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ライラが気分転換になればとお茶会を開いてくれた。


「リオネル様は、とても情熱的な方なのですね…」


ライラが、うっとりとした表情で語りだす。


「あんな大勢の前でレティシア様に愛の告白をなさるなんて……」


あの日の事は恥ずかしいのであまり言わないで欲しい……。


「そ、それよりシンシア子爵令嬢を最近、見かけないのだけど…?」


何とか話題を変えようとシンシア子爵令嬢の名前を出すとライラから表情が消えた。


「リオネル様は脅しでは無く本当に抗議をなさいますので…きっと謹慎をさせられているのでは無いでしょうか…?私もお父様からは怒られお母様からは泣かれお兄様からは呆れられ…」


自分の事を思い出しているライラにダイアナが吹き出した。


「ダイアナ様、笑い事では無いのですよ?お兄様の監視の目は今も続いているのですよ?」


プルプル震えているライラは小動物の様で可愛らしい。


「あら、お兄様がライラを監視しているって事はライラを見ているって事じゃない」


「ダイアナ様が思っている様な情熱的な視線ではありません!!」


ライラが顔を真っ赤にして言い返している。


え…?

もしかしてライラはエミリオ様の事が好きなのかしら?

ダイアナは、その事を知っている?


「ライラはエミリオ様の事が好きなの?」


「キャーッッ!!レティシア様!!声が大きいですっっ!!」


いや、どう考えても今のライラの声の方が大きいと思う。


「ダイアナ様は御存知なのですが…お兄様とは血の繋がりは無いのです……」


ライラは真っ赤な顔をしてポツリと呟いた。




「ライラ、お前の声が遠くまで響いていたぞ」


「ぎゃー!!お兄様っっ!!」


「ライラ、はしたない声をあげるな」


パニック状態のライラの背中をダイアナが優しく撫でて落ち着かせている。


「お、お兄様は、い、いつから…そ、そこに……?」


「今、来たばかりだよ?」


ライラは、ホッと息を吐いた。


「お、お兄様、女性の秘密の会話に入って来てはいけませんわっっ!!」


「お前が女性ねぇ」


エミリオ様はライラの頭を撫でながら優しく微笑んでいる。


「ライラは、もう立派な女性ですわ。恋もしておりますし…」


「ダ、ダイアナ様!!」



ライラの頭を撫でていたエミリオ様の手がピタリと止まった。

エミリオ様が一瞬、真顔になった気がしたけど見間違い?



「騒がしい妹ですが、仲良くしてやって下さい。私はこれで失礼します」


エミリオ様は私とダイアナに礼をして立ち去った。




「ダイアナ様の意地悪っっ!!」

誤字報告ありがとうございました。

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