46.side クリス
地下牢へ行くと思ってたより若い男が魔力封じの手枷を嵌められていた。
俺に気付くと胡散臭い笑みを浮かべて歓迎した。
「初めて見る顔ですね」
「何故、彼女を呪った?」
「私はアイテムを渡しただけですよ?誰を呪ったのかは知りません」
ヘラヘラ笑う男に苛立ちが募る。
「嫉妬の炎は、とても美しいと思いませんか?」
「何?」
「あの人の心には、それはそれは美しい炎が燃えていた。その炎が消えないように少しお手伝いをさせて頂いただけですよ。おや?貴方にも美しい炎が燃えていますね。もしここから出してくれるのなら貴方の欲しいものを手に入れるお手伝いをしますよ?」
男は、にっこり微笑んだ。
俺の欲しいもの……。
婚約者の隣で幸せそうに微笑む彼女の顔が思い浮かんだ。
しかし彼女は今、この男によって苦しめられている。
「呪いを解く方法を教えろ」
「アイテムと完全に一体化していたら手遅れです」
「アイテムを渡した相手の名前を言え」
「それは言えない契約になっているのですよ」
地下牢に入れられ魔力を封じられても取り乱す事もなくヘラヘラと笑う男。
何故この男は、ここまで余裕でいられるのだろうか…?
男の身辺をもう一度調べ直そうと男に背中を向けると…
「貴方の欲しいものを手に入れたくなったらまた来て下さい」
振り返ると男はゾッとするくらいキレイな顔で笑っていた。
side ???
呪いの代償は生命力。
呪えば呪うほど生命力は奪われる。
嫉妬の炎に身を焦がした命はとても美しい。
彼女の炎は特別に美しかった。
もっともっと燃えるように呪いのアイテムを渡すと彼女の魔力を吸い取ってそれはそれは美しく燃え上がった。
しかし呪う相手が悪かったようだ。
まさか城の地下牢に入れられるとは……。
クククッしばらく大人しくしていよう。
誤字報告ありがとうございます。




