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アポカリプス ~ 神道界と魔法界の戦い ~  作者: 千代田 昌子
第1章 小学校編
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大きな横向きのお坊様

私は水織利津子みずおりりつこ


私は、お父さん、お母さん、お姉ちゃんの四人家族。九州の大分に住んでいるの。


 お姉ちゃんが思い出話をする時に、最初に話す話題は、いつもこの話題だ。


「りっちゃん、りっちゃんは本当に不思議なこと言う子だったよね。だってさ、デパートの5階の窓の外を見て、あそこから男の人が見てるよ。ってずっと言ってたんだよね。」


 私はこの時の事を覚えていない。


 不思議な体験や不思議な声を聞いた時に、そのことをすぐお姉ちゃんやお母さんに話すのだけど、数日経つと私は忘れていることが多かった。

 

 私が最初に不思議な体験をしたのは、小学校1年生の時だった。


私は小さいとき、一週間に2回は熱を出していた。クリスマスの時期に、御呼ばれで家族でくるみ割り人形のバレエの舞台を見に行く事になっていたのに、私が熱を出してしまって、私だけお留守番になった時だ。


 もともと私は一週間に一度熱を出すほどで、熱が出るたびにお母さんは、「また熱が出たわ。」と言って、ガックリとうなだれていた。


 皆が出かけてしまって少し時間が経つと、だんだん体がだるくなり、呼吸が少し荒くなってきた。熱が出てきたみたいだ。


「早くお母さん帰ってこないかな。」と思って少し不安になっていると、部屋の入口にお坊様のような袈裟を着た男の人の顔が見えた。


 肩から上が入り口のドアいっぱいの大きさで見えていて、伏目がちの目で横を向いて静かに祈っているような姿だった。


 その姿を見て私は怖くはなかった。ただ、どうしてあんなに大きいんだろうと思っていた。私は何度かうとうとと寝てしまったけれど、少し眠った後に目を開いても、その人はいた。


 でも、お父さんとお母さんとお姉ちゃんが帰ってくる音がすると、見えなくなったのだ。


 帰って来るなりお母さんは私のおでこに手を当てて、「吐かなかった?」と聞いた。私は熱が出るたびに吐いていたからだ。私は首を振った。


 お母さんは、「今日はいつもみたいに熱が高くないわ。よかった。」そう言ってほっとしていたのをよく覚えている。


 私はふと、そのお坊様が私のために祈ってくれていたのかなと思った。


 今思えば、幽霊だったのだろうか。よくわからない。でも私にとっては、幽霊は怖くない。そして、幽霊は薄い半透明ではない。私に見える幽霊は、生きた人間と同じように見えるからだ。


 テレビなどによく出ている霊能者といわれる人の様子をテレビを通して見ることが多いけれど、彼らの事を自分と同じだと思ったことは、殆ど全くと言って良い程無かった。




小さな時のお話でした。

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