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アポカリプス ~ 神道界と魔法界の戦い ~  作者: 千代田 昌子
第1章 小学校編
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私は妬む者

挿絵(By みてみん)

 光輝くその人は、白い大きな羽が背中から上に伸び、背丈よりも高い位置から折れ曲がって緩やかに下に伸びていました。

 

 光の中から、少しずつ男の人の姿が見えてきました。少し時間が経つと、空から見ていた男の人の髪を金髪にしただけの姿が現れました。


 ゆっくりと立ち上がり、イブを見つめると、やはりあの男の人にとても似た声で、穏やかにイブに語りかけました。


「あなたを創造したお方は、全てをあなたのために作り上げました。あなたがいつまでも幸せでいられるように、全てを取り計らって下さるでしょう。私はあのお方の代わりに、あなたを守る者です。」


 イブは戸惑っていました。何をすれば良いかわからないようでした。

 

「この木の側で、穏やかに、のんびりと過ごしなさい。あなたが寂しさを感じる時、あのお方は空の色で、木や草や花の色で、あなたの目を楽しませるでしょう。あなたの周りには、寂しくないように動物達が集まり、あなたに可愛らしさを見せてくれるでしょう。あなたの幸せこそがあのお方の喜びであり幸せです。何かあったら私を呼んで下さい。」


「あなたは、あのお方の姿にそっくりなんですね?」


イブは嬉しそうにそう尋ねます。


その羽を持つ人は優しく微笑んで頷くと、


「私は光を預かる者、あのお方の姿を頂くことを許された者です。私ををルシファーと読んで下さい。」


そう言いました。   



 私は少し上の位置から見ていたけれど、恥ずかしくなってきて、


「ぜんっぜん悪魔じゃないよ。まるで王子だよ!こっちまでウットリしてくるよ!」


とバタバタ手足を動かしていました。




 イブの周りにはリスや鹿や猫や犬や、馬や色鮮やかな鳥達がいました。イブは動物達と一緒に楽しそうに過ごしていました。


 イブを中心にして、草から花が咲き始めました。それがどんどん広がっていきます。花にはミツバチや蝶が集まってきました。


「花って、こんなに綺麗に色が混ざるの?」


と思うくらいに、色々な色が目に優しい色合いで咲いています。それは見ているだけで、心が和む様子でしした。


 おそらく、夕方になって来たんだと思います。空の色が綺麗なオレンジ色になってきました。薄い雲が所々に散らばって、太陽の光を反射して白く光っているので、とても神々しい空でした。


イブが空を見上げ、うっとりとしています。そして流れるように、何かを歌い始めました。


 

どこからか聞こえる 囁きが


全てを包み込み 安らぎを下さる


慈しみの波が 押し寄せて


目の前の全てに 幸せが溢れる



イブは少し待っていました。でも、空の上の男の人の歌声は聴こえて来ませんでした。

イブは、空に手を伸ばして、応えて欲しいとお願いするように続けました。



どこからか聞こえる 囁きが


髪を撫でるように 頬を包むように


命を頂いて 生きている


私の側に来て お姿を見させて



 でも、もうあの人の歌声は聞こえませんでした。でも、私にはイブを空から見つめる人が見えました。


その目はとても優しく、とても包み込みように、イブを見ていました。


「なんで、自分が側に行かないの?」それがとても不思議でした。



 すると私は、意識が遠くなりかけました。


 時間が経ったのか、景色が変わって雪が降る冬でした。イブが見えますが、格好が全く変わっていませんでした。


「寒くないのかな?風邪引かないのかな?」


私はイブが心配になりましたが、イブは全く寒くない様子でした。そして気がついたのですが、イブは一度も水を飲んだり何か食べたりしていませんでした。


「あれ?なんで何も食べないんだろう?」私ならすぐ何か食べたくなるよ!


強い光が空に光りました。

はらはらと蝶のように光が地上に降りていきます。


その光はイブの側に降りていきます。


下にいるイブは光に気がつきました。上を見上げるイブはとても嬉しそうでした。


私みたいな子供でも、わかるよ。

イブはルシファーが好きになったのね。


イブの側にルシファーが降り立つと、ルシファーは一輪の白いバラをイブに渡しました。


それを受け取ると、イブはルシファーにこう言いました。


「いつまでも、私の側にいてくれませんか?」


ルシファーはイブをじっと見つめていました。ルシファーは嬉しそうでした。 


その時でした。


晴れていた空が急に曇り始め、大きな雷が鳴り響きました。


「私は妬む。イブよ。ルシファーよ。」


あの人の声が、悲しそうに響いてきました。


イブが眠るように横になりました。そして、動かなくなりました。 


私はさーっと血の気が引きました。

「息を、、、していないの?」


ルシファーがイブに駆け寄ります。ルシファーは空を見上げ、悲しそうに言いました。


「何故、、、。」


私は物凄く驚きました。何が起こっているのか分かりませんでした。


イブは、死んでいました。

そして死んでいても、とても美しいイブの体が草や花と同化していきました。

ゆっくりと、ゆっくりと、同化していって姿がなくなりました。


「人間はこんなに綺麗な死に方をしないんじゃないかな?腐っていくんじゃないの?」


そう思っていた時に、あの人の声が悲しそうに、苛立つように、話しだします。


「ルシファーよ、お前の羽を奪い、私に似た姿を奪おう。地に落ちるが良い。」


そう声が響くと、いきなりルシファーは一度空高く舞い上がりました。


その後で、空から男の人の大きな叫び声が聞こえました。そして、空から落ちていくルシファーの姿が見えました。



その背中にはもう羽が無く、落ちていく中でルシファーの頭に大きな角が生えていき、肌の色がくすんだ灰色に変わっていきました。細身だった体に、筋肉がどんどん盛り上っていきました。


地面に真っ黒い大きな穴が広がり、その穴の中にルシファーは落ちていきました。




私は飛び起きるように目が覚めました。私は自分の家の自分の部屋にいました。学校にいたと思うんだけど、お母さんがまた迎えに来てくれたのかな。



ぼーっとしていると、誰かが私に話しかけます。



「今の時代の聖書と呼ばれるものにある全ての最初の出来事は、これが真実である。」



私は「聖書に詳しくないから読まないとなぁ。でも日本の神道をこれから勉強しないといけない私が何で聖書?」と思いながら、起き上がりました。


寝起きが重い感じで暗い気分になってしまったので、この話を基子おばあちゃんに電話で話しました。基子おばあちゃんは、橘さんにすぐに伝えてくれると言ってくれました。


 






 


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