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レティシアの甘い夜

リオネル様の卒業パーティーが終わると、私も一緒にルグラン邸へ帰った。


リオネル様が卒業して平日には殆ど逢えなくなると思うと寂しくてたまらない。



それと……リオネル様には言ってないけど本当は、不安な気持ちの方が大きい…。


リオネル様は素敵だから……女の人は放っておかないと思う…。


これからは正式な夜会も増えるだろうし……私は、まだ社交界デビューできる年齢では無いから一緒には行けない……。


「どうしたの?」


リオネル様が私の顔を覗き込むと頬に優しく触れ……我慢していた涙がポロポロと零れ落ちた。


「レティシア…?」


リオネル様が涙を拭ってくれるけど涙は止まらない。


「大丈夫だよ」


私が寂しくて泣いていると思っているリオネル様は優しく慰めてくれる。


リオネル様は優しい。

私の事をとても大切にしてくれている。

誰よりも私の事を愛してくれているのも分かってる……。



でも私の不安な気持ちは消えてくれない。


「リオネル様…ぎゅってして…」


「おいで」


リオネル様の腕の中でも不安は消えなくて……。


「リオネル様……もっと、ぎゅってして…」


「これ以上だとレティシアが折れちゃうよ…?」


リオネル様が困った様に眉を下げて私を見つめる。


「リオネル様と……もっと…深く…繋がりたい…」


声が聞けるだけで満足していた頃には、もう戻れない。


リオネル様の瞳を見つめると、困惑の色が見える……。


「はしたない事を言ってしまい…申し訳ありません…忘れて下さい…」


リオネル様を困らせてしまった……。

恥ずかしい。

今夜は自分の部屋で眠ろう…。

リオネル様から身体を離すと強く抱き締められた。


「リオネル様…?」


「君は本当に困った子だね……」


「ご、ごめんなさい…」



リオネル様は私を抱き上げると優しくベッドへ寝かせた。


「リオネル様…」


リオネル様の唇が何度も優しく触れる。


「俺の可愛いレティシア、本当はずっと君が欲しかった……」


「リオネル様……」


体温が一気に上がるのが分かる……。

このまま溶けてしまいそうなくらい身体が熱い。


リオネル様は私の不安な気持ちも全て包み込む様に優しく抱き締めてくれた。



「リオネル様…大好き…」


「一生、離さないから覚悟してね」


心も身体も全部、私の全てはリオネル様の物。



私の甘い甘い夜は、ゆっくりと過ぎていった。

明日の朝7:00にリオネル視点の朝を更新します。読んで頂けると嬉しいです。

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