番外編・プラ板で作るアクリルキーホルダー/製作記
・簡単な注意書き
※この番外編の扱いは活動報告・あとがきに準じます。作中のキャラクターのイラストを使ったアイテムを製作していますが、作中のキャラクターは出てきません。
※写真を使用しているため、縦書きPDFなど、イラストに対応していない読み方を想定していません。
※その場合、なんか話の流れからしてここにそういう写真があるんだな、ぐらいの感覚でお読み下さい。
※今回はとても平和だし狂気もないです。
はいこんにちは、水木あおいです。製作記モードでお送りします。
今日はごく普通に、プラ板でアクリルキーホルダーを作ります。
特におかしなことはない……割とよく見るやつです。
予算は100円です。
当製作記の伝統として、「そのために買った物の値段」を計上しているため……プラ板工作用のプラ板を1つ100均で購入して、それだけです。
マジックやペンなどはたくさん使っていますが、元からあったもので、消耗品と言えど使い潰すような塗り方でもないので、今回は計上なし。
低予算は低予算なのですが……プラ板工作って普通そういうものなので、頭おかしい系の低予算ではないですね。
イラストを描いて、それを印刷して、プラ板に主線をトレスして、色を塗って、トースターで焼いて縮めるという流れです。
技法から素材まで、ことごとく普通すぎて不安になる。
多分、普段の行いのせい。
・何を作りたいのかを決める
何をどんな風に作りたいのか?
……を考えておくのは大事な作業。
プラ板で無理なく作れるものは、アクリルキーホルダーとアクリルスタンドの2種と考えていいでしょう。
だいたい持ち運べる金具が付いていたらキーホルダーで、自立すればスタンドです。
迷うのですが、ちびキャラ(ミニキャラ)にしたいので、よりコンパクトで似合いそうなアクリルキーホルダーに。
ちなみにアクリルチャーム、アクリルフィギュアという言い方もあります。
今回は「なるべく低予算で」、「プラ板工作をして」、「自分の小説ゆかりのアクリルキーホルダーを作りたい」と、割と明確かつ、ごく普通ですね。
計画や作業もスムーズに進みそう。
以下、略してアクキーと呼ぶことにします。
・イラスト
まずはイラストを描きます。
今回はちびキャラにしました。
もちろん何を描くかは自由なのですが……。
……線の多いイラストはやめた方がいいと思います。
細かすぎても潰れるし、そういう意味ではちびキャラは都合がいいですね。
そういう「この路線だと死ねるな」というのを事前に察知できるようになっています。とても成長が見られます。
常に回避するとは言ってない。(今日は回避しました)
画像全体のサイズはA4です。
頑張って描きます。
プラ板にどういう風に切り抜くかは自由ですが、縮む際に綺麗に縮むとは限らないので、線で大きく囲って切り抜くといいでしょう。……地獄を見たくなければ。
私も見たくないので、今回は常識的に事を進めます。本当です。
満足いくまで可愛く描けたら、線絵のみにします。
ちょっと拡大したり、いい感じに切り抜けるようにしたり。
大事なのは、「反転させる」こと。
裏面に線を描いて色を塗るので、表面から見て正しい向きになるようにしたいからです。
線絵は表に描いて、色だけを裏に塗るパターンもあり、そちらは反転なし。
このへんは好みですね。
ちなみに、この下絵は最初から線絵のみでも構いません。
ですが「どれぐらい色を抑えるか」を考えるために、まず塗ってみるのは視覚的に分かりやすくする大事な作業です。
単純に趣味という説もある。
順番が前後しますが、黒が濃くて、黒いマジックでトレスする時に大変だったので、30%ぐらいに濃度を落としてデータを作り直しました。
……もう少し濃くてもいいかも?
