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相変わらず外は嵐なので今日もリオネル様と室内で過ごす。
リオネル様は私の隣で読書をしているのだけど…私は落ち着かなくてそわそわしている…。
チラチラ見ていると私の視線に気が付いたのかリオネル様の口元が緩んだ。
「どうしたの?」
どうしたもこうしたも読書をしているリオネル様は眼鏡を掛けている!!
眼鏡男子!!
眼鏡男子とか興味無かったのにリオネル様だと破壊力が抜群なのは何故なの?
リオネル様は不思議そうに私の瞳を覗き込んで来るけど私は恥ずかしくて目を逸らしてしまう…。
「な、何でもないです」
そう、何て事無いの。
眼鏡を掛けたリオネル様は……カッコイイ……。
ムリムリムリ。
カッコイイ!!
恥ずかしくてリオネル様が見られないなんて幼少期の頃以来……。
ずっと見ていたいのにリオネル様と目が合うと逸らしてしまう。
「レティシア…言いたい事があるなら言って」
リオネル様の声が少しだけ低くて不機嫌なのが分かる。
「……眼鏡が………」
「眼鏡?」
「リオネル様の眼鏡姿が……」
恥ずかしくて顔から火が出そうになる。
「凄くカッコ良くて…恥ずかしいです…」
最後は小さな声だったけどリオネル様には、ちゃんと聞こえた様で……。
「君は本当に…」
リオネル様も顔が赤くなってた。
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side. リオネル
俺の婚約者は可愛い。
可愛い婚約者から一緒に寝たいと言われたら断れる訳がない。
そんな大胆な事を平気な顔して言うのに「眼鏡が似合う」と言えずに恥ずかしそうにそわそわしているレティシアの基準が分からない……。
今も眼鏡を掛けている俺を見ては恥ずかしそうに俯いている。
もう、本当に可愛い。
色が白いから赤くなるとすぐに分かる。
抱き寄せて瞳を覗き込むと目をぎゅっと瞑ってしまった。
レティシアは全てが可愛い。
こんなに可愛い婚約者に想われているなんて奇跡だろうな。




