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表向きカリーナ様は病気の為に自主退学し領地で療養している事になった。
カリーナ様の実家からは莫大な慰謝料を提示され断ろうかと思ったけどリオネル様から謝罪の意味もあるのだから受け取らないといけないと言われた。
「これで全部、終わったんですね…」
「カリーナ嬢とは二度と逢うことは無いから安心して良いよ」
名前を聞いて条件反射で身体が震える。
最後に見たカリーナ様の姿も私へ向けられる憎悪も強烈すぎて頭から離れない。
自分でカリーナ様を見届けると言ったのに情けない。
リオネル様は震える私の身体を抱き締めて優しく包み込んでくれた。
「次の休みは街に出掛けようか?」
「私、街へ行くの初めてです」
嬉しくて顔を上げると「やっと笑ったね」と頬を撫でられた。
リオネル様に心配をかけてしまって申し訳なく思っていると「好きだから心配になるんだよ」と微笑んでくれた。
街へ遊びに行く日はリオネル様から事前に贈られていたシンプルなワンピースに身を包みエマが薄くメイクをしてくれて髪もサイドでゆるく三つ編みをするだけの質素なスタイルに仕上げた。
迎えに来てくれたリオネル様もシンプルな装いで、でも凄くカッコ良かった。
「リオネル様は何を着てもカッコイイですね」
「そ、そんな事を言うのは君だけだよ」
珍しく頬を赤くするリオネル様にエスコートされて馬車に乗ると街に着くまでの間に沢山の注意事項を聞かされた。
それ小さな子供に言うなら分かるけどって思うような事まで……。
それだけ今の私は世間知らずなのだと思う。
街から少し離れた場所で馬車から降りるとリオネル様と手を繋いだ。
「絶対に手を離したらいけないよ?」
リオネル様は少し心配性な気がする。
でもすれ違う女の子達が皆リオネル様を見て振り返るので繋いでいない左手もリオネル様の腕に絡めて歩いた。
リオネル様は私がはぐれないように必死だと思ってるみたいだけど『私の彼氏』アピールです。
街に着いてすぐにリオネル様が帽子を買ってくれた。
「少し陽射しが強いからね」
リオネル様が買ってくれた帽子が可愛くて鏡の前で何回もくるくる回っていると店員さんや他のお客さんの視線を感じて急に恥ずかしくなってしまった。
はしゃぎすぎたかな?
お店の外に出るまで視線を浴びていてリオネル様は可笑しそうに笑っていた。
「レティシアが可愛いからみんな見てたんだよ。妬けてしまいそうだよ」
リオネル様はすぐに私をからかう。
リオネル様をジロっと睨み付けたけど笑顔でかわされてしまった。
誤字報告ありがとうございました。




