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初めて参加した夜会はいろんな事がありすぎてとても疲れた。
攻略対象の王太子殿下には逢えたけど他の攻略対象者には逢えなかったな。
王太子殿下と側近候補が『乙女ゲーム』の攻略対象者。
たしか宰相の息子と騎士団長の息子と魔法省長官の息子だったはず。
ヒロインは一つ年下だから私とアレクシアと同じ。
うーん。
私達が学園に入学したら『乙女ゲーム』始まるのかな?
うろ覚えだけどノートに『乙女ゲーム』の世界を書き出してみる事にした。
ヒロインの名前は、たしかダイアナだった。
3歳の時に誘拐されて孤児院で育つ。10歳の時に誘拐された男爵令嬢だと判明して両親の元へ引き取られる。
王太子ルートの悪役令嬢が我が姉アレクシア。
アレクシアは婚約者が居ない王太子に夢中になるけど王太子が興味を持つのはヒロイン。面白くないアレクシアは孤児院育ちのヒロインをバカにしていじめる。
アレクシアが悪役令嬢になるのは王太子ルートのみ。アレクシアを悪役令嬢にしない為に頑張らないと!!
そしてふと思い出したけど魔法省長官の息子ルートの悪役令嬢が、たぶん夜会で逢ったカリーナ様だったと思う。
カリーナ様は魔力量が多くて魔法省長官の息子には自分が相応しいと思っていたのに選ばれたのは魔力量が少ないヒロイン。
カリーナ様は魔力がすべての考えの持ち主だから魔力が少ないヒロインが気に入らなくていじめる。
ヒロインの魔力は私と同じくらいだと思うからカリーナ様には私も近づきたくないな。
それに今現在、彼女が好きなのはたぶんリオネル様…。
宰相の息子と騎士団長の息子は、まったく記憶に無い。
こんな事なら、もっとちゃんとプレイしておけば良かった。
王太子殿下と側近候補の事、リオネル様に、さりげなく聞いてみようかな…。
ペンダントを握るとすぐにリオネル様が返答してくれた。
『レティシア、どうかした?』
『あの、少しお聞きしたい事がありまして…王太子殿下と側近の方々ってどういう方々なのでしょう?』
さりげなくどころか直球になってしまった。
『……』
『リオネル様?』
『レティシア、今から行っても良いかな?』
『え?今からですか?』
今からってもう夕方なんだけど…?
とりあえずノートを隠してエマを呼ぼうとしたら…
ペンダントがいつもより眩しく光だした。
何?何?何?
軽くパニックになってると目の前にリオネル様が居た。
「えーーーー?」
すぐさま私の口をリオネル様がふさぐ。
「落ち着いてレティシア。言ってなかったけどそのペンダントを目印に転移できるようになってるんだよ」
突然すぎて頭がついていかない。
「ねぇレティシア、どうして急に王太子殿下や側近候補の事を気にするの?もしかして、この前の夜会で王太子殿下に興味を持っちゃった?」
あ、怒らせちゃったかも…。
「違うんです…」
説明するの難しいな…
アレクシアが興味を持つかもしれないのでなんて言えないし。
「リ、リオネル様が王太子殿下と仲が良かったから…私も関係を知っておいた方が良いと思って…」
あぁリオネル様に嘘をついちゃった。
ごめんなさいリオネル様。
「本当に?」
コクコクッと頷くとリオネル様は私の手を引いてソファーに座った。私も並んで座るとリオネル様が「ふぅー」っと息を吐いた。
「レティシアに捨てられるのかと思った」
「す、捨てませんよ!!」
「良かった」
「リオネル様が思ってる以上にリオネル様の事、好きですよ?」
「俺の方がもっと好きだよ」
リオネル様は私の部屋に不法侵入してるから長くは居られないんだけど離れがたくて寄り添って座ってるとリオネル様が立ち上がった。
「怖がらせてしまってごめんね。もう勝手に転移して来ないから安心して」
ビックリしただけで怖くはなかった。
「私が逢いたいって言ったら転移してきて下さいますか?」
「そんなに俺を喜ばせてどうするの?レティシアが呼べば何処へだって飛んで行くよ」
リオネル様は「おやすみ」と私にキスをすると来たときと同じように眩しい光と共に姿を消した。
誤字報告ありがとうございました。




