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「先輩、本当に魔法科の生徒ですの?」


アレクシアは、にっこり微笑みながらとんでもない事を聞く。


「魔法科の生徒の間には暗黙の了解がございますのよ?『レティシア・ランベールには手を出すな』って…一部の魔力が少ないギリギリ魔法科の方々はご存知ないかもしれませんが…」


周囲で様子を窺っていた魔法科の生徒と思われる方々が一斉に頷き出した。


何?何なの?


「そういう方々は妹の悪い噂も信じてたりなさるから困っておりますのよ?」


「噂?本当の事でしょう!!あの女がカリーナ様を退学に追い込んだんだからっっ!!」


「妹がカリーナ様に何をしたのでしょう?強いて言えばリオネル様と婚約した事でしょうか?本人同士の意思で婚約した訳では無いことくらいご存知でしょう?」


睨み付ける令嬢に対してアレクシアは微笑みを浮かべているけど…怖い。


「カリーナ様とリオネル様の仲を引き裂いた癖に偉そうにっっ!!」


「妹がいつも身に着けているペンダントを見ても何も気付きませんの?いくつもの魔法が付与されておりますのよ。そんな凄いことができる人物なんて一人しか居ませんでしょう?」


「!?」


「妹への悪意はすべて跳ね返りますわ。妹へ悪意を向けてジュースを被るだけですんで良かったですわね」


にっこり微笑むアレクシアに対して、さっきまで睨み付けていた令嬢は青ざめていた。


「カリーナ様は何故、退学なさったのでしょうね?」




「ねぇ何の騒ぎなの?」



王太子殿下がクリス様と騎士服の生徒を連れてやって来た。


アレクシアは優雅にお辞儀をするけど、令嬢は青い顔をして呆然としているだけで動かない。


アレクシアが悪者みたいに映っているかもしれない…。


アレクシアを怪訝な目で見ていた騎士服の生徒にダイアナ様が近付き成り行きを説明する。



一緒に説明を聞いていた殿下はクスリと笑うと騎士服の生徒に令嬢を出口に案内するように告げると私の方を向いた。


「災難だったね」


「リオネル様と姉が守ってくれたので……」


殿下はリオネル様を見ると微笑んで去っていった。




「アレクシア、庇ってくれてありがとう」


アレクシアはプイッと横を向くと「姉として当然の事をしたまでですわ」と頬を赤くした。


「アレクシアが守ってくれて嬉しかったよ」


耳まで真っ赤になったアレクシアをロラン様が連れ去って行った。



「レティシア様、大丈夫でしたか?」


「ダイアナ様、証言して頂きありがとうございました」


「私は、たまたま見ていただけですので…レティシア様にかけた飲み物が跳ね返ったのは防御魔法でしたのね…」


「そうみたいですわね…」


実は私もよく分からない。

でもアレクシアが言っていたから間違いは無いと思う。


「ダイアナ、少し話を聞いても良いかな?」


先程の騎士服の生徒が戻ってきた。

この人は、もしかして…?


ダイアナ様は耳元でこっそり「リアム様です。攻略は難航しております」と寂しそうに言うとリアム様に付いて行った。

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