また、髪のハイライトも参考用に、色を黒っぽくして表示しています。
その後、A4のコピー用紙に印刷します。
紙に印刷すると自分の絵が下手に見えると言う人と、上手く見えると言う人がいるのですが、私はなんか上手く見える……。
なんと言うか、普通に可愛い。
……そう言えば、普通のキャラのイラストを印刷したことがない……。(基本的に、クラフトのために単色でなるべく線を減らした設計図ばかり印刷している)
いつかそういうイラストも印刷してみたいと思いつつ、とりあえずチェック。
……印刷するとアラが見える部分もある。反転なのでさらに少し気になる。
データを手直しして再印刷してもいいのですが……キリがないので。
仮にデータが完璧でも、この後はフリーハンドですもの。
・プラ板を準備する
ごく普通の、プラ板工作用のプラ板。"純正品"ですね。
……いずれ何かに使おうと思っている、純正品ではないプラ板がそこそこある。
でもそれは商品のパッケージとかそういう……熱収縮を前提にしていないものなので……。
厚紙やダンボール、緩衝材にかまぼこ板など、そういったストック品が低予算路線を支えていますが、増える一方なので、時々、処分しています。
ところでこのプラ板、サイズが「B4」なんですよね。
………………。
…………。
……。
ん?
印刷したのはA4だけど?
そっかー。
このプラ板も「ストック品」の一種だからなー。(遠い目)
実は、いろんなプロジェクトが水面下では動いているのですが。
時々、素材の購入まで至ったのに何かしらの事情で廃棄された計画もある。
計画自体は闇に葬られるのですが、素材は当然ストック品に回される。(使われて初めてクラフト予算に計上される)
なお、いつどんな風にこのプラ板を使おうとしたのかについて、記憶がない……。
素材まで買ったのに……? 頭大丈夫……?
多分、闇に葬りすぎ。
まあ、大きい分にはいいか……。
ポジティブに考えると、「失敗するための余裕」が生まれたと考えましょう。
むしろ心おきなく失敗するべき。
全てのプロジェクトは、何かしらの知見を得るために存在し、失敗は情報を得るための一手段です。
なお、プロジェクトの実行は成否に関わらず予算を削っていくので、失敗できる回数に限界はある……。
・下処理
とりあえず太い油性マーカーでざっくり外側のラインを描きます。
なぞるのではなく、少し外に描きます。
これは、後で切り抜く時にマーカーの跡を残さないためです。
元データから調整しておくのもいいでしょう。
その後、紙やすりでやすりがけをします。
今回は2000番。
より番手の低い荒いものでも構いませんが、細かい方が透明度が落ちすぎなくていいと思います。
軽く水で洗ったり、水を含ませたティッシュで拭っておくとベター。
ついでに、はしっこで、ペンのテストなどもしておくといいですね。
色鉛筆や水性ペンなどを使わない場合、この工程は省略できます。
また「フロストタイプ」という半不透明の、あらかじめ表面がざらざらしたプラ板でも、同様にこの工程は省略できます。
・主線を描く
使用した画材ですが、今回は油性マーカー。
名前ペン的なやつですね。
外側のラインを描くものより、細めのペンを使用します。
マスキングテープで固定して作業するのがよいでしょう。
だいたいこんな感じ。
普段はデジタルイラストメインで、さらにアナログの中でも使い慣れない画材ということで、すごく肩が疲れた……。
技術的にはトレスなので、普段から、ラフを描いた後にそれをトレスして主線を清書する……という流れでイラストを仕上げているので、むしろアナログメインの人より慣れているところはあるかもしれません。
インク切れかけなのか、かすれがちで、それもしんどかった……。
・色を塗る
油性マーカーが揃っていれば、やりやすいですね。
色鉛筆や水性ペンまで、使える画材は実は割と幅広い。
デジタルと同じく気を遣う部分は「レイヤー構造」。
線絵を先に描いて、他は塗り分けの方が大事ですが、目などは先にハイライトを白で置いたりします。
アナログ特有のものとしては「塗料の乾燥時間」。
離れた部分を塗って乾燥時間を確保したり、重ね塗りで濃度を出す際も同じく間を空けたりします。
実地で試しつつ、基本は勘で塗って行く。
……実戦テストとも言います。
色々言いたいこともあるが、とりあえずこれでいいことにする。
外側のラインを切り抜いて、穴開けパンチで穴を開ければ準備完了です。
・トースターに入れる
加熱手段は、トースターがいいでしょう。
タイマーつまみがアナログで、異常があった時、即座に手動で停止させて開けるものを推奨します。
私が使っているのは、年代物のために食品用を退き、正式に工作用になったトースターです。
トーストからホイル焼きまで、幅広く活躍した品。まだ動作には問題ない。
金網の上に金属パット的なものを置いて、その上にクッキングシートを敷きます。
「クッキングシート」です。
何かを作る際に、事前調査は大事です。
自分で1から試してみたい気持ちも……あるにはあるんですが、予算の関係もあり、先行研究があるなら参照するのは悪いことではない。
手順をなぞって確かめることもあり、違う実験をすることもあり。
私が調べた全てのプラ板キーホルダー製作の手順に共通する項目。
そこでは「くしゃくしゃにしたアルミホイル」を敷く、とあります。
私がプラ板キーホルダー的なものを作ったのは……かなり昔で。
失敗したこともあって。
一部は「そもそも形状が複雑」「使ったプラ板の品質が悪い」などもあったと思います。
ただ、今ではその原因の一つとして、「くしゃくしゃにしたアルミホイル」を疑っています。
くっつかないために、とは言うのですが。
……それクッキングシートでよくない……?
