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週末なので、ルグラン邸へ遊びに来ました。


ほぼ毎日、リオネル様とお逢いしていても週末のお泊まりは嬉しくて着く前からソワソワしてしまう。




馬車の扉が開くと勢い良く飛び出して出迎えてくれていたリオネル様の胸に飛び込んだ。



「リオネル様っっ!!」



少しだけ、はしたないと思うけど…ルグラン邸には子供の頃から通っているので皆、大目に見てくれるはず…。




何だか、いつもと違う視線に気付いて顔を上げると……。


リオネル様の従兄弟の方が居た。


「!?」


目が合ったままお互い固まる。


えっと…私が、あの時のメイドって事に、やっぱり気付いてるよね?


あの時、メイド服を着ていた言い訳を色々と考えるけど何も思い付かない…。



「レティシア!!」


リオネル様の声に我に返る。

顔をリオネル様の方へ向けると…あらら眉間に皺が……。



理由は、どうであれリオネル様の目の前で他の男性と見つめ合って居たのだからリオネル様が不機嫌になっても無理は無い。



リオネル様は私を強く抱き締めると顔だけ従兄弟の方へ向けた。


「例の件、頼んだぞ」


「……あ、ああ分かった…」


従兄弟様は急に元気が無くなった様でフラフラと帰っていった…。



「あの方は、どうなさったのですか?」


「さぁ、どうしたんだろうね?」


リオネル様は、そんな事はどうでもいいと私を屋敷の中へ招き入れた。



他の男性の話題はリオネル様が嫌がるだろうけど……。


「私が、あの時のメイドって事に気付かれてましたよね?」


「そうだね…」


あぁ、やっぱり…。

リオネル様の婚約者は変態だと思われているかもしれない。

恥ずかしい。


「私、変な趣味の女だと思われてますよね?」


恥ずかしくて顔を両手で隠すと…リオネル様が頭を撫でた。


「どちらかと言えば…俺の方が変態だと思われているだろうね」


そんな…。

身内になる方に(もう身内だけど)変態カップルだと思われてしまった……。



「変な噂にならないですよね?」


「大丈夫だよ。あいつは今、それ所では無いからね」


ん?

よく分からないけど…心配しなくて良いのかな?


「レティシア?いつまでその話をするの?」


「ごめんなさい…もうしません」


リオネル様は、お茶の準備が整うと私を隣に座らせてぎゅっと抱き寄せた。


「ねぇ?わざと焼きもち妬かせてる?」


「ち、違いますっっ!!」


「本当に?俺がどれだけ君の事を好きか分かってる?」


うんうんと頷くけどリオネル様は納得していない様で……。


「はぁ…絶対に俺の方がレティシアの事を好きすぎる」


「私だってリオネル様に負けないくらいリオネル様の事が好きです!!」


「本当に?」


「本当に!!」


リオネル様の頬にチュッとキスをするとリオネル様の機嫌は治った様で私の顔にキスの雨が降ってきた。






*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー


side ルグラン邸 メイド



『先輩、このお二人っていつもこんな感じなのですか?』


『もっと甘い時もあるわよ』


『もっとっっ!?』


新人メイドには刺激が強すぎたのか真っ赤な顔をして俯いてしまった。

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