92.side ダイアナ
婚約…。
リアム様は間違いなくそう言った。
そんな日が来るなんて…。
気持ちが通じただけでも幸せだったのに、まさか婚約なんて…。
でも…婚約は、難しいかもしれない。
貴族の婚約は家同士の繋がりが重要で個人の感情で簡単に結べるものでは無い。
特に私は孤児院育ちだから……。
リアム様に両親に逢って欲しいと言われた時は心臓が止まりそうになった。
断られる…。
私はリアム様に相応しくないと言われるのは分かってる。
「ダイアナ…?」
リアム様の胸にすり寄ると力強く抱き締められた。
リアム様の側に居られるのが今だけなら、いっぱい甘えよう。
一生分、甘えてしまえば寂しくない。
「なぜ泣いている?」
泣いてる?
気付かぬうちに涙が零れていた。
「俺の事が嫌になったのか?」
リアム様の眉が少しだけ下がる。
どうしよう上手く言葉にできない。
「お前の事は俺が一生守る。だから側に居て欲しい」
リアム様の真っ直ぐな瞳に何も言えなくなる。
黙って頷くとリアム様の腕に力が入った。
「ダイアナは俺の腕の中で笑っていてくれたらそれで良い」
その後、リアム様のご両親とお逢いしたら…。
リアム様のお母様に号泣されて「息子の嫁はダイアナちゃんしか居ない!!」と抱き締められた。
リアム様のお父様は横でウンウンと頷いている。
えっと…歓迎されてるって事で良いのかな?




