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229.side リーノ

俺は今、リオネル様に相談をしている。


「それで…どのようにプレゼントをされているのですか?」


「一緒に出掛けた時は彼女が気に入った物は買う様にしてますね…」


そんな感じで良いの?


「遠慮して『いりません!!』とか言われてしまう時があるのですが…」


「それなら買っている所を見せないのも良いかもしれませんね」


なるほど…。

たしかに旅行用に勝手に服を買ったけど『いらない』とは言わなかったな。


「もう少し甘えて欲しいです」


ポツリと呟くとリオネル様は笑い出した。


「それで、あの薬ですか?」


「お恥ずかしいです…」


エリカに飲ませようと思って用意した媚薬は間違って…リオネル様の婚約者のレティシア様が飲んでしまった……。


「リオネル様にも御迷惑をお掛け致しました…」


「いえ、とても可愛らしかったので…大丈夫ですよ」


う、羨ましい。

俺も可愛らしく甘えるエリカを見たかった。


「リオネル様、長々と相談してしまい申し訳ありません」


「かまいませんよ」


リオネル様の部屋を出ると自室へ向かって歩き出した。


エリカとの出逢いはランベール家のパーティーだった。

招待された父に代わって出席したらエリカは軽食コーナーで話題の『おにぎり』を作っていた。


最初は可愛らしい見た目に惹かれて彼女から目が離せなかった。

気が付いた時には声をかけていた。


「美味しそうですね。ひとつ頂けますか?」


エリカは可愛らしく微笑むとメニューの説明をしてくれた。


「それでは、お嬢さんのオススメの物を下さい」


「私のオススメは、こちらのオムライスおにぎりになります。店舗でも朝から並ばないと買えないくらい人気なんですよ」


会話をしながら彼女はテキパキと手を動かしている。


「どうぞお召し上がり下さいませ」


「ありがとう。とても美味しそうだ」


その後も、ずっとエリカを気にしていたけど彼女の周りには常に誰かが居た。

『おにぎり屋』は、とても人気で貴族もお忍びで通っていると噂だからな。


パーティーの後もエリカの事が頭から離れなかった。

何度も店舗に通って、気が付いたら求婚していた。


エリカは顔を真っ赤にさせて小さな声で「少し考えさせて下さい」と言うと奥に引っ込んでしまった。


その後はレティシア様が家に乗り込んで来たりと色々あったけど無事にエリカと結婚する事が出来て店舗と新居まで用意して頂いた。


エリカとの新婚生活は楽しくて幸せだけど…時々ふと思ってしまう。

エリカは俺じゃなくても求婚を受け入れていたのかもしれない…と。


ただ俺は早い者勝ちでエリカを手に入れただけなのかもしれない。


部屋のドアを開けようとすると中から声が聞こえてきた。



「レティシア様、私…自分が結婚できるなんて思っても居ませんでした…それが、あんな素敵な人と…レティシア様!!リーノ様と出逢わせて下さってありがとうございます」


エリカ…?

思わずドアを開けようとしていた手が止まる。

部屋に入るタイミングを完全に見失ってしまった……。


立ち聞きは、良く無いと思うのだが…気になって全部聞いてしまった。

ダメだ、嬉しくて顔が緩む。


話が途切れた所で部屋に入るとエリカは真っ赤な顔で出迎えてくれた。


「レティシア様、エリカの相手をして下さっていたのですね。ありがとうございます」


「いえ、こちらこそエリカちゃんとお話ができて楽しかったです」


レティシア様は俺に軽く会釈をすると部屋から出ていった。


「レティシア様と何を話していたの?」


少し意地悪だったかな?


「え!!あの…えっと…お菓子を頂きました…」


エリカは小さな紙袋を差し出す。

紙袋を受けとる振りをしてエリカを引き寄せて抱き締めた。


「きゃっっ」


俺の奥さん可愛いな。


「リーノ様…?」


「世界で一番大好きだよ」


額に口づけを落とすとエリカは真っ赤になった。


「私も…大好きです」


エリカ…?


「もう一回言って」


「い、嫌です!!」


その後、エリカは恥ずかしがって「好き」とは言ってくれなかった。


近い内にまた「好き」って言わせるぞ!!

誤字報告ありがとうございます。

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