45.side カリーナ
魔力の授業でパートナーを組む事になったリオネル・ルグラン様は笑わない人だと思った。
何事にも無関心で常に無表情でそれでも気づいたらいつも目で追ってた。
ある日リオネル様が珍しくアクセサリーを身に着けていたので気になり声をかけた。
「リオネル様がアクセサリーなんて珍しいですね」
「似合わないでしょうか?」
「いえ、とても素敵なカメオですね。お色もとても似合ってますわ」
「ありがとうございます。御守りなんです」
リオネル様が微笑んだ。
ほんの一瞬だったけどリオネル様の微笑みはとても素敵でもう一度見たいと思った。
しばらくしてリオネル様の噂を聞いた。
ひとつ年下の婚約者をとても大事にしていると…。
婚約者、居たんだ…。
夜会で見たリオネル様の婚約者は、とてもキレイな子だった。
でも、ただそれだけ。
魔力も大したことないし身分も私より下。
それなのに、あの子は私が見たかったあの笑顔を当たり前のように向けられて宝物のように大切に扱われて、そしてあのカメオ……。
お揃いだなんて知らなかった。
お互いの瞳の色のカメオ…。
あの時の笑顔は私に向けたものでは無かったの?あの子の事を思い出してたの?
あの夜の黒い感情は、どうしても消すことができなかった。
リオネル様を想えば想うほど、あの子が憎かった消えてほしかった。
そんな事を思っているからつけ込まれたんだと思う。
友人に誘われて行った占いの館で、声をかけられた。
『憎い相手が居なくなるおまじない』だと言われてブレスレットを渡された。
軽い気持ちだった。
本当に居なくなるんて思ってなかった。
ただ少しでも気持ちが軽くなれば良いと思っただけだったのに…。
あの子を見ると憎くてブレスレットを嵌めてしまった。
ブレスレットは私の気持ちを吸い取ってくれるのか急に楽になった。
憎い気持ちが消えたようなそんな気がした。
でもすぐに異変が起きた。
あの子を憎いと思うと胸を刺すような痛みがした。
あまりの苦しみに何度も気を失いかけた。
すぐに占いの館へ行くと、あの占い師は居なくて禁術を使った疑いで、お城に連行されたと教えられた。
禁術…。
私は、あの子を呪っているんだと思う。
そしてその呪いはリオネル様が弾いて弾かれた呪いは私に返ってくる。
黒いブレスレットは私の手首にピッタリ嵌まって外すことができない。
きっとリオネル様は私を許さない。
どうしてこうなってしまったんだろう……。




