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アポカリプス ~ 神道界と魔法界の戦い ~  作者: 千代田 昌子
第1章 小学校編
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家族会議


 私は水織咲子みずおりさきこ。利津子の母親です。とても丁寧に自宅まで送って頂いて、泉八家から家に戻ったら、私はとても疲れが出てしまいました。りっちゃんは自分の部屋に行こうとしたけれど、私は目の届く所にいて欲しいから、


「着替えたら、すぐこっちに来なさい。お姉ちゃんにもこっちにいるように言ってね。」と言い、お父さんが帰って来るまで落ち着かない感じがして、出来るだけ皆んな側にいる事を、お願いしました。


 さっき、奈美ちゃんの家で起こった出来事が、よく分からない事ばかりでした。  


 あのスーツを着た人達は私学の関係者にしては、あまりにも物々しくて、車やあの鏡の扱い方や、余りにも丁寧過ぎる対応は、よくテレビで見る皇族の人にするようなものばかりで、りっちゃんの為に、あそこまで丁寧に扱われると、気味が悪くなってきてしまいます。


「お母さん、奈美叔母ちゃんの家ではどうだったの?」とお姉ちゃんが聞くので、 


「りっちゃんを遼習院大学の中等部に推薦したいんだって。家族と離れるのが嫌なら、家族皆んな東京に来て良いんだって。家も、お父さんの仕事も、手配するそうよ。」


お姉ちゃんは、「え!転校するの?私の学校はどうするの?私は転校したく無い!」と戸惑っています。


 お姉ちゃんの美知子は、中学2年生で、地元のバスケットで有名な進学校に行きたいと、勉強を頑張り始めたばかりでした。 

 お友達も多いし、バスケットでも2年生でスタメンで、りっちゃんとは違って活発でお友達が集まって来るような子だから、いきなり知らない東京に転校なんて考えられないわね。


 お父さんが帰って来たわ。話をしないと。でも、帰って来て早々に、 


「なんだかさ、東京の都庁の建築計画の部署から、お声が掛かって来たらしくて。でも、断ったよ。都会暮らしなんて、今更するつもりも無いし、知り合いも居ないしね。でも、利津子の推薦の話があった後だから、なんだかタイミング合い過ぎじゃないか?なあ、お母さん。」


 そう言われて、もうあの人達は動き始めている事に愕然としました。あまりにもタイミングが合い過ぎです。


「お父さん、りっちゃんの推薦の事で今日話を聞いて来て、断ったんだけど、何とか推薦したいって言うのよ。家族皆んな東京に来れるようにするって言うの。家も準備するとかって。お父さんも公務員なら、都庁や区役所に転勤の手配をするって。でも、もう話が来るなんて、びっくりだわ。」


お父さんは、ギョッとして、

「ええっ?!今日の話はその流れから来てるってことか。なんでりっちゃんに、そうこだわるんだ?」


 私は鏡を触った時の衝撃の事と、神事に関係した橘流陰陽道古神道たちばなりゅういんようどうこしんどうの事について聞いた事と、神事かみごとをする人が足りなくて、割と国家レベルで重要な事らしい事だと、話された事をお父さんに伝えました。


「ご飯、準備するわね。」そう言って夕食の準備を始めると、お父さんは、台所に来て配膳を手伝ってくれながら私に話します。


「上司に言われたよ。自分から希望したりしない限り、地方から都庁に転勤は基本的に無いらしい。社宅は公務員社宅以外で準備されているようだから、特別待遇だとね。何か特別な家柄かと聞かれたよ。そんな事全く無いと答えたよ。」


「子供達は何て?お姉ちゃんは?りっちゃんは?」


「美知子は転校は嫌だって。りっちゃんは神道を勉強したいって。でも東京に行くと思って無かったそうよ。私は、親戚も昔からのお友達もいる地元から離れるなんて考えられないわね。お父さんは?」


「知らない人ばかりの東京に、この歳で行くのはキツよ。大学から行くんなら大学の友達や先輩やらの知り合いがいて、何も違和感ないんだろうけど、全部地元だからな。」


 話に夢中でしたが、気が付いたらりっちゃんは、私やお父さんの会話を側でずっと聞いていました。


「りっちゃん、今日話を聞いて、どう思った?」とお父さんはりっちゃんに聞きました。


「私、行く。一人で寂しくなったら、すぐ会いに来て。」とあっさり答えたのには驚きました。


「りっちゃん、どうしてそう決めたんだい?」お父さんは尋ねました。  


「私ね、富士山で見た女の人みたいに、今や昔に辛い思いや怖い思いをして死んでいった人達の心を慰める人になりたいの。神様と話もしたい。私にしか出来ないんなら私は勉強する。出来る人が凄く減っているって言ってたし。私、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも、叔父さんや叔母さんも、お友達も皆んな元気だし、悪い事、何も無いから大丈夫だよ。」


 お父さんは鼻を赤くして、居た堪れない表情をしてりっちゃんの頭を撫でました。


「まだ12歳。それなのに、家族以外に、会った事の無い昔の人の事まで気遣うのか。よく、そんな優しい子に育ったな。」


 お姉ちゃんが、「りっちゃん、一人で大丈夫?」と心配そうに言います。


「大丈夫。お姉ちゃん、私が一人で東京行って大丈夫?」とりっちゃんが聞くと、お姉ちゃんが、 


「私がお父さんとお父さんの側で親孝行しとくよ。」と、家事を手伝った事の無い美知子が言いました。


お父さんは、「一度、校長先生に会って話を聞こうか。」そう言って、奈美ちゃんに伝えるように、私にお願いしました。


 私は、奈美ちゃんに連絡をして、週末にまた奈美ちゃんの家に集まる事になりました。

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