表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/254

52

思わず黙りこんでしまう。


「レティシア様?」


「私が話を変えてしまったのかしら?」


変な汗が出てくる。


「ただのモブなのに私のせいで…」


「レティシア様のせいなどではありません!!それぞれに感情はあるのですから思い通りに話が進むなんて事は無いのです」


ダイアナ様が冷たくなった私の手をそっと握りしめる。


「冷えてしまいましたね。教室へ戻りましょう」


ダイアナ様の優しい微笑みに心が軽くなる気がした。


それからの授業もあまり頭に入ってこなかった…。

記憶を思い出したのは8歳でアレクシアがリオネル様と婚約した頃だった。

思えばあの頃には、もう話が変わっていた。

本当ならレティシアとリオネル様の婚約は学園に入学してからでアレクシアが王太子殿下に恋をしてから…。

でも実際のアレクシアはロラン様に恋をした。

それは私が記憶を思い出したからなのかもしれない。

そして記憶を思い出した私が好き勝手に引っ掻き回した結果、話が変わってしまった。


「レティシア?」


気がつくと授業は終わりリオネル様が迎えに来てくれていた。

慌てて帰り支度をしているとリオネル様の手が頬を包んだ。


「顔色が良くないけど気分は悪くない?」


「ええ、大丈夫です」


リオネル様の優しさに泣きたくなる。

ゲームの中のリオネル様はレティシアの事をどう思ってたんだろう。

レティシアは姉から婚約者を押し付けられて何とも思わなかったのだろうか…。

モブの気持ちなんて描かれないのだから考えても一緒なのだけど……。


レティシアはリオネル様と無事に結婚できたのかな。ゲームの中のレティシアもリオネル様の事が好きだったら良いな…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