77. side ダイアナ
初めての夜会は一人で参加した。
まぁ現実なんてそんな物で私に都合良く世界が回らない事はとっくに気付いてる。
ヒロインは私じゃない。
せめてもの救いはリアム様が会場の警備をしていた事。
パートナーを連れているのを見たら私は立ち直れる自信が無い。
壁の花に徹して居ると何人かダンスに誘ってくれたけど初めてのダンスは、やっぱりリアム様が良い。
申し訳無く思いながらお断りを入れているとリオネル様と踊るレティシア様が目に入った。
リオネル様と踊るレティシア様は可愛らしくて可憐で幸せそうに微笑んでいた。
リオネル様と二曲続けて踊ると王太子殿下とも踊り出した。
ダンスが終わりリオネル様に連れられていくレティシア様の後ろ姿を殿下はじっと見つめていた。
やっぱり殿下はレティシア様の事が……。
何となくレティシア様を見ていると…リオネル様と別れて一人になった所を突然、後ろから飲み物をかけられた!!
「え?」
正確には飲み物はレティシア様にはかからなかった。
何か見えない壁のような物が跳ね返し飲み物をかけようとした令嬢にすべてかかった。
慌ててレティシア様の元へ行くとレティシア様は何が何だか分からない様子で困惑しており、そして何故か飲み物をかけた令嬢がレティシア様にかけられたと大騒ぎしていた…。
私一人ではレティシア様を守れないと思っているとレティシア様の双子の姉のアレクシア様が現れた。
アレクシア様は、にっこり微笑んでいるのに迫力が凄くて『さすが悪役令嬢』としか言いようが無かった。
騒ぎに気付いた王太子殿下がリアム様を引き連れてやって来て…。
状況を見るとアレクシア様が加害者の様に見えてしまうのですぐにリアム様に見た事を説明した。
一緒に聞いていた殿下はすぐにリアム様に令嬢を出口へ案内するように指示し、夜会は元通りに……。
レティシア様にお礼を言われていると、詳しい話を聞きたいからとリアム様に別室に案内された。
リアム様が報告書のような物を書いているのを大人しく見つめていると顔を上げたリアム様と視線が重なった。
「ダイアナは踊らなくて良いのか?」
「踊る相手が居ませんので……」
「誘いを断っているように見えたが?」
「…ダンスが苦手なので、知らない人とは踊りたく無いのです…」
とっさに嘘をついた。
本当はダンスは苦手じゃない。
最初のダンスはリアム様と踊りたくて断り続けた。
いつまでも断れないのは分かってるけど今日だけはリアム様と踊る自分を想像して居たかった。
「知っている人間となら踊れるだろう?」
リアム様は私の手を引いて部屋を出た。
誤字報告ありがとうございました




