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85. side リオネル

まさか対戦相手が殿下になるとは思わなかった。


「さっきのは、わざとだろう?」


「何の事ですか?」


殿下の言いたい事は理解しているが知らない振りをした。


殿下が言いたいのは『騎士の誓い』の真似事をした事だろう。

俺は騎士では無いし正式な『誓い』では無いから何も問題は無い。


ただ自分の婚約者に誓いを立てただけの事。


「クリスとエミリオの前で、わざと騎士の誓いをしただろう?」


二人だけ?

殿下もレティシアの事が好きなくせに…。



「あの二人だけですか?レティシアの事が好きなのは?」


「……」


殿下が曖昧に微笑むと試合が始まった。





勝てない相手では無いけれど厄介なのは変わらない。


「リオネル、お前は勘違いをしているよ」


「試合中にお喋りとは余裕ですね」


さっさと終わらせたいけど殿下は中々、隙を見せない。


「俺はお前から何も奪ったりしない!!」


「………」


同情か?

本当にイヤミな男だ!!


「それなら、もう覚悟は出来ています」


「リオネル…?」


「奪われたら奪い返します。この国に未練は無い」


「!?」


動揺した殿下は僅かに隙を見せた。

すかさず剣を弾くと大きく弧を描いて殿下の剣は飛んで行った。


「リオネル…?」


「勝負は付きました」


「待て、今のはどういう意味だ?」


「言葉通りです。この国に居られなくても彼女が居れば何処でもかまわない」


「それは…脅しているのか?」


そう思われてもかまわない。

殿下がレティシアを望むなら奪い返すだけだ。


「俺はリオネルに嫌われるような事はしないよ」



殿下に一礼をして背を向けるとレティシアが居る特別室に目を向けた。


ここから見ても分かるくらい真っ青な顔をしている。


早く戻って抱き締めてあげたい。

足早に特別室へ戻るとドアを開けた瞬間、レティシアは俺の胸に飛び込んで来た。


可愛い。

抱き締めると微かに震えている。


「リオネル様、ごめんなさい」


ん?

大きな瞳に涙を浮かべて何故か謝る彼女をソファに座らせると部屋に戻る途中に注文しておいたホットミルクが届いた。


冷たくなっている彼女の両手にホットミルクを握らせる。


「熱いから気をつけて」


フーフーしてホットミルクを飲む姿が可愛くて髪を撫でていると…。



「軽い気持ちで、戦うリオネル様を見たいなどと言ってしまってごめんなさい…」


「レティシア…?」


「リオネル様が怪我でもしたらと思うと怖くて怖くて…」


「俺は強いから、そう簡単には傷付けられないよ。それに、強制参加だから大会に出たのはレティシアのせいでは無いよ」


真っ青だった顔に少し赤みが差してきた。




決勝戦のリアムには勝てる気がしない事は、黙っていよう。

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