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それからの日々は慌ただしかった。
『呪い』の事は箝口令が敷かれ、私が呪われていた事を知っているのは一部の人間だけとなった。
お父様は何度か登城され国王陛下から色々と今後の事を聞かされ頭を抱えている様だった。
私も何度か登城命令を受けた。その度にリオネル様が付き添ってくれて私の不安を取り除いてくれた。
何度か検査をして『呪い』の影響は無いと判断され私が登城しなくても良くなった頃には、入学式目前となっていた。
入学式当日はリオネル様が迎えに来てくれる事になっていてリオネル様を待っていると一台の馬車がランベール家へ入ってきた。
でも、その馬車の家紋はリシャール家の物でアレクシアも驚いていた。
「アレクシア迎えに来たよ。一緒に行こう」
「急にどうなさったのですか?」
ニコニコしてるロラン様に対してアレクシアは突然の訪問に困惑しているようだった。
「リオネル様がレティシア嬢を迎えに行くと聞いてねアレクシアが羨ましがるかと思って迎えに来たんだよ」
アレクシアは顔を真っ赤にしてプイッと横を向いた。
「わ、私は別に羨ましくなんて思ってませんわ!!」
実際はとても羨ましがっていたのにアレクシアの素直になれない悪い癖が出てしまったようだ。
「本当は俺が羨ましかったんだよ。アレクシアと一緒に登校したいな」
プイッと横を向いてるアレクシアをロラン様はニコニコして見ている。
「しょうがありませんわね」と言いながらロラン様にエスコートされてるアレクシアは嬉しそうに頬を赤らめていてとても可愛かった。
アレクシア…ツンデレになった?
リシャール家の馬車を見送っていると入れ違いでリオネル様の馬車が入ってきた。
「さぁレティシア迎えに来たよ」
リオネル様のエスコートで馬車へ乗ると学園へ向かった。
『呪い』の一件から慌ただしくて忘れていたけど入学式から『乙女ゲーム』は始まる。
可能ならばヒロインの存在とヒロインが誰のルートを選ぶのか確認がしたい。
できれば王太子ルートでは無い事を願うばかり。
王太子ルートだとアレクシアが悪役令嬢になってしまう可能性がある。
そんな事を考えていたら馬車は学園へ到着した。見覚えがある建物、やはりここは乙女ゲームの世界。
もし王太子ルートなら校門でヒロインと殿下は運命の出会いをする。
思わず校門でヒロインの姿を探していると
リオネル様に腕を引かれてそのまま抱き締められた。
「キョロキョロしていると危ないよ」
え?
段差に気づかなかった私をリオネル様が助けてくれたんだけど、そのシチュエーションは王太子殿下とヒロインの出会いにそっくりだった。
王太子殿下が女子学生を突然抱き締めて周囲から物凄い悲鳴が起こるのだけど、リオネル様に抱き締められている私にも同じ現象が起きている。
リオネル様の腕の中で湧き起こる悲鳴を聞いていると視界にヒロインと同じストロベリーブロンドの髪が見えた気がした。