グルーを使う時、アルミホイルだとくっつきますが、クッキングシートにはくっつきません。
くしゃくしゃにしたアルミホイルで対照実験はやっていないので、真実は闇の中ですが、うちは今後もクッキングシートを使うと思います。
・加熱
ここから写真がない。
一度、撮ってはみたのですが、手袋をしてカメラが操作しにくい上に、タイミングがシビアで、そこまでやっても扉があるし中は暗いしで、上手く映らなかったので……。
使うプラ板にもよると思いますが、ぐにゃぐにゃして反るのにうろたえず、ある程度元の形に戻るまで待つのがよいでしょう。慌ててはいけません。
なおここでゆっくりしすぎると、煙が出たり溶けたりします。クッキングシートも万能ではない。
取り出したら、別のクッキングシートに挟んで圧力を掛けつつ冷やします。
クッキングシートだけだと心許ないので、ノートを使っています。
……重い本などを推奨されることが多いのですが、理屈がよく分からない。
本は意外と平らではないので……。
押し花などは放置しておくので重さが必要なのは分かりますが、どちらかと言えば瞬間的な動作が必要で、重い本は取り回しが悪いため、私は推奨できません。
きっちり水平が取れていて熱に強い金属板が、2つあればベスト。
でも、うちにそんなものはない……。
・完成
だいぶ小さくなりました。
悪くはない……ちょっと色合いが怪しかったりもしますが。
さて、これで完成ですね。
プロトタイプが。
……試作一号機ですよ。
全ての手順を実戦と同じように作られた試作機、そのプロトタイプです。
基本的にはかなり贅沢なので、普段は簡易テスト……か、最悪シミュレーション(※脳内)ですませます。
もちろん出来が良ければそのまま正式に一号機になるのですが。
……この機会に、現物がないと出来ない破損の可能性がある実験をしたいですし。
「今度のおもちゃは早々に壊れないといいがな」と言うと、虎とかはべらせてそうな、"おもしれー男"枠のどこぞの皇帝だか皇太子だかそういう感じですね。
「それでは耐久試験を始めよう。試験へのご協力感謝するよ」と言いつつ、当然同意を取ってないとマッドサイエンティストっぽい。
どちらに近いかと言えば、マッドサイエンティストの方なのは間違いないです。
・コーティングテスト
そういうわけで、とりあえず製作の手順を試しつつ完成した試作機があります。
この試作機を完成品にするために必要なのは「裏面のコーティング」。
塗膜を保護してやる必要がある。
実験項目は以下。
1、クリアトップコート1つめ(失敗)
2、爪でひっかいて塗膜の耐久力を確かめる
3、クリアトップコート2つめ(失敗)
4、水性ニス(条件付き成功)
5、透明テープ(成功)
1つめで成功していれば、そのまま正式採用されたのですが……。
失敗したので、成功するまでテストされました。
水性ニスは鮮やかになり、塗膜保護の役割も果たしていたので、可能性は感じましたね。ただ、水分に反応したのか滲みが出ました。
味とも言えるため、許容範囲内だったのですが……広範囲に塗った場合や、違うペンを使った場合がテストしきれないために、最終テストのテープに踏み切りました。
透明テープは面白みはありませんが、低予算で堅実な選択肢です。
なおやってみたかったテスト項目はこちら。
実行されなかったのでテストナンバーは一律0です。
0、スプレータイプのトップコート
0、滲みが少ないという触れ込みの水性ニス
0、レジン(エポキシ・光硬化の2種)
0.白いテープ
0.白い紙をなんらかの接着剤で
0.スプレータイプの白い塗料
0.白い布(フェルトなど)
今回は予算や、他の応用性、透明度を生かしてみたい……などの理由でテストしませんでした。
