30
ペンダントはあれから何ともなくてやっぱり私の勘違いだったみたい。
私は最近、日課になっている『乙女ゲーム攻略ノート』を開いて魔法省長官の息子の所に注意マークと危険マークを付けた。
いきなり触れようとするのだから危険マークを付けられても文句は言えないだろう。
あの時、触れられていたらリオネル様にまた「隙がある」って怒られてしまう所だった…。
魔法省長官の息子のページを見ていると突然、胸が痛くなった。
ズキズキと痛む胸に声も出せずにその場に倒れこむ。
無意識にペンダントを握っていたようで右手が焼けるように熱い。
『レティシア?』
意識が朦朧としていてリオネル様の声がよく聞こえない…。
痛い胸が痛い。
助けてリオネル様。
胸をナイフで刺されるような痛みに意識を失いかけていた時、身体がふわりと浮いた気がして、そっと目を開けるとリオネル様が私を抱き上げていた。
「もう大丈夫だよ」
リオネル様は私をベッドに寝かせるとペンダントに触れゆっくり魔力を流し込んだ。
すると胸の痛みがスーッと消えた。
「レティシア?」
リオネル様の瞳が不安そうに見つめてくる。
「もう…大丈夫…です」
まだ息が上がっていて上手く話せない。
しばらくすると呼吸も楽になってベッドから身体を起こすとリオネル様に抱き締められた。
リオネル様の背中に手をまわすとリオネル様が微かに震えている事に気づいた…。
「他に痛い所はない?」
「もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません」
「迷惑なんかじゃないよ。また何かあったらすぐに呼ぶんだよ」
「分かりました」
激しく痛んでいた胸にそっと手を当てた。
私に何が起きていたのだろう…。
「リオネル様、もう少し一緒に居て下さいますか?」
「レティシアが安心するまで側に居るよ」
リオネル様の胸に抱きつくと優しく抱き締め返してくれた。
誤字報告ありがとうございます。




