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あの日以来カリーナ様は学園を休んでいるらしい。

私の体調も良くなったので二日ぶりに登校をした。

いつものようにリオネル様が教室まで送ってくれて「何かあったらすぐに呼ぶんだよ」と私のペンダントに口づけをした。


自分の教室へ戻っていくリオネル様の後ろ姿を見送っているとダイアナ様の姿が見えた。ダイアナ様はリオネル様に会釈をするとすぐに私の元へ来て「もう大丈夫なのですか?」と心配そうに瞳を揺らめかせた。


「ダイアナ様にも心配をおかけしてしまい申し訳ありません」


「あの、あの時の方は『悪役令嬢カリーナ』ですよね?」


小さく頷くとダイアナ様は「やっぱり」と呟いた。


「カリーナが登場するのはクリスルートですよね?」


一度、お互いの情報を整理した方が良さそうなのでお昼休みに詳しく話す約束をダイアナ様とした。



今日のお昼は御一緒できないと伝えるためにリオネル様の教室へ向かう途中で上級生に声をかけられた。

5人の令嬢に囲まれているけど誰一人として見覚えが無い。

困惑していると一人が口を開いた。


「貴女、リオネル様に付きまとっていると聞いたのだけど本当かしら?」


付きまとうも何も婚約しているのだから一緒に居て何も問題は無い。

反論しようとすると、また別の令嬢が口を開いた。


「カリーナ様が、お休みされているのも貴女とリオネル様の事に心を痛めての事なのでしょう?」


令嬢達は私がリオネル様とカリーナ様の仲を引き裂いたと言い私が入学するまで二人がどれほど仲が良かったのかを口々に言い出した…。

私に反論する隙を与えずに言いたい放題の令嬢達に困って思わずペンダントを握りしめると後ろから声がした。


「貴女達は何をしているのですか?」


振り返るとクリス様が居た。

クリス様が冷たい表情で令嬢達を見渡すと先程までの勢いは消えしどろもどろになっていた。


「彼女はルグラン殿の婚約者と記憶していますが?」


「でも、カリーナ様が可哀想ですわ」


一人の令嬢の言葉にクリス様が反応する。


「カリーナ嬢…?」


クリス様もカリーナ様が私を呪っている事をご存知なのかもしれない。

クリス様と令嬢達のやり取りを見ていると不意に肩を抱き寄せられた。


「え?」


顔を上げるとリオネル様が居た。


「私の婚約者が何か?」

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