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時の流れとは早い物で私の誕生日が訪れた。
「お誕生日おめでとう」
「あ、ありがとうございます……あの、リオネル様…その格好は?」
日付が変わる瞬間、一緒に居たいとお願いしたらリオネル様は来てくれたのだけど……服が気になる…。
「お嬢様専属の執事でございます」
リオネル様は私の手の甲に軽くキスをした。
執事です!!
私の旦那様が執事です!!
「何なりとお申し付け下さいませ」
リオネル様、格好良すぎてムリだよぉ!!
恥ずかしくて顔が見られない。
「そろそろ眠るお時間ですね、お嬢様ベッドへ入りましょう
リオネル様は私を抱き上げるとベッドへ運んだ。
リオネル様…帰っちゃうのかな?
「帰ったらダメです」
「お嬢様のお望みのままに…」
チラリとリオネル様を見ると視線が重なる。
恥ずかしくて思わずシーツで顔を隠すと……。
「お嬢様?」
「リオネル様…似合いすぎです」
「お嬢様のメイド姿も大変可愛らしゅうございました」
リオネル様は、何処までも執事を貫くのね。
「何でもお願いを聞いて下さいますか?」
「勿論です」
「朝まで一緒に居て下さいませ」
「仰せのままに」
リオネル様なのに違う人みたい…。
恥ずかしくて直視できない。
リオネル様と視線が重なるとすぐに逸らしてしまう。
「クククッ可愛すぎるよ。可愛すぎてもうムリ」
リオネル様は私をぎゅうっと抱き締めた。
リオネル様の腕の中は暖かくてうとうとしてくる。
「お休みレティシア」
リオネル様の腕の中で私は眠りに落ちた。
目を覚ますと…。
目の前にリオネル様の寝顔が……。
リオネル様、本当に綺麗な顔してるなぁ。
リオネル様の頬を撫でていると……。
「くすぐったい」
リオネル様を起こしてしまった。
「ごめんなさい、起こしてしまいましたね…」
「おはようございます、お嬢様」
あ、執事まだ続いてた。
誤字報告ありがとうございます。