ただ、背景に白い紙を敷いた時、色合いが安定するので、透明度は諦めて白い紙やテープを貼るのはオススメですね。
ただ、透明度を諦めるならどんどんプラ板工作の優位性は薄れていくので……そのあたりのさじ加減は難しい。
……最後に、「破損の可能性がある」テストではなく「意図的に破壊して耐久力の限界を知る」ためのテストをやろうかと思ったのですが、さすがにしのびなかった。
プラ板で作られたアクキーの耐久限界は……興味はありますが、知ることにあまり意味はない知識だと思うんですよね……。
形状がまちまちな上に、測定方法が難しいですし……。
・正式採用、レティシア
手順が完成したので、次はレティシアで。
レティシアのポーズのイメージは明るく元気な感じです。
試作一号機を経て少し線絵が上手くなったかもしれない。
……でも多分、別のペンを探してきて、そちらはかすれなくなった方が大きい。
色ごとに使うペンが違うので、結局は毎回実戦テストです。
それでも共通カラーがあり、同じシリーズのペンの癖などが分かっていると、かなり楽ですね。
加熱します。
完成です。少し縦に長い。
反射を避けるため写真に角度が付いているので、定規があるのにサイズが分かりにくいのですが、だいたい5cmぐらいですね。
縮小前は12cmぐらいありました。
・"仕立屋"
お次は"仕立屋"。
ちなみに順番は作成順ですが、プラ板にいい感じに当てはめてカットできるキャラから選ばれています。
なお試作機がアーデルハイドだったのは、主人公なので一番書き慣れていると思ったからです。
"仕立屋"は、服飾が絡まない時は、おどおどして猫背で特に意味もなく手を胸の前に持ってきたりしがちなイメージなので、ポーズもだいたいそんな感じです。
髪に黒系と緑系を混ぜたりしています。
顔の陰を、薄い紫で入れたり。
トースターに入れる前に写真を撮るのを忘れたので、写真がありません。
完成です。
少し縦に長い気もしますが、元々ひょろっとした高身長なのであまり目立たない。
・シエルさん
三番目は、なぜかさん付けをしたくなるシエルさん。
少しずつ線絵が上手くなっている気がしなくもない。
大人っぽい表現として、こころもち顔が小さめです。
ポーズはアーデルハイドの両手を包み込んだ挿絵イラストのイメージ。
手持ちに1つしかない白のマーカーが広範囲を塗るのにかなり向いてなかったので、白の面積が多いシエルさんは辛かった……。
さらに線絵が黒マーカーな関係で、黒いメイド服に黒髪のシエルさんは、唯一、筆ペンでメイド服を塗ったりして、黒を差別化しています。
加熱します。
タイミングが分かって……きた気がしつつ、少し余裕を持たせたらクッキングシートにくっつきそうで焦る。
早すぎると縮みきっておらず、反りもあるので論外なのですが、遅すぎても問題がある……。
無事に完成。
・ソニア
ソニアが入るとカラーバリエーションに幅が出るのが嬉しい。
ポーズは初登場時の挿絵イメージで。(配置の関係で手は逆)
白が多くて大変なのはシエルさんと同じ。
茶髪に紫ローブと、違う色を塗るのは楽しい。
一番特徴的なのは眼鏡で、これは銀色のペンで線絵より先に描いています。
ただ、隠蔽力は高いのですが、塗膜が思ったより弱め? で、肌を塗った時に少し取れてしまい、後で加筆したり。
八重歯は、挿絵イラストでは白で歯を描いていますが、ちびキャラ時は口と同じになったりしています。線数と色数を減らす細かな工夫は大事。
加熱します。
完成です。
クッキングシートを一度交換したせいか、表面が一番なめらか。
でも、完成直後の写真は、なぜかテープカット前のものしかない……。
デザインナイフで余白をカットします。
・アーデルハイド
再びアーデルハイド。
ポーズのイメージは「拳を使ってでも妹を守る」です。
……一人だけ路線違わない?
