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25. side リオネル 2

レティシアを一人にするのは不安だが殿下の誘いを断るわけにもいかない。


「レティシア少し待ってて、何かあったらすぐに呼んで」


レティシアのペンダントをトントンと叩いた。自身の美しさに無自覚なレティシアはとても無防備で今だって男達の視線に気づいていない。


ゲストに挨拶をすませレティシアの元へ急ぐと数人の男達に囲まれていた。

レティシアを置き去りにして話が盛り上がっていたようなので遠慮なく返してもらった。ふざけた奴等だ。



レティシアと並んでソファーに座ると


「リオネル様…私、幼少の頃よりお慕い申し上げております」


不安そうな瞳でレティシアは気持ちを伝えてきた。

奴らの会話に俺が傷ついてると思ったんだろう。レティシアの頬を撫でるとすぐに赤くなった。可愛くて愛しくてたまらない。


次からは、すぐに助けを呼ぶように言うとペンダントの事をすっかり忘れていて少しムッとした。


「レティシアには少し隙がある。さっきだって殿下に触れられて…」


殿下に口付けされた手を握って苛立ちをぶつけてしまった。

あの状況ではレティシアには、どうにもできない。ただの八つ当たりだ。


レティシアの大きな瞳にみるみる涙が滲んで、慌てて涙を拭う。泣かせてしまった……。


「ごめんなさい…」


レティシアは悪くないのに。悪いのは俺だ。

自分の不甲斐なさをレティシアへぶつけるなんて最低だ。


「次からはすぐにリオネル様を呼びます。飛んできて下さいね?」


こんな情けない俺にレティシアは寄り添ってくれる。


「レティシアが呼べば、すぐに飛んで行くよ」


見つめると恥ずかしくなったようで…。

レティシアは恥ずかしくなるとすぐに目を逸らす。そして話題を変えようとスイーツが食べたいと言い出した。

イタズラ心でフォークを口に持っていくと困った顔をしながらもパクりと食べて口元をほころばせた。

そして「チョコレートが食べたい」とおねだりまでしてきた。

可愛くて完全に俺の方がやられてしまった。


スイーツを食べ終わるとダンスに誘った。

緊張して固くなっていたので和らげると、いつも以上に優雅に踊る彼女に皆の視線が集まる。そのまま二曲続けて踊った。

二曲続けて踊る事が許されるのは親しい間柄の者だけ。


レティシアが疲れてしまったのでドリンクを貰いに行くとカリーナ嬢にダンスを誘われたが断った。今はレティシアとしか踊りたくない。

レティシアにダンスを申し込もうとしている奴らから距離を取ってバルコニーへ出た。


月明かりの下で美しく輝く俺の婚約者は無自覚で無防備で…


このまま腕の中に閉じ込めておけたら良いのに。

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