうと満面の微笑みで右手を利律子さんに差し出す。利律子さんはと頭を下げながらニコニコとし、


「初めまして。よろしくお願いします。」と言った。


利律子さんのお母様はお盆にお茶を並べて部屋に来たが、私たちにお茶を出して回るには部屋は狭く、榛葉が気を利かせ、お盆を受け取る。


「お母様、私が他の者に回しますので、お任せ下さい。」そう言うと、榛葉が順番にお茶を他の者に回していった。利律子さんのお母様は入り口の外で座って様子を見ていた。


「大人数で申し訳ございません。少しお話をお聞きしましたらすぐお暇しますので。」そう言うと、利律子さんのお母様は「利律子はもう体調もいいですし、あまり気を遣わないでください。」そう言って頭を下げた。


 我々皆が同じタイミングで、「とんでもございません。」と言って右手を左右に振った。その同調シンクロした様子に、利律子さんのお母様は目を丸くしてさっと下を向き、笑いをこらえている様だった。利律子さんも笑いそうな顔で目をまん丸くしていた。やはり顔が似ている。


 私は利律子さんに、見えた映像ビジョンのことを話してもらった。レダのことは私が見せた映像だが、イブの話は私ではない。それを調べるために今日はここに来たのだ。


利律子さんは見た映像ビジョンを詳しく話してくれた。榛葉はルシファーが天使に戻された時の話に、


「やはり、ルシファーは悪魔ではないんだ!」と呟いた。そして、最後の名前を聞いたところで、榛葉が非常に食らいついて話し始める。


「り、利律子さん、そ、その文字はど、どんな文字でしたか?」榛葉は利律子さんから一番離れた所にいたが、食らいつくように利律子さんに精一杯近付いて、答えを待っていた。


「えーーっと。ローマ字で大文字のK、小文字のh、小文字のa、そして、小文字のsだったかな、zだったかな。。最後の文字がよく見えなかったんです。カザって言っていましたけど・・・。」


その答えを聞くと、「大文字のK!小文字で、h、a、sかz!」榛葉は大きな声で言いながら腕を組んで、右手を自分の顔に当て、人差し指を額に、親指を右頬につけ、ポーズをとりながら目を閉じて考えていた。


「その綴りには心当たりがあります。」そう言うと、榛葉はメモに文字を書き始めた。


「khashiyaと書いて、カシーヤ、別の呼び名をカシヤ。イスラムの唯一神アッラーに対する尊敬・謙遜・慎みを表す言葉の綴りのうちの一つですね。アラビア語においては恐れることを意味します。hiyaは女性を表したり、挨拶を表します。興味深いなぁ。創造主の名前がkhazカザなんて・・!」榛葉は目を輝かせていた。榛葉はしゃべり続けた。


「日本では、かみと呼びますが、その語源となるものが、その名前から来ているとすれば、かなり太古の昔、この世が創造された時から日本と言う国は何かしら神を崇めていたと推測できます。そして、その語源がしっかりと残っている言語が日本語であるとなると、我々が受け継いでいる日本の歴史と言うものは、聖書で言う天地創造と全く重なることになる。聖書は、我が国で起こった事が書き記されているという可能性、証拠の一つとなるわけです。我が国の歴史は恐らく学校で習う歴史とは違っているんです。特に、平安時代以前の歴史はもっと違うものです。各国の聖典、古文書などを解読していっても、それらの国にはそぐわない内容が多い。いやぁ。利律子さんのお話は点と点が繋がって線になることが多いんですよ!」


と言ったところで、黒崎と柳が


「榛葉。」


と言うと、榛葉は目を大きくして口を噤んだ。次に、柳が話始める。


「しかし、ルシファーが天使に戻されていたというのは初耳ですね。では悪魔というものの正体はいったい何なんだろう。」


皆が顔を合わせて首を傾げたり。両手を上げて肩を窄めている。


「その創造主が作り出していない、邪悪なものが悪魔なんじゃないのかな。だとすると、残虐な行いや卑劣さがなぜ備わっているか、理解できる。利律子さん、そのカザが作り出していない者の姿は見えましたか?」私は利律子さんに聞いてみる。


「はい。カザさんが、あ。カザ様が作った大きな暗い穴の中で見えました。首から上の形があまり無くて、手だけがあるみたいな茶色いアメーバみたいな姿の人が、地面をはいつくばっていて、手だけで凄くゆっくり動いていました。」


私は榛葉の話と、利律子さんのその答えを聞いて、今回の映像ビジョンがどこから来たものか分かった。


「利律子さん、どうやら利律子さんに、この世の創造主から直接、映像ビジョンが送られてきたようですね。」


そういうと皆が一斉に私の方を見た。


「今の世の中は、その創造主が介入しなければいけない程、荒れてしまっているという事ですね。そして、この世を荒らしているのは、創造主が作り出していない私念だとすれば、創造主が作り出した者たちに対する憎悪の念はすさまじいものでしょう。」


利律子さんは少し意味が分からないみたいに首を傾げていた。


今は深く知らないほうが良い。その私念の正体と現代での私念の姿を見た時、利律子さんは非常に驚くことになるだろう。人間と同じ形をし、自分たちが世界で一番美しいという文化を作り上げることに成功しているからな。


「利律子さん、大変良いお話を聞くことが出来て、私たちはとても助かっています。また、何か映像ビジョンを見た時には、泉八基子いずみや もとこ様でももちろん良いのですが、怖い事や不安なことがあった場合は、私にすぐ連絡を頂いても宜しいでしょうか。」


私はそう言うと、利律子さんとお母様、お父様用に自分の直通の連絡先が書かれた名刺を渡した。長居は宜しくない。そろそろお暇して、警備の者達に警備について気を引き締めるように指示を出しに行こう。私は買ってきたお菓子を手提げ袋3つほど、利律子さんのお母様に渡した。お母様は目を丸くして、


「あらあら、もう本当にいつもすいません。どうかあまり気を遣わないでください。申し訳ないです。」と言ってくださった。


「これくらいなんともありません。私どもの感謝の気持ちです。どうか皆さんでお食べ下さい。」


そう言うと、利律子さんが立ち上がり、


「いつも美味しいお菓子をありがとうございます。」そう言って嬉しそうににっこりしていた。今日ばかりはお見送りは丁寧に遠慮し、自宅の玄関の中でお別れとなった。


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