主に髪のボリュームとラインがもたらす作画コストの高さは主人公らしいと言うべきか、主人公にあるまじきと言うべきか……。
ちびキャラ化に当たって、だいぶ線は減らしている……のですが、サイドの髪の重なりとか大変……この手がかかるめんどくささは実にアデルお姉ちゃんらしい。
試作機含め6枚目ともなると、だいぶ線が安定してきた気もする。
実は一番、髪色が大変だった……。
「銀髪」ってアナログで表現するのが難しいのです。
一応「青みがかった銀髪」なので、水色と青で。
また、ジャケット&スカートに丁度いい色がなくて、青や紫を重ねています。
ソニアの眼鏡と同じく、胸元の懐中時計チェーンも先に銀を置いています。
紋章は黒でヤモリさんを塗り残して……いるのですが、この細かさなのであまり分かりません。
逆に失敗しているのも分からないのはありがたい。
加熱します。
プラ板の残量的に後……2回は失敗できる。
――というのを、心の支えにしながら作業します。
完成しました。
左が完成品、右が試作1号機です。
……なんかこう……横に長い?
なぜだ、と思ったら……プラ板の形に合わせて切り取っていたので、プラ板の向きが他と違うのかもしれません。
・キーチェーン
チェーンは色々ありますが、今回は5個揃っているものを選んで。
微妙に違うな……? というものが多かった。
ちなみにアクリルスタンド(アクリルフィギュア)にすると、チェーンは要らないのですが、いい感じのスタンドが必要になります。
・完成
5人全員揃ったので、とりあえず元イラストっぽい配置で並べて見る。
楽しい。
何かが楽しい。
これは……長らく諦めてきたコンプリート欲……?
キーチェーン(留め具)ありで。
これも楽しい。
余談ですが、横並べすると余白が大きい……。
そして、キーチェーンありだと、微妙に傾いて写真の難易度が上がる……。
・振り返り
反省会とも言います。
今回は手描きしたかったのと、プラ板の透明感を生かしたかった。
……のですが、結局やすりがけが必要な画材を使ったので、透明感には課題が残ります。
また、配色と、加熱・縮小による発色も、思ったよりひどくはなりませんでしたが、それでもベストとは言い難かった。
また、透明感を出したために、「丁度よく見える角度」がシビア。
太陽光の下で撮影すると、影が落ちて逆に暗く見える。
なので、頑張って写真を撮っているのですが、現物の方が可愛い気がする……。
ちなみに前回の製作記である「レティシアの懐中時計」は写真の方が格好いい気がする例です。
あれは野外ロケのせいもありますが。
次回は印刷などを視野に入れるか、より手描きであることを生かした何かを作りたいところですね。
ああ、でも、たくさんデータを取れたのは楽しかった……。
素材を試し、技法を試し、手に感覚を刻み込み、道具の格付けを実戦実証済み……あるいは不適格へと変えていく。
その繰り返しで蓄積されたデータ――経験――への信頼を基に、次に何を作ろうか考えている瞬間こそが、クラフトの醍醐味です。
私が次に何を作りたくなるかは、分からないけれど。
これを読んでいるあなたが、それがなんであれ、自分の手で何かをつくることに興味を持ってくれれば、ちょっと嬉しいですね。
後、作る側に回った場合、できれば開発過程や実験データや研究日誌を一部でも公開してくれると、もっと嬉しいです。
次回から3章となります。