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「君を奪われないか不安なんだ」
奪われる?誰に?
ビックリしすぎて涙が引っ込んだ。
「誰にも奪われませんよ?」
そもそも誰が私を奪うと言うのだ?
私は生まれた時からモブ人生を送ってきたような日陰の存在。
リオネル様と婚約できたのだってアレクシアが望んだからだし。
私とアレクシアなら皆アレクシアを選ぶ。
「レティシアすまない。君は悪くないのに、少し気が立っていた…」
「リオネル様、謝らないで下さい。確かに隙がありました。次からはすぐにリオネル様を呼びます。飛んできて下さいね?」
「レティシアが呼べば、すぐに飛んで行くよ」
甘い空気に恥ずかしくなって目を逸らすとリオネル様が持ったままのスイーツ皿が目に入った。
「リオネル様、ケーキが食べたいです」
話題を変えようとお皿に手を伸ばすとリオネル様がケーキを乗せたフォークを私の口元に運んできた。
これは…
あーんって事ですよね?
リオネル様をチラリと見ると笑顔でフォークを差し出してる。
たしかに会場からは見えにくい場所だけど…
今は二人っきりじゃないのにっっ!!
観念してパクっと食べると美味しくて「次はチョコレートが食べたいです」とおねだりまでしてしまった。
ほとんどリオネル様に食べさせてもらって我に返りました。
人前でした。
ただのバカップルでした。
誰も見てない事を願います。
恥ずかしくて死にそう……。
「せっかくだから踊ろうか?」
私にスイーツを食べさせて満足したリオネル様がご機嫌で私の手を取りフロアへ向かった。
人前でダンスを踊るのは初めてで緊張して動きが固くなってしまう。
「レティシア俺の目を見て、いつも通り踊れば大丈夫だよ」
「リオネル様…」
リオネル様の優しい微笑みに緊張が溶けていく。
私のダンスの練習相手は、いつもリオネル様だった。
私のクセも全部リオネル様はカバーしてくれる。
リオネル様のリードでとても楽しく踊る事ができた。
でも二曲続けて踊ると少し疲れてしまった。
「少し休もうか?」
リオネル様とドリンクを貰いに行くと、さっきリオネル様に話しかけていた令嬢が居た。
「リオネル様、私とも踊って下さいませ」
「カリーナ嬢、申し訳ない。彼女は夜会に不馴れなので一人にはさせたくないのです」
ジロリと睨まれた。
この人はリオネル様の事が好きなのだろう。
『私に気にせずどうぞ』って言葉を待ってるんだろうけど譲る気は無い。
リオネル様は気にせず私の手を引いて彼女に背を向けた。
「断って良かったのですか?」
「正式な夜会では無いから構わないよ。今夜はレティシア以外と踊る気は無い」
ドリンクを貰うとリオネル様はバルコニーへ出た。
「でもレティシアを狙ってる奴等から守るのは大変そうだから少し避難してよう」
「ふふふ、そんな人は居ませんよ」
リオネル様は私の髪を撫でてそのまま抱き寄せた。
「本当に君は心配になるよ」
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