表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/254

151.side リオネル 2

レティシアがポケットから懐中時計を取り出して見ている。

初めて見るデザイン…。



「リオネル様、お誕生日おめでとうございます」


レティシアが小さな箱を差し出した。


「開けても良い?」


「気に入って頂けると嬉しいのですが…」


箱を開けると中には…。


「懐中時計?」


これはレティシアの懐中時計と同じデザイン?

蓋の裏にはメッセージが刻んである。


『レティシアからリオネル様へ

愛を込めて』


メッセージを指で撫でる。

こんなに嬉しいプレゼントは初めてだ。


「ありがとうレティシア。これは、レティシアの懐中時計とお揃い?」


レティシアがポケットから懐中時計を取り出すと蓋を開けて文字盤を見せた。

文字盤の宝石が薄紫色をしている…。

そんな些細な事でも嬉しくて顔が緩んでしまう。


「これからもリオネル様と同じ時を刻めるように懐中時計にしました。ずっと一緒に居て下さいね」


「もちろんだよ」


レティシアを自分の方へ引き寄せるとぎゅっと抱き締めた。

自分の言葉が、どれだけ俺を喜ばせているかなんて気付いていないんだろうな…。



「リオネル様…もう少し一緒に居ても良いですか?」


「レティシアは朝に弱いからなぁ」


少しだけ意地悪を言うと可愛らしく睨んできた。


「ちゃんと起こしてあげるよ」


レティシアは頭を撫でるとすぐに機嫌が良くなる。


「眠くなるまで一緒に居ようね」


「はい」


早く一緒に暮らせると良いのに。

同じ歳に生まれていれば、もっと同じ時間を過ごせるのにな…。


「レティシアが卒業したらすぐに式を上げて一緒に暮らそうね」


「はい、楽しみです」


可愛らしく微笑むレティシアが愛しくてたまらない。

彼女の全てが欲しい。


「君の未来も一緒に貰ったよ」


懐中時計に口付けをするとレティシアの頬が赤く染まる。


「そ、それは…婚約した時から既にリオネル様の物です」


レティシアを抱き締めると彼女の手が背中に回る。


何も持っていなかった俺が初めて手に入れた宝物。

君と出逢うまで自分がこんなに独占欲が強いなんて思わなかったよ。


しばらく抱き締めていたらレティシアの寝息が聞こえてきた。


レティシアは本当に可愛いな。


そっと抱き上げてベッドへ寝かせる。

今夜は、俺の方が君と離れられないよ。


「おやすみレティシア」


レティシアを抱き締めて眠りに就いた。

誤字報告ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